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アメリカの学生ローン事情

2012-06-01 21:13:10 | アメリカ経済


学生ローンの債務残高がクレジット債務残高を超えているといいニュースを聞いてから暫く経つが、未だに感覚的に混乱している。

アメリカはクレジットカード天国(地獄?)で、世帯当りの平均残高が $8,000 (約64万円)とか言われていたとの記憶がある。結婚当初いろいろと物入りが重なり、残高が $10,000 を超えた経験があるので、払っても払っても減らない残高のトラウマがある。

平均的な所帯は、このクレジットの支払いがある上に、それ以上の学生ローンの返済を背負い込んでいるのだ。

学生ローンの 9% が支払いが90日以上遅れているそうだ。2008年以降、アメリカは "Great Recession" からなかなか抜け出せないので、学生ローンを抱えて大学を出ても就職難が待ち受けている。失業率が高いので、順調に返済していても急に払えなくなる人もいるであろう。

住宅の価値が上がっていた時は親が家を担保にローンを組んでたりしたが、全米の住宅の半分が価値より住宅ローン残高の方が多いと言う現状では、学生ローンにならざるを得ない。大学生の 90% が学生ローンを抱えている。一番辛いのは学生ローンを抱えたまま卒業出来なくなった人々であろう。

学生ローンが拡大した大きな要因として学費の値上がりがある。それもインフレ率などものともしない高騰が十数年続いていた。

補助金削減で苦しくなった大学、特に財政基盤の弱い学校は、学費を値上げせざるを得ない。それが原因で学生が減って閉校になる所もこれから増えそうだ。

学生ローンの不良率アップで金利上昇も予想されており、学生ローン自体が縮小する可能性が高い。大学進学率も落ちるだろう。

オバマ政権は事実上、学生ローンを政府管理下に置いてしまっている。若者へ媚びて補助金で低金利を画策したりしている。又、政府機関への就職すると学生ローンを免除する制度を拡大しようする法案もある。(政府依存する人を増やす方向だ)

アメリカの場合信用経済の規模が非常に大きいので、経済が上向かないと何もかも上手く回らないという事だろう。

今日もアメリカ株価は下落し、5月の失業率は 0.1% 上がって 8.2% 。オバマ大統領とホワイトハウスは、"Great Recession" を引き継いだので、3年半経った今でも、景気回復には時間が掛かるといつもの声明を出していた。


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