知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

権威なき国家の末路。

2013年03月28日 | スキルアップ
今の日本がまずいというのは、
 今回の国会議員の態度
から推察できると思います。

問題の本質は、
 精神の堕落
ということにあります。

国会議員としてのプライドがあれば、
 憲法を守らないといけない
 司法権に従わないといけない
と思うはずです。

これが一番の核にあるからです。

国会議員の地位を根拠づけているのが、
 憲法
です。

つまり、憲法を守らない、憲法の番人である司法権に従わないということは、
 自分の正当性を崩してしまう
行為なので、
 理論的におかしい
わけです。

これが、まかり通ると、
 法律を守らなくてよい
ということになってしまいます。

これを、無政府状態と言います。

近代の国家を国家たらしめているのは、
 憲法
であって、
 憲法の権威によって、社会が成立している
わけです。

憲法が国会議員の存在を生み出し、
 国会議員に法律の制定権を与えている。

国会議員が憲法を守らなくていいということになれば、
 国民は、法律を守らなくてよい
ということになる。

これは、論理的に自然なこと。


違憲状態との判断が出ていたにもかかわらず、
 自分の党の党利党略で是正しなかった。

このことの重大性をメディアも当時自覚しておらず、
 判決が出て初めて大きく報道する。


憲法の権威も、司法権の権威も、国会議員の権威も、メディアの権威も、
 どんどん失墜していっている
ということです。


なんとなく、他人事のような気がするかもしれないですが、
 これは、実は、家庭の父親の権威、学校の先生の権威、社会の大人の権威、
 自治会の自治会長の権威、社長の権威、部長の権威、部活の指導者の権威など、
 あらゆる場面で起こっています。

それが、日本がこれから失墜していく要因になると思います。

おそらく、会社で部下を持った人がまず悩むのは、
 自分のころは、上司のいうことを素直に聞いていたはずなのに、
 今の部下は、いちいち反論したり、無視したりして使いづらい
ということだと思います。

学校の先生も、
 自分のころは、素直に先生の指示に従っていたはずなのに、
 今の生徒は、いちいち反論したり、親を連れてきたりして扱いにくい。

部活の指導者も、
 今の生徒は、いちいち不平を言うし、少しでも叱りつければ体罰だと言われるし、やりにくい。

父親も、
 今の子供は…

自治会長も、
 今の住民は…



権威の失墜により、組織としてのまとまりがなくなっているということです。

これによって、
 ばらばらで、非効率的な組織が出来上がり、
 国家としても、一致団結して、物事に対応する
ということは難しい状況になります。

この最大の原因は、
 権威の失墜とコミュニケーション不足。

わずらわしいことなどしたくないという意識が強く、
 自治会など行かない。部活などはいらない。会社の飲み会など行かない。
 社員旅行など行かない。


そして、
 権威を失墜させ、視聴率を取ることに躍起になっているメディア
にも責任があります。

今は、
 明治時代のように、学校の先生も、有名大学の学生も尊敬されていない。

明治文学を読むと、
 大学生と言うだけで、頭の良い尊敬の対象。

それが、今の学生は、小学生レベルだなどと揶揄されている有り様。


社会全体で、権威を尊重せず、
 他人を尊重しない
そんな時代になっていっているということです。


そのため、
 リーダーシップを発揮することは非常に難しくなっていて、
 きちんと、学ぶ必要が生じているわけです。

診療内科のクリニックに通う人が増えているのも、
 実は、こういう権威の失墜により、言うことを聞かない人が増えてきている
ということにも原因があると思います。

 課長のいうことだから、従わないとね。
という時代から、
 課長のいうことは間違っています。ネットで検索したら、このように出てきました。
 もう、課長の下では働けません。部署を変えて頂けないでしょうか!
という時代に。
 中間管理職はどんどん病んでいく。


組織がフラットになるということは、よいかもしれないですが、
社会としては、
 目的を達成するため、互いに役割を配慮してまとまってうまくやっていこう
というような考えも必要です。

そのためには、「権威の尊重」が重要となります。
憲法の尊重、司法権の尊重、親の尊重、教師の尊重、年長者の尊重、上司の尊重…。

これで、儒教的精神につながってくるのが分かると思います。

儒教は、
 戦国時代に国家を統制するための手法
という見方ができます。

そのためには、
 権威の尊重
が役に立ったわけです。

今の日本に必要なものは、
 崩壊した精神性を取り戻す
ということだと思います。


ただ、行きすぎると、全体主義的思想観(軍国主義)に至るので、
 そのバランスをうまくとっていく。

これを行うのが、教育。
この教育は、
 学校のみならず、家庭や社会を通じた教育
ということになります。

わずらわしいボランティアに参加させたりして、
 社会のコミュニティとのコミュニケーションを継続的にとらせる。
 子供会や自治会などの参加をする。


ちなみに、海外では、
 この権威について、「神」がその役割を担っています。
コミュニティについても、教会が重要な役割とになっています。

日本には、そういうコミュニティで集まって何かするということが減ってきています。
だれがどこに住んでいるかが分からないのであれば、
 震災等の災害での救助が遅れるとのは当然です。


コミュニティの再生やコミュニティの長の権威の復活は、
 コミュニティの成長がメンバーの成長につながるので、 
 最終的には、メンバーの利益につながってくる
ことになります。
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