知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

国家再生論 4 支出の削減

2010年01月28日 | 国家論
平成13年度には一般会計の総額が100兆円を超えるとの試算が発表されました。
財務省は、消費税増税をしたがっているので、
 多めであるというバイアスがかかっているおそれ
がありますが、財政の危機的状況は明らかです。

(官僚の出す数値は、自らの意図を達成しやすいように操作されることがよくあります。
ダム建設がしたい時は、水の需要を高めに設定するなど。
試算レベルでは、どう予測するかで色々数値が変わるので、そのあたりの注意は必要です。)

国債は発行が50パーセントを上回ると、
 20万円の給与の人が、20万円消費者金融から毎月借入をしている
感じです。

そして、利息の返済のために、借入が使われる。

返済の見込みはない。

なぜ、消費者金融が貸すのか。
そう、最終的には返してもらえるからです。

お金持ちの親がいて、子供が泣きつけば、お金を渡してくれる。

このお金持ちの親というのが、日本の場合は、
 国民の資産
です。

国民の資産を取り上げるためには、
 消費税、固定資産税、住民税、所得税、法人税、福祉目的税、環境税を新設、増税していく
ことになります。

財務省の意向は、まずは消費税の増税です。


ただ、税が高い国家は、国際競争力がなくなります。
その結果、グローバル社会では勝ち残れなくなり、
結果として崩壊することになります。

例えば、企業として、税負担が重ければ、その分商品に上乗せしないと利益が出ません。
税負担の部分は、商品の品質には直接かかわりがないので、
 海外の商品
との競争に負けてしまいます。

企業は、そんな魅力のない国に在籍するメリットはなくなるので、
 海外に拠点を移す
ことになります。
それにより、
 空洞化
が進みます。

失業者が増え、福祉予算がさらに膨らみます。

個人も同じで、いっぱい稼げる人は、
 法人を作る
ことで、拠点を海外に移します。

稼げる人や企業が海外に出ていき
稼げない人が国内に残るという構造が顕著になります。


こうした国家が崩壊するカウントダウンが始まっているときに
 選挙対策のための国会
をしている場合ではないことは明らかです。

自民:今度の予算どうするんだ。
民主:あなたたちの政権のつけだ。
自民:・・・(確かに。)
民主:・・・(で、どうすればいいの?)

やるべきことは、
 連帯責任ということを自覚して、よりよいプランを一緒につくる
ための議論をすることです。

会社でもそうですが、
 派閥争い
をしているところは、業績が落ち込みます。
足のひっぱり合いにエネルギーがそがれるからです。

民主主義の基本は、
 ある多数派の意見があり、
 少数派がそれを批判をし
 多数派が少数派の意見を考慮に入れて、修正のうえで決定し、
 多数決を行い
 少数派も、きちんとした手続きで決められた以上、そのプランを誠実に実行する責任を負う
ということです。

残念ながら、今の国会では、これができていません。
批判合戦。
責任のなすりつけあい。
今後の国家に対する無責任な態度。

では、再生のためには、どうしたらよいか。
このことを、国民レベルで考えてみる必要があると思います。
他人任せでは、自分が損をします。

そうすると、
 予算規模を縮小して、
  将来お金に返ってくるもの
 を中心にお金を使う。
という方法が考えられます。

将来お金が返ってくるものとしては、
 教育
 産業基盤の整備
 生活基盤の整備
など。

そのほかには、最低限の福祉主義の実現(セーフティーネット)を完備した上で、
 自助努力
に委ねる。
(最低限というのがポイントです。あくまでも原則は自助努力。例外として福祉主義。)

新たな物を作るのではなく、
 補修
に力を入れる。

海外では、補修により、家を百年持たせています。
日本は、30年くらい。
そうすると、日本の場合、3000万円で家を建てても、30年で資産価値はゼロ。
欧州の場合、30年目でも、あと70年も持つため、資産価値がかなり残っている。

これにより、生活レベルの差が生じる。

質が高く、長く使える物を大事に補修しながら使っていった方が、
 生活は豊かになる
というのが、欧州の考え方です。


使い捨てにするには、家は高すぎるし、廃棄物も多すぎ環境にも悪い。

国家も同じです。
公共施設を作って、50年で建て替えるのか、リフォームするのかにより、
 支出が大きく変わってくる
わけです。

よい物を作って、定期的に補修をしていけば、長持ちします。
大学でも、かなりレトロでよい雰囲気を出しているところがあります。

そのためには、資産の有効活用と、リフォーム技術の発展に力を入れる必要があります。

最近では、オフィス用品の再利用などのビジネスが増えてきています。

既存の製品←リフォーム
買い換えた方がコストが安い製品←買い換え
新たな製品(イノベーション)←購入

全くの無駄(浪費)←削減
費用対効果の低いもの←見直し
生活に潤いを与えるもの(消費)←支出
将来利益になる可能性が高いもの(投資)←積極支出

仕分けするとこんな感じでしょうか。

ビジョンを作るというのは、こういう大きな枠組みを示すことだと思います。
こうした方向性を示されると
 ちょっと、大丈夫かも
と思えるはずです。

あとは、メンバー全体(企業の場合は従業員、国家の場合は国民)で一丸となって努力する。


***
個人の場合も、このような仕分けは使えると思います。

個人的には、
 美術館やコンサート、演劇、映画・・
など、芸術にもお金を使うとよいと思います。

幅ができるからです。
仕事でも使える知識が身についたり、センスがよくなったりすると言われています。

佐藤可士和氏のデザインをみていると、
 どのようにして、モノに付加価値がつくのか
が感じられると思います。

センスのよいものは、なんとなく気分をよくします。

都市も、センスがよい都市には、付加価値がつきます。
国家も、そうだと思います。

お金がなくとも、センスをよくすることはできそうです。
反対に、お金があってよい物を身につけていても、センスが悪いと違和感が生じます。

 支出を削減しつつも、センスを磨いて、付加価値をつける。
そんな人や会社や国家は、クールであると思います。
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