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自閉症

2010-10-01 21:38:09 | 教育
自閉症が増加しているらしい。自閉症に対する認識が広がった事で、以前では診断されなかったり、診断自体を受けてなかった事例が増えてという事情もあるらしい。しかし、経験的にも、自閉症が増えている感覚が間違いなくある。なにせ自分が親になるまで、自閉症の子供と接した事がなかったので、ベースがゼロである。子供が学校に上がったりする事で、初めて見聞したので、インパクトが強かった事もあるが、自分の回りでは、20人に2人とか、母集団がに小さいのに複数のいるのである。

一般には、千人に一人(0.1%)だとか、1%だとか言われているし、自閉症自体の定義も混乱している事(あくまでも素人にとって)もあって、今一実態が分からない。プロゴルファー、アーニー・エルスの子供の一人がやはり自閉症で、啓蒙運動や寄付等を熱心に行っているが、その告知のなかでは125人に1人(0.8%)と言ってたと思う。南アフリカ、イギリス、アメリカ(フロリダ)をローテーションしながら生活していたのだが、アメリカが自閉症の研究、治療が一番進んでいるという事で、現在はフロリダに定住している。

要因についても、発育障害と理解していたが、遺伝的要素もあると言われている。不思議なのは、発育障害とした場合、何が要因(環境物質等)なのかを特定出来ていないし、遺伝だとしてもマーカーと呼ばれる遺伝子を特定出来ていないらしい。自閉症が増えている事実はあるのだが、原因が特定出来ないので、予防する訳にもいかない。(遺伝的であれば、一定なので何らかの外的要因なのだと思う。)一時、予防接種が原因と言う説あったが、ガセだったようだ。

自閉症という病名が誤ったイメージを与えている事も重要な問題だ。字面から、症状として大人しく自分のからに閉じこもる子供の印象をずっと持っていたが、奇声を発したり、走り回ったりという症状の子供もいる。ある種、子供らしい行動でもあるので、症状を見逃す事にもなる。

親に知識が無い為に、明らかに独特の症状を示していても、放ったらかしになっている例を聞いたりする。早期発見、早期治療を行うと、将来的な社会適合性が大きく改善する事が分かっているだけに、痛々しい。

症状が18ヶ月位で(人間らしくなってくる時期?)出てくるという事で、その時期はそれなりに自分のこどもを注意深く観察していた覚えがある。(幸い、自分の子供は健康だった)なぜ、自分がそんな知識を持ったのかは、記憶が無いのだが、アメリカなので産婦人科、小児科病院でパンフレット等をもらったのかもしれない。

アメリカでは、プリスクール(4歳)等の幼児教育に係る職員への指導が割としっかりしており、職員が自閉症の様々な症状をを理解しているので、僅かでも疑いがあると、専門医の診断を勧める事になっているらしい。早期発見、早期治療の有効性が認知されている事が、このようなシステムを作る為に役立っている。

早期治療が有効である事が分かっているので、日本でも、幼児教育に係る人々への教育の徹底と親への通知義務を徹底する時期にきているのではないかと思う。また、変な先入観を抱かせる自閉症という呼称も変更した方が良いと思う。


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8 コメント

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Unknown (Chee)
2010-10-02 04:40:38
これは私もちょっと心配していることです。
2歳の息子はわりとこだわりが強いタイプの子なので。。。不思議なことしているな~ということがよくあります。
でも判断難しいですね。2、3歳くらいの子って、自閉症みたいな行動の子がたくさんいる!
特に男の子。
女の子は同年齢でもよくしゃべるし、おままごとなんかも上手ですけれど、男の子たちは、自分の好きな車や電車で一人でずっと遊んだりします。うちの子は数字や文字ばかりが好きです。ある意味かなりの子が自閉症的な要素があるような。
専門家に自閉症と言われても、あとから違った、なんてことはないんですかね?
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Unknown (Chee)
2010-10-02 04:59:28
これに、幼児の判断の難しさのことが書かれています。
http://kids.gakken.co.jp/campus/jiritu/medical/backnumber/02_11/top.html

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Unknown (ysjournal)
2010-10-02 05:37:26
Cheeさん
男の子と女の子の比率は、4:1とも2.5:1とも言われております。確かに成長しても男には自閉症みたいな人がいたりするので変に納得出来るのですが。

一方で、自閉症の症状は女の子の方が重い事が多いそうです。

日本での事情はよく分かりませんが、デトロイト辺りでも、良く訓練された専門家がいるし、複数回の診察(ある程度の時間を置いて)を行ったりして、慎重にやっている様ですので、誤診断の可能性は少ないのではないかと思います。

自閉症と学歴の関係なんて、意味不明の研究まである様なので、本当に原因が分かってないのだと思います。親として予防(?)する事が出来ないのは、何とも歯痒い事です。
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自閉症の子の親 (Stan)
2010-10-19 11:43:57
YSJournalさん
かなり時間が経ってしまってからのコメントで恐縮です(ずっと出張がちだったもので)が、自閉症についてのエントリーどうもありがとうございます。

自閉症の増加は、主に以前は見過ごされていた人がそう診断されるようになったからというのはその通りなのですが、USで身近に感じるのは日本では自閉症児を受け入れる学校が殆どないことが原因ではないでしょうか。つまり健常児やその親との接点がなかったからだと思います。

専門家の間では遺伝が原因と考えられています。圧倒的にエンジニアの子供、男の子が多い。(アインシュタインもそうだという説もありますが真偽のほどは?です)

自閉度という言葉をブログで見たことがありますが、物事に集中する時に周りの雑音(コミュニケーション)を無意識の内に遮断しますよね。自閉症の子は生まれつき常にそういう状態なのです。

つまり物事の完璧を目指す異常な執着心や集中力にも関ってくるので、自閉度が高いことは悪いことばかりでもないのが逆に厄介です。もし割合が増えているのだとしたら、社会的な要因(人とのコミュニケーションよりも一人で集中するニーズが増えている?)もあるのかもしれないと勝手に想像しています。
「自閉症でコミュニケーションを克服したら皆CEOだよ」と専門家が真顔で言っていました。
(もちろんコミュニケーションを閉じずに素晴らしい集中力を発揮できる、自閉度とは無縁のタイプの人もたくさん居る事は承知しています。)

自閉症は病気ではないので治ることはありませんが、運動神経が悪い人でも小さい時から練習すればそれなりに上達するように、早期の訓練が肝要です。アメリカはカウンティによって格差はあるものの、私の住む所は自分の息子の為に10人程度の専門家チーム(スピーチ、social、ITツール、理学療法師など)が一年間の最適カリキュラムを組んでくれます。1vs1のつきっきりのサポート(授業中に抜け出したり、先生に注意を向けたり)やバスの送迎など全て無料でやってくれるので、本当に助かります。

ミシガンでもようやく自閉症児の療育に保険が効くようになりつつあるようです。

ただ、それでも将来仕事を持って独立し、結婚する例は極わずかで、どうしても親が死んだ後の事を心配してしまいます。自分の場合はそれで第2子を決断した限りです。
まだ8ヶ月ですが、今のところ自閉症の兆候は見られません。

自分は専門家ではありませんが、経験上あきらかな挙動があり、電話で聞いただけで友人の1歳児の自閉症を言い当てた事もあります。同じ所をくるくる回りつづけたり、怒った後すぐケロッとするなどの症状がある場合は専門医に行くことをお薦めします。
とにかく早期療育が少しでもコミュニケーションを上達させるポイントです。
Cheeさんもしご心配でしたら相談に乗ります。
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Thanks (ys Journal)
2010-10-19 17:52:22
Stanさん
コメントありがとうございます。経験者の話は重みがあります。

アメリカに住む日本人は(「も」といった方が良いのか)知識がないので、明らかに症状がでているのに、そんなものだと思って放っとく傾向にある様です。教育者もしかり、日本人と日本人だと、なかなかハッキリ言えない感情があり、親にアドバイスできないようです。

詳しくは、近いうちにランチでも。
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Unknown (Chee)
2010-10-19 18:49:34
YsJournalさん、Stanさん、ありがとうございます。
あれ以来、本やインターネットでも情報収集しています。
日本でも保健所で専門家との面談ができ、適切な対処をしてくれるようになりました。
今のところ、それほど明らかな傾向はみられず、コミュニケーションも徐々に改善しているようなので、心配なさそうです。
アメリカのカリキュラムはすごいですね!
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大感謝 (ys Journal)
2010-10-19 19:52:12
Stanさん
今回の貴コメントで、相変わらずへたくそな文章で書いているこの泡沫ブログも、人と人(見知らぬ)をつなぐ事が出来る事を改めて思いました。

「書くのなら、精一杯頑張って書け」と喝を入れられた感じです。根がちゃらんぽらんなだけに、気合いを入れ直す素晴らしい機会になりました。

いろんな意味で、感謝しております。ありがとう。
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Unknown (Stan)
2010-10-20 21:17:16
Cheeさん、それは一安心ですね。よかったです。
私は公共機関のサポート環境のせいか、色々な人がいて当然というアメリカの土壌のせいか、伸び伸びと育てる事ができています。

YSJournalさん、
喝を入れて欲しいのはむしろこちらの方です。先日Preserveで久し振りに100叩きの刑に合ってしまいました。笑うしかありません。



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