知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

国家崩壊論 3 空洞化

2010年01月23日 | 国家論
 ユニクロが元気がよい
ため、注目されています。

ただ、ユニクロ型の企業が増えれば、
 国内産業は衰退する
ことになります。

それが空洞化というものです。

企業は、営利目的であるので、
 安く作ってできるだけ高く売る
必要があります。

そのため、中国やアジア(今後はベトナムやミャンマー)で生産することになります。
人件費が日本の10分の1であれば、その分安くできます。

さらに機械の性能が上がれば、個々人の技術に差がなくなるので、
 昔のように日本で作ったから格段に質がよい
ということもなくなっていきます。

職人でなければ作れないという製品が少なくなれば、
 どこで作っても同じ
ということになります。

また、職人にしか作れない高度な部品は、日本で、
その他は、人件費の安い中国で作るというようにすれば、
 安く質の良い製品ができる
ことになります。


では、日本はどうしたらよいか。

日本企業にとって幸いなことは、
 日本語という強い障壁により守られている
ということです。

出版業界は、出版不況と悩んでいますが、
 日本人の50パーセントが英語を自由に操られるようになれば、出版社はどんどんつぶれる
はずです。
講談社や集英社など、コミックを扱う会社は影響が少ないでしょうが
 海外のベストセラーの翻訳本を出版しているような会社
は、大幅に売上げを落とすはずです。


そうすると、次のような方法が考えられます。

日本語という障壁を利用し、
 1億2000万人という市場(ただし、どんどん減っていく)
で、お金を回すという方法。

今までのように、付加価値をつけて競争する方法。
この場合は、中国の富裕層(数億人マーケット)を狙う。

デフレ経済を進め、給与水準をアジア水準に落とし、
円安を誘導して同じ土俵で戦う方法。
中国の人件費はどんどん上がっていく。
日本は少しずつ下げていく(現に下がっている)。

アジア共同体を作るには、生活水準が近いほうがやりやすいという側面もあります。
生活水準が違いすぎると、日本の国内産業の打撃が強くなりすぎるからです。

リフォーム(メンテナンス)、サービス産業を重視し、
遊休資産(今眠っている預貯金や土地など)を国内に回す。

高度な経営ノウハウを利用し、海外で稼ぐ(ラーメン店が中国で人気)。
宅配ビジネスなどもこれに当たる。
中国の場合は、中国企業と合弁会社を立ち上げないと、会社の設立はできない。



今必要なことは、
 今後どうやって、この国が食べていけるようにするのか
を議論することだと思います。

ただ、現状を見ていると分かるように、それを期待することは無理です。

そこで、国民は、ノアになる必要があります。
自分で箱舟を作っておく。
それが知的成長です。

国が大洪水というような混乱(カオス)に陥り崩壊するときに、
 コツコツ努力して作った箱舟に乗って、グローバルな旅ができるようにしておく
わけです。

コントロールできないことは、そのまま受け入れ、
コントロールできることに集中する。

箱舟を作ることは、コントロールできることです。

ユニクロなどは、すでに箱舟に乗っています。
今後、中国に出店していくようです(中国のインターネットモールでも出店中)。

中国で作って中国で売る。

この企業にとって、もはや、国籍なんて関係なくなっています。
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国家崩壊論 2 モラルハザード(福祉主義の弊害)

2010年01月23日 | 国家論
原則は、自助努力。
例外的に、自分ではどうにもならない場合に、
 最低限度の生活を保障する
という福祉主義。

仕事がなくなると、
 働きたくても働けない人
が増える。

収入がなくなる。
最低限度の生活が送れなくなる。
生活保護の申請が増える。

消費が減る。
企業の利益も減る。
さらに仕事が減る。
さらに働きたくても働けない人が増える。
さらに収入がなくなる。

税収が減る。

生活保護などの支給ができなくなる。
(地方自治体の財政が悪化)

債務不履行(デフォルト)。


生活保護自体は、
 働きたくても仕事がない人
を、本来は予定していないため、
 制度として、機能不全に陥る
ことになるはずです。

本来は、失業保険受給期間中に、
 別の仕事に就職できる
ことを念頭においているからです。

そして、働きたくても仕事がないという人が増え、
 生活保護受給率が増える
と、
 生活保護をもらわなければ損
というような考えを持つ人も一定数出てくることになります。

このような場合には、
 モラルハザード(道徳観念が破壊されるということ)
を起こすことになります。
勤労意欲が減っていってしまうわけです。

そのため、国が行う生活保障は、
 お金の支給
ではなく、
 仕事が増えるような仕組みづくり
であるべきだということになります。

今までは、
 生活保障
として、
 公共事業
を発注してきました。

そのため、
 建設関連の仕事に就いている人
がとても多い状態になっています。

施設を作れば、
 設計、コンクリート、鉄骨、枠組み、電設、水道、排気、内装、機器・・・
さまざまな業者にお金が回り、
 たくさんの人に仕事が回る
ことになるからです。

必要なものができてしまった後も、
地方では仕事がないので、
 だれも通らない道路やあまり利用されないダム
を作れという、陳情がおき、
 選挙のために国会議員が動き、
 関連団体を作り、天下ることを目的として官僚が手を組み、
 ビジネスとして行ってきた
わけです。

公共事業を止めるなど、国の仕組みを変えることは大切ですが、
 仕事がなくなる人をどうするか
まで、考えて対応しないと、
 仕事がない人がどんどん増えていき
 生活保護受給者が増え
 国家が破たんする
ことになります。

また、ITにより、人がそれほど必要なくなってことも
 仕事が減る原因を作っている
といえます。
昔は、経理だけで何人もいたわけですが、
 経理ソフトがあれば、少ない人数で対応ができる
からです。

就職難は、
 仕事が少なくなっていることが原因
であり、
 不況自体が原因
ではないわけです。


打開する方法は、新たな仕事を作る(イノベーション)ことです。
(マイクロソフト、アップル、グーグル、太陽光発電、電気自動車・・・)

そして、それを作るのは、民間で、
 政府は基盤を整備する
ということに集中する(税制優遇措置、環境税、起業支援・・)。

 政府には、今までのように仕事自体を作る財力はない
ため、
 公共事業に期待していると、一緒に滅ぶ
ことになります。

本年度予算215兆656億円 (社会保障費73兆円)
これは、今のままだとどんどん増えていきます。


このような状況でも、
ユニクロなど、一部の会社は、自分の力で新たな仕事を作り出しています。

歴史的に見て、不況になっている時期でも、
 成長する企業
があります。

企業全体としてみると、業績が悪化していても、
業績を維持していたり、業績をあげる企業があるということです。

株価でも日経平均が下がっていても、上昇している企業があります。

全体は機能不全を起こして、力を落としていくときに、
新たな環境に対応して、力をためていく企業があるということです。

この新たな環境に対応するというのが、
 コトラー「カオティクス」
に通じてきます。

個人としては、こういった状況は、コントロールできないので、
 困難な状況に対応できる経営者がいるところに勤務する
ことが重要となってくると思います。

そのために、
 自分自身も困難な状況に対応できるスキルを身につける
必要があります。
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