YS Journal アメリカからの雑感

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Path to Prosperity

2011-04-06 01:46:10 | アメリカ政治
本日、連邦下院予算委員会の委員長 Raul Ryan が2012年度の予算を発表した。(今日(4-5-11) の WSJ:Raul Ryan 自身の投稿コラム)繰り返しになり、自己嫌悪に陥る位くどくなるが、オバマ政権が提出した、財務長官がこのままでは "Unsustainable" と思わず言ってしまった冗談の様な来年度の予算教書への、共和党の回答である。(オリジナルはこちら

Raul Ryan は、以前にも紹介しているが、共和党の Young Guns の一人と若手のホープであり、予算については、誰もが認める第一人者である。昨年の中間選挙で共和党が過半数を大きく上回った事で、現在、下院の委員会の中でも最も重要な予算委員会の委員長である。

アメリカの予算案の常で向こう10年の財政見通しが添付されるのだが、オバマの予算教書に比べて、$6.2T(約527兆円)の歳出削減となっている。主な項目は5つである。

1)歳出レベルを2008年以前の戻す(民主党議会とオバマホワイトハウスで、過去2年に25%アップとなっている)
2)社会保障改革、低所得者向けの食費や医療の補助 (Food Stamp & Medicaid) を効率化を図りつつ削減する。また、金融機関などの救済も止める。
3)老人医療保険( Medicare )の改革
4)憲法を根拠にした税法と歳出(具体的には ObamaCare へ予算を付けない事と廃案を目指す事)
5)税法改革、法人税を35%から25%へ引き下げる。簡素化して免除等を無くして行く。

今回は、Social Security (年金)には手付かずであるが、これまで誰も手を付けようとしなかった Food Stamp, Medicaid, Medicare を改革し、本丸の Social Security (年金)については、次期大統選でオバマを追い落として、上院の過半数をとってからと言う作戦であろう。

発表のタイミングも絶妙であった。4月8日以降の予算が可決していなくて、未だに今年度予算をグダグダやっているのだが、今年度残りの半年で、共和党は $61B(約5兆2千億円)、民主党は $33B(約2兆8千億円)の歳出削減の規模で、今回は平行線になっているのだが、$6.2T(約527兆円)の前では(こちらは10年間ではあるが)、民主党がなぜ歳出削減を小さくしようとしているのか全く無意味に思えてくる。(全くの真実で、全く意味がない)

今週末4月8日のシャットダウンの可能性が高くなった事で、オバマ大統領は今日、そして明日も、上、下院の多数派リーダーをホワイトハウスの召還して、なんとかしろと文句を言い続けるつもりの様だ。

これでリーダーシップをとっているつもりなのであろうが、そもそも、今年度の予算は、昨年の10月までに成立させておかなければならないものであった。当時両院とも過半数を持っていた民主党は、意図的に予算を成立させなかったのである。

昨日のダイアグラムを思い出してほしい。自分が大統領就任後の予算であるので、さすがにブッシュを非難するわけにいかない。ゆえに、共和党の下院のリーダーだけでなく、民主党の上院リーダーをも非難せざるを得なくなっている。2週間、3週間の細切れの暫定予算のドタバタが本格的になった一月程前に、副大統領を仲介役に指名(delegate responsibility)したのだが,
指名した数日後に副大統領がロシア外遊に出発したりして、みんなズルッ(古い表現で申し訳ない)という感じで、白けてしまった。その後、副大統領は、今年度暫定予算、来年度予算案に限らず、全くニュースに出てこない。(新たな非難の対象としてはうってつけか?)

4月8日で暫定予算が成立せず連邦政府がシャットダウンをした場合、今週末は暖かいので、ゴルフと言う段取りになるであろう。


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