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なぜ「最低賃金、時給 $20」 と言わない

2014-02-19 20:32:14 | 経済の話題
オバマ政権は最低賃金(時給)を現在の $7.25 から $10.10 に引き上げる事を提唱している。手始めに、連邦政府関連の今後の雇用に適用する大統領命令に署名した。

CBO(連邦議会予算事務局)は、最低賃金が $10.10 になると失業が増加する可能性を発表したが、早速、ホワイトハウスと民主党は反論している。しかし、最近の研究では、最低賃金引上げの雇用への悪影響は明らかになっているので、CBO は当たり前の事をいっているだけである。

最近、オバマは所得の不平等の是正を訴えている。最低賃金問題もその一環である。

ObamaCare が問題続きで、今秋の中間選挙で民主党の苦戦が予想されている。注目をそらす目的で、ゲイ問題、環境問題なども矢継ぎ早に取り上げている。オバマは本気で最低賃金の引き上げを考えているわけではなく、選挙キャンペーンの一部として利用しているに過ぎない。所得の不平等や貧困層の事を本気で考えているのなら、$10.10 などとせこい事を言わず、$20 だと主張すればよい。年間に二千時間働くとして時給 $20 なら年収4万ドルになるので、Working Poor の問題が一気に解決出来る。

現在アメリカで最低賃金で働いている人の割合は 2.8% であり、そのほとんどが若年層である。元々大統領が口を出すような問題でもないのである。


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