知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

デパート閉鎖で考える。

2010年01月31日 | 自分の未来を組み立てる。

不況・・・


不況は、お金が回りにくくなる状態ですが、
 お金が回っていないわけではい
というのがポイントだと思います。

川と同じで、水の量が少なくなっても
 流れがなくなって枯渇するわけではない
わけです。

どういうところにお金が回るのかというと
 顧客に選ばれる
ところです。


西武有楽町店閉鎖へ。


デパート業界は、
 1904年 三越
が初めで、高度成長とともに、成長し、
1991年がピークで売り上げが9兆円。
2009年は6兆5000億円程度まで減少。

その反面、ネット売り上げが6兆円程度まで上昇。

百貨店からすると、不況だから・・。
政府に何とかしろ、経済対策を強化しろ。

しかし、ネット関連の企業からすると、売上げは伸びている。

川は流れているわけです。

地震などで、土砂が少し崩れると、
 川の流れが変わる
ことがあります。

土砂によって流れが悪くなると、
 別の流れやすいところに変わる
という現象です。

これを、デパートに当てはめると、
 今までのデパートへ流れていたお金が
 便利なネットへと変わっている
ということになります。

さらに、目をマクロにもっていくと、
 今まで日本やアメリカに流れていたお金が
 中国やインドへ流れが変わっている
ということがいえます。


デパートを反面教師にすると、
 これから僕らが何をしなければならないか
が見えてきます。

デパートは、
 商品情報が少ない(ネットで調べたほうが店員よりも詳しい)
 商品が限られている(バイヤー)
 サービスが悪い(売込みがうっとうしい)
 不便(もちかえるのがめんどくさい)
 高い(定価販売)
 ・・・・
いろいろ悪いところが出てきます。

しかし、セール中に行くと、人でごった返しています。
 欲しい商品がない
から売れないわけではないということがよく分かります。

 値段が安い(3割から7割引き)
というなら、
 欲しい
という人がいっぱいいるということだからです。

得したという考え方が、そのほかのデメリットを余裕で上回るということです。
 持って帰るのがめんどくさい→安いなら、問題ない
 

売上げが上がらないことに焦ったデパートは、
 セールを増やしたり、ポイントを増やしたり
していますが、
 値引きは利益率を悪くする
ので、かえって苦しくなるわけです。

 ちょっと待てば、セールにかかる
という商品を定価で買う人は少ないからです。

大企業病にかかると、安直な答えを出して破たんしていきます。
一番安直な答えが、値段を下げるということです。

ここで、国家論での知識を利用します。
国家で、同じような安直な答えは・・・。

そう、
 減税や財政出動。
です。

一時的に効果は出ても、永続的な繁栄を約束してはくれない。
 戦略をもたずに値段を下げれば、利益率が悪くなる。
 戦略をもたずに税金を下げれば、財政が悪くなる。

値段を下げるにしても、次に利益を生み出すことまで考えないと(ここが戦略)、
 破たんする
ことになります。

カンフル剤を何度も打つのと同じです。
カンフル剤を打って、持ち直したら手術をして原因を除去しなければならないわけですが、
日本の場合は、よくならないからといって、カンフル剤を打ち続けています。
打ちすぎて、カンフル剤が効いていないからです。



値段って。


では、どうしたらよいか。
 国家の考え方は、個人(構成員)が利益を生むようにする
というもので、
そのための手段として、
 自助努力のための環境(がんばった人が幸せになれる反面、セーフティーネットを用意する)
を整備することでした。

デパートの場合も同じようなことがいえます。
売り上げが安定している現場には、
 伝説のバイヤーや店員
がいます。

 ユナイテッドアローズ 心に響くサービス(最近文庫化)
が目指すのもここだと思います。

最終的には、
 質
です。

 商品の質、サービスの質。

僕は、自己研修として、有名なシェフのいるレストランへ食べに行きます。
ランチなら3000円程度で楽しめます。

すきやの牛丼は、300円程度です。

その差は?
空腹を満たすためなら、どちらも同じです。

違いは?
材料。
調理。(シェフの修行の年数も含む。)
接客。(スタッフの人柄、学歴、研修結果も含む。)
スペース。(おしゃれな机、隣の人との十分な距離、シャンデリア。)
ゆったりとした時間の流れ。音楽。窓からの眺め。

 こうしたものを含めると、3000円なら安いかな。
と思ってもらえれば、リピーターが増えます。
現に、最近行った店は、ランチの予約をしないと食べられないそうです。
不況って言われているのに、なんでこんなに?と思ったものです。

すきやは、唯一牛丼チェーン店で大幅に利益を上げました。
吉野家が苦しんでいるときにです。
 この商品からすると、300円程度なら安いかな。
と思ってもらえたからだと思います。

吉野家は、一時期かなり安くしてしまっていたので、
 400円程度だと高いかな。
と思われてしまったから苦しんでいるのだと思います。

この価格の考え方は、
 自分の未来を組み立てるときに役に立つ
と思います。 
コメント
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