YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

デトロイト市、ミシガン州の管理下になる瀬戸際

2011-12-14 10:32:04 | ミシガン関連
デトロイト市の財政がいよいよ厳しくなっており、来年4月には干上がってしまうらしい。ミシガン州は、デトロイト市を州政府の管理下に置く為の準備を始めた。州政府から、Emergency Manager を派遣し、管理するのだ。市長とか議会とか選挙で選ばれた人々を超えた権限が与えられており、独裁的に仕切ることが出来る。

ミシガン州では既にいくつかの市が管理化に置かれて、特に市職員組合との年金等の契約に大ナタが振るわれている。

市長も市運営の独立を保つために、議会や組合とは粘り強く交渉してきていたが、なかなか協力は得られなかった。しかし、州の管理になると交渉も出来なくなるので、やっと組合も協力しそうな雰囲気が出てきているが、間に合うかどうか。

過去にもデトロイトの現状を伝えてきたが、人口が流出する事で、税収が減り、サービスが低下し、さらに人口が減るという悪循環に陥っている。今回は再開発といった明るい話ではなく、財政規律(年金等のカットも含めた)の話なので、悲惨さが付きまとう。

ミシガン州が管理下に置いた市は、いくつかあるが、基本的にデトロイトと同じ構図である。人口流出以外に共通するのは、黒人の割合が多いことである。

ここからが、アメリカらしいのだが、人権活動家や組合が、州が Emergency Manager を派遣するのは、黒人をターゲットにしているというのだ。

州の管理に反対する人々は、州知事が昨年就任した共和党の白人男性と言うこともあり、奴隷主呼ばわりしている。州の祝日である1月のマーチンルーサーキング牧師の誕生日に、州知事の自宅前でデモンストレーションをするそうだ。(これって、全くキング牧師の精神に反しているが、味噌も糞も一緒くたにする人たちには理解出来るはずもない)

黒人であり民主党であるデトロイト市長は、州の方針は人種とはなにも関係ないと強調している。


過去の関連エントリー

4万人を捜し出せ (3-25-11)
限界都市 デトロイト (3-3-10)


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Willy)
2011-12-24 18:59:40
気になりますね。現在のデトロイト市は退職者の年金払うために存在しているようなものですから、早いとこ破綻して管財人に入って欲しいものです。

私も1000ドル近い市民所得税を払ってます。「復興のために市内に住もうよ!」というおめでたい方が時々いますが、市民所得税が2倍だよ、と言えば黙ります。それに輪をかける今回の危機。まともな人はもう市内には引っ越さないでしょう。
返信する
WSU 付近 (ysJournal)
2011-12-24 23:43:39
お勤め先の近辺は、再開発が進んでいるとも聞きますが、どんなもんでしょうか?Detroit Free Press が良くそんな記事を書くのを眉唾で読んでます。

キチンと住んでいる人が破綻を望む事に、深い意味を感じます。

返信する
Unknown (Willy)
2011-12-25 19:58:51
Chapter 11 もそうですが、破綻することが債務関係を整理するテクニカルな面で重要だと思います。Midtown周辺は確かに復興していますが、家賃や住宅補助など各種補助金のせいでしょう。補足ですが、デトロイト市民所得税は市民が所得の2.5%、市外からの通勤者が1.25%です。

Pontiac もやばいですし、これから全米的にも破綻続出かも知れないですね。
返信する
地方自治体の破綻 (ysJournal)
2011-12-25 22:15:20
ついに、Meredith Whitney の予言(多ければ100の地方自治債がディフォルトし、その金額は $100 billion (約8.2兆円))が当たる日が来るかも。
返信する

コメントを投稿