
6月の里山,
梅雨空の下,あの独特のにおいを発しながら,
散歩道のところどころに栗の花が咲き出します。
精液のにおいとも比喩されるこの青臭いにおい,
視覚より嗅覚で花の存在を知らせてくれます。

果物には比較的きれいな花を持つものが多いのですが,
栗の花はお世辞にもそうとはいえない白く長く垂れ下がるような花です。
垂れ下がるように咲くこの花は実は雄花,
雌花は雄花に隠れてポツンポツンとあるそうです。
もしこんなにもたくさんの雄花に実がなるなら,
枝いっぱいに栗の実ができてしまい,
栗の木はイガで埋まってしまいます。

上の花の写真から半月後(6/30),
栗の木の横を通ると雄花はすっかり散り,
イガのでき始めた雌花,栗の実の基ができていました。
上にはみ出している薄茶の組織が雌蕊と思われます。

やはり6月の梅雨の頃,日当たりのあまりよくない場所を選び,
独特のにおいを発して,
ドクダミの白い花がいたるところに咲いていました。
実は,ドクダミの花弁とされるこの白い部分は総苞,
本当の花は4枚の総苞の真ん中にある棒状部分,
ここに淡い黄色のたくさんの小花(蘂)がついています。
普通,白い花弁とされる総苞は4枚です。
十薬の別名もこの4枚が十字のように見えるからと思われます。
しかし,よくみると上の写真の一番手前の花,5枚の白い総苞が確認できます。
たくさんの花の中にはこんなものもあるようです。

どちらかというと嫌なにおいを発するドクダミですが,
日本では山菜として食用にもされ,
ベトナムでは主要な香草として使われているそうです。
また,日本薬局方にも十薬の名で収録されている重要な薬草でもあります。
写真は都会の道路のサツキの植え込みの下に群れを成して咲いていたドクダミ,
この重要な薬草がどこにでもあります。
竹の子の空まで伸びて栗の花
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