
大麦でしょうか,小麦でしょうか,
草ひとつない黒土に,麦の新芽が青々と出ていました。
草木が枯れてゆく季節に青々と草のように芽を出す,
考えてみればたいした植物です。
麦の穂が色づく,初夏の収穫期の頃を麦の秋,
あるいは麦秋というようです。
すると,麦の新芽がでる今頃,暮れから正月の頃は
麦の春,麦春と呼んでもいい気がしますが,
麦の春とはいわないようです。
麦を育てる中の重要な作業として,冬の麦踏みがあります。
霜柱で根が持ち上がってしまうので,
踏んでそれを防ぐと小学校の頃に教わった覚えがあります。
それも麦踏の一つの理由ですが,
一番の目的は,踏みいじめることで,
根付のしっかりとした,茎の太く短いがっしりとした麦を作ることにあるようです。
これにより,実付きがよくなり,倒伏が防げ,収穫量が増えます。
早い話が若いうちに麦を鍛え,立派な麦にする作業が麦踏みなのです。
なにか,人間にもいえそうな話です。
麦踏みや足一条に進み行く