YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

サプライヤーベースの静かな崩壊

2009-10-01 00:42:29 | ミシガン関連
今年に入って、仕事で付き合いのある自動車部品のTier One(一次下請け)の購買の人々が、構成部品の購入先である2次下請けの倒産の対処に追われているが多かった。ある日系Tier Oneでは、今年だけでも120ものプレス型を下請けから引き上げて内部に取り込んだり、他の下請けに移管したそうだ。

大手自動車部品会社の倒産等は、日系OEMと取引があるので、日本でもニュースになっていたりするが、小さなそれも2次、3次下請けになると、本場ミシガンでさえもニュースになる事は少なく、何が起きているのかは、わかり難い。

Automotive Newsの9月28日のベタ記事で、二次,三次サプライヤーの倒産、清算が去年に比べて30-40%増えているとあった。小さい会社ばかりなのではっきりした統計などは無いのだが、自動車業界サプライチェーンの一番下で、会社の消滅で過剰生産ベースが人知れず進行している。「来週の金曜日で閉めちゃいます。」というような例も珍しくないそうだ。

アメリカの自動車生産台数が、9月末時点で前年比40%減なので、OEMレベルでGM、クライスラーの倒産から始まって末端まで、アメリカ自動車業界全体で、暗中模索状態だ。2,3年前まで、年間1600万台と考えられていたアメリカの自動車販売台数が、昨年1000万を切り、今年も、Cash for Clunker (政府のポンコツ下取り補助)の影響で、上下動が大きく、販売台数のベースが誰も読めない状態にないる。

このような状況下で、アメリカで今後シェアを伸ばすと考えられる日系部品会社の一般的な対応策として、自社のサプライヤーベースである日本やアジア各国からの輸入への振り替えが進んでいる。必要なものは勿論、新規やものによっては量産中の部品まで移管をしている。政治的配慮や円高の度に、現調化を進めていたの頃とは大違いである。

結局、アメリカの自動車産業末端のサプライヤーベースは、自動車需要が戻ったとして、多くが消えており、益々、アメリカ製造業は、只の組み立て業になりそうだ。


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2 コメント

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ハイブリッドカー (Stan)
2009-10-02 10:48:51
カンパニーカーの買い替えの為、色々と車を見て回っていますが、先日ハイブリッドカーをいくつかテストドライブしました。電動ゴルフカートのように”ウイーン”と発進することを期待していたのですが、実際は駐車場以外はほとんど常にエンジンが回っていて、従来の車との大きな違いを肌で感じる事はできませんでした。(ちなみにテストしたのはかむりハイブリッドとレクサスHS250です。価格が随分違いますが。。。)
一定速度までの加速はほとんど電動で”ウイーン”とできるような車がリーズナブルな価格ででてきたら(ハイブリッドでも電気自動車でも)、爆発的に売れるだろうと個人的には思います。
ホンダあたりはそんな車を開発しているのではないでしょうか?(単にコンセプトカーからの想像ですが)
そんな車のサプライヤーが多い場所はいち早く活況を取り戻すのではないかと思います。果たしてそれがミシガンかどうか・・・?
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車の家電化 (YSjournal)
2009-10-02 13:17:17
もし、ハイブリッド、電気自動車が中心になると、車は現在の家電みたいな存在になると思います。中身は同じで外観で勝負と言った感じになると思います。で、自動車部品の統一化が進み、グローバル調達となって、どう考えても、アメリカましてミシガンには戻ってこないと思います。

GMにしてもフォードにしても、ハイブリットは結構日系サプライヤーからの供給、それも日本からの輸入が多かったように記憶してます。
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