知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

オリンピックについて

2021年05月28日 | 国家論
オリンピック反対派の署名運動が盛り上がっているそうです。
「人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます Cancel the Tokyo Olympics to protect our lives」


オリンピックの開催の可否については、論点がごちゃごちゃで、
 議論になっていない
という印象です。

まず、コロナの点に関係なく、
 オリンピックを日本でやるべきでない
という人が一定の割合います。

論拠として、
オリンピックに反対、
そもそも興味がない、
税金の無駄など。

ただ、この点については、
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案(第一八五回国会、決議第一号)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/ketsugian/g18517001.htm
で、可決している以上、
 国会議員は成功に向けて努力する義務が存在する。

そして、
 国会議員を選出した国民も、国会の決議を尊重する必要がある。

 自分たちの代表者が決めたことに従う
というのが、
 民主主義のルールだからです。

ちなみに、決議は、こんな内容です。

 一九六四年の東京大会以来五十六年ぶりとなる
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、
スポーツの振興と国際交流・国際親善、共生社会の実現、
国際平和への寄与にとって極めて意義深いものであるとともに、
我が国が元気な日本へ変革していく大きなチャンスとして、
国民に夢と希望を与えるものとなる。
 国は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が
円滑になされるよう、環境の保全に留意しつつ、
競技場など諸施設の整備その他の受入れ態勢に関し万全の措置を講ずることはもちろん、
国民のオリンピック精神の高揚とスポーツを通じた世界への貢献、
広く国民すべての一層のスポーツ振興を図るとともに、
東日本大震災からの復興を着実に推進することにより、
これからの新しい日本の創造と我が国未来への発展のため
東京大会を成功させるよう努めなければならない。
 よって、政府は、総合的な対策を確立し、国民の理解と協力のもとに、
その推進を図るべきである。
 右決議する。

*****
仮にこの決議に反対していたとしても、
 可決された以上、従わなければならない。

これも、民主主義の多数決のルールです。

そして、
 契約を守らなければならない
という法的なルールがあります。

IOCと東京(開催都市)及びJOC(NOC)との間では、
 開催都市契約
を締結しています。

そして、政府は保証しています。

その上で、投票によって、開催都市に選ばれたわけです。

やりたいと、手を上げ、「おもてなし」のアピールし、
 選ばれた以上、オリンピックを開催するという責任が伴う
わけです。


誰に対する責任?

オリンピックは、究極的には、
 選手のためのもの
です。

その選手は、
 スポーツを愛し、オリンピックに出るために小さいころから
 毎日、数時間、過酷なトレーニングをしている。
 選手になるために、何度もライバルとの死闘を繰り広げて、
 ようやくその切符を手に入れた。
 オリンピックに出ることが夢で、コーチ代、遠征費など、
 莫大なお金をつぎ込んでいる。
 人生をかけている。

オリンピックは、そういう選手のためのものです。
また、選ばれなかったものの切磋琢磨して技を磨き上げた選手たちのためのものです。

そして、
 そういう選手の人のスキルを超越した技を観たいというファンのためのもの
でもあります。

 チケット購入者、テレビ局、スポンサーは、付随的なもの
であり、
 ビジネス的側面は、運営上やむをえない
というものにすぎず、
 本質は、選手たちであるわけです。

そういう選手や、選手のプレーがみたいという人のために、
 立候補して、選ばれた開催国は、開催する義務がある。

これが、前提となります。

日本人は、
 遵法精神が乏しいためか、違約金を払えばいい
と平気でいう人もいます。

キャンセル料を払えば、いいでしょ。
お金を払えば、何してもいいでしょ。
 
法的には、そうかもしれません。

ただ、
 契約をした以上、守ろうと最大の努力をする
それでも、
 どうしてもやむを得ない場合に、賠償で解決する。

これが、
 遵法精神というものです。

 約束した以上、守る。
当たり前のことです。

 コロナに関係なく反対する
という人は、開催が決まったことによって、
 反対の理由はなくなりました。

 みんなで決めたことは、従わなければならない
というのが、
 民主主義のルール
だからです。
これを否定すると、
 社会が成り立たなくなってしまいます。


でも、コロナだから、人命に替えられない。
貴重な医療資源を使うな。
今、人を入れて、感染が拡大したらどうするんだ。

これが、次の論点です。

前提は認めるけど、
 決めたときには予見できなかったコロナという事態が起こっている。
 よって、コロナを理由に反対する。

この点については、どう考えるか。

まずは、約束した以上、守る必要があるというのが、
 遵法精神。

契約は守る。
それでこそ、信頼される。

ただ、契約を守れない場合であっても、
 やむを得ない理由が存在する場合
には、
 賠償して、契約を破棄することができる。

やむを得ない理由がある以上、信頼は失われない。

これは、一理あります。

ただ、
 やむをえない場合は、厳格に判断される
ことになります。

例えば、
 コロナが猛毒性のウィルスで感染したら30%が死ぬ
というケースならば、スポーツどころでないかもしれません。

また、感染者が現時点で何十万人もでているなら、
 それどころではない
ということになるかもしれません。

ただ、
 現在は、東京で1000人を切っています。入院している重傷者は69人。

*****
東京新聞 2021年5月27日 16時48分配信 以下引用
東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者が新たに684人、
死者が11人報告されたと発表した。
都内の累計の患者数は15万9094人で、
このうち現在入院している重症患者は69人となった。
*****

世界的に見れば、うまく感染拡大を抑えていると評価される数字です。

でも、医療現場は逼迫しているのではないか。

ただ、実際の数字からは、世界的に見て、医療が崩壊、感染爆発と評価することはできず、
 やむをえない事情がある
とまでは認められない水準であるということになります。


インド株が入ってきたらどうするんだ。
→現在もビジネス目的の入国を完全にシャットアウトしているわけではない。

感染拡大したらどうするか。
→コロナ対策、入場制限、無観客などで対応する。

選挙村で医療資源を使うべきでない。
→特別なボランティアスタッフを養成し、対応する。

追加予算はどうするんだ。
→開催都市、国、IOCなどで協議する。

コロナで練習できなかった選手は不平等ではないか。
→練習環境の格差は、通常でもある。

選手の生命の安全を脅かすのではないか。
→選手に、参加するかの自己決定権がある。それでも出たい選手に限定。


いずれも、
 東京大会に人生をかけている人達の機会を奪う
ことを
 正当化する理由にはならない
と思います。

感染拡大が心配ならば、無観客でもやるべきだと思います。
その代わり、
 テレビ、ネットでの配信を充実させる。

マイナースポーツや、パラリンピックもすべて報道する。
スポンサーがつかない、視聴率が低い、そんな競技も配信する。

オンラインを最大限活用し、
 コロナ後の世界を先取りしたオリンピックを開催する
ことで、
 スポーツと感染予防の新たなスタイルを提示する。


今は、劇場、スタジアム、映画など、
 リアルで楽しむ娯楽が壊滅的になっています。

それを生業に生活している人がいるのに、
 大多数の人は、関係ないため、無関心です。

飲食店の経営者は、貯金を切り崩しているものの、
 自粛要請を決める公務員や医師は関係ありません。

医療現場は、
 仕事が増えても、あまり給与に反映されず、
 リスクを背負い、
 過酷な職場に耐えています。
これ以上、患者を増やすなといいたくなる気持ちは分かります。


ただ、
 夏の高校野球がなくなり、高校生がうちひしがれていた光景を見て、
 無観客でもやるべきだった
と感じました。


僕は自由主義者なので、
 なるべく国の干渉は少ない方がよい、税金は安い方がよい、規制は少ない方がよい
という考えを持っています。

自由こそ大切だと思っているからです。
自分の自由を大切にする人は、相手の自由も大切にする。
これが、
 自由主義
というものです。

憲法13条
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 公共の福祉による制約は、目的が正当性であり、手段が目的を達成するための最低限度の制約でなければならない。

 スポーツを自由にやりたい
という選手の権利を尊重すべきである。


多くの選手は、オリンピックをやってほしいと口に出せば、
 人権軽視だとか、医療資源をどう考えているんだ
と批判されるため、
 当事者として意見表明はできない
と思います。

だからこそ、
 オリンピックを楽しみにしているサイレントマジョリティが支えるべきだ
と思います。

個人的には、体操、水泳、野球、サッカー、テニス、陸上、アーチェリー、柔道、空手、スケボー、バトミントン、卓球・・・

無観客でいいので、コンテンツをたくさん配信して欲しいと思います。
あと、いつもなら、この時期には、
 メダル候補のストーリーの特番が行われる
ので、メディアも取り上げて欲しいなと思います。
https://2020.yahoo.co.jp/column/detail/202104130002-spnavi?page=2

多くの人が、活躍し、スポーツをきっかけとして、人生を切り開いて欲しいと思います。
そのチャンスがオリンピックにあるからです。
ちなみに、配信すれば、コロナ自粛している人は、テレビやネットで見るので、
 むしろ、視聴率はよい
と思います。


頑張れ日本。コロナに負けるな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする