知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

グローバル化と保護主義化1

2020年05月13日 | 国家論
今回のコロナにより、
 原材料や製品を中国一国に依存する場合のリスク
が露呈することになりました。

これにより、政府も工場を中国から日本に戻す企業に補助金をつけ、
 国内回帰の動き
を強めています。

ただ、すでに莫大なお金を投資しているため、
 補助金の額(予算の総額で2200億円)からすると撤退はなかなか難しい
と思います。

この点、トランプ大統領が力を入れている
 アメリカファースト
は過激です。

中国からの輸入品に多額の関税をかけることで、
 結果として、中国以外に移転する
ことが、得になるようにしているわけです。

アップル 2019.9.23 sankei bizより引用。
米アップルは23日、今秋発売予定の専門家向けパソコン「マックプロ」を米国で生産すると発表した。
中国からの輸入品を対象とする制裁関税をめぐり、米政府が同製品の部品を対象から除外すると決定したためという。


そこで、グローバル化について考えてみます。

グローバル化は、
 国境は必要ない
 関税はかけてはならない
 人・物・金の移動をできる限り自由にすべきである
という考え方です。

この考えに従えば、
アマゾン、アップル、グーグル、フェイスブックなどのIT企業が、
 世界を席巻する
のが容易になります。

しかも、税金が安い国に本拠を置くことで、
 税金の支払いを極力抑える
ことができ、
 莫大な内部留保を手にする
ことができるようになります。

これが、設備投資や広告費、買収の資金源となり、
 競合に対する優位を揺るがない
ものにできることになります。

影響力をより強固なものとすることができる。

さらに、フェイスブックのリブラのように
 仮想通貨発行の発行権限
を手にすれば、
 バーシャル空間に自らの市場を形成する
のと等しくなります。

国境のみならず、物理的な制限がない
 究極のグローバル社会が誕生する
わけです。

この社会では、
 グローバル企業が「王」であり、「法」である
ということになります。

YouTubeでアカウントを削除された場合、
 死刑判決と同様の効果
を生み出します。

 その世界で築き上げた財産(コンテンツ)をすべて奪われることになる
からです。

グローバル化は、
 国境

 法律

 税金
といった
 国家が有する権限を制限する効果がある
ということです。


EUでは、
 国境と通貨と法律を統一することで、参加国の権限を制限する
ことにしました。

これで、自由が手に入り、人、物、金の移動により、
 ビジネスしやすい環境
となりました。

グローバル化は、
国家の関与はできる限り少ない方がよいということになるので、
 自由主義
と結びつきやすい。

人種や性別など菅家なく世界規模での人材獲得競争が展開されるので、
 能力がある者は高所得
ということになり、
 当然格差は拡大する。

ただ、使えなくなれば、容赦なく解雇。
仕事が特定の人(スキル、もしくは人件費が安い)に集中するので、
 仕事がない人、低賃金にあえぐ人の生活は劣悪となりやすい。
まさに、弱肉強食。

これは、
 グローバル化の特徴の一つ
です。

そして、
 グローバル化の最大の特徴は、お金がすべてという流れになりやすい
ということです。

世界は、言葉も、文化も、宗教も、考え方も違う。

それを、一つにしていくためには、
 共通の価値観
を利用する必要がある。

世界共通の価値観こそ、
 お金なわけです。

 お金を媒介して欲しいものを手に入れる
という市場原理は、
 世界共通。

そのため、
 グローバル社会はお金がすべて
という流れになる。
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