鹿島の鍵握る3新外国人 主力移籍で苦しい甲府
▽鹿島
名門復活の鍵を握るのは、ブラジル出身の新外国人選手3人だろう。それぞれ守備、中盤、前線の軸として期待されている。
DFファボンとMFダニーロは、母国サンパウロの一員として世界クラブ選手権(現クラブ・ワールドカップ)制覇に貢献した経歴を持つ。ファボンは長身を生かしたヘディング、ダニーロは強烈な左足キックが武器だ。清水から移籍したFWマルキーニョスは、J1で50得点の実績が光る。
痛いのは攻撃の中心を担うMF野沢が、開幕前の練習試合で左ひざに全治2カ月のけがを負ったこと。控えには潜在能力の高い若手が多いだけに、育成手腕の評価が高いオリベイラ新監督の采配(さいはい)にも注目したい。
▽甲府
J1初年は15位で残留を決めた。2年目の今季は若手中心に大量補強をしたが、昨季14得点のFWバレー(G大阪)、MF倉貫(京都)ら主力選手が移籍し、厳しい戦いが予想される。
布陣は4-3-3。今季も持ち味の攻撃サッカーを貫くものの、宮崎キャンプでは決定力不足が課題として残った。3トップの中央での起用が濃厚な新加入のブラジル人FWアルベルトが、バレーの穴を埋める活躍ができれば心強い。
昨季64失点の守備陣は、FC東京からDF増嶋を期限付きで獲得。センターバックとして、秋本とコンビを組む。
昨季はホームで2位の川崎、3位のG大阪など強豪を倒す健闘を見せた半面、敵地で振るわなかった。アウエーでの戦いもポイントになる。
(了)
[ 共同通信社 2007年2月27日 17:11 ]
【2007 戦力分析レポート:鹿島】目標は優勝のみ。若いチームを導く柳沢と本山の奮起なくして今季の成功はなし [ J's GOAL ]
【今季のみどころ】
2002年ヤマザキナビスコカップ以来、足掛け5年もタイトルから遠ざかっている鹿島アントラーズ。今季の目標はズバリ「優勝」しかない。わずか1年でチームを去ったパウロ・アウトゥオリ監督に代わりチームを率いるオズワルド・オリヴェイラ監督は「鹿島に大事なのは自信を取り戻すこと。優勝への欲を持つこと。そうすれば本来、いるべき位置に戻れる」と話しており、まずは意識改革からチーム作りをスタートさせているようだ。
93年のJ開幕から鹿島を引っ張った本田泰人が引退し、常勝軍団を支えた名良橋晃も湘南へ移籍するなど、もはや9冠を獲った選手たちは皆無に近い。今は大半が優勝経験のない若手たちだ。過去の栄光を知るキャプテン・柳沢敦も「アントラーズの歴史には9つのタイトルがあるが、今のチームには1つもない。だからこそ1つでも優勝することが大事」と強調していた。
そんな若いチームを導くのが柳沢や本山雅志だ。J12年目の柳沢は2003年から2年半をイタリアで過ごしたが、出場機会を得られず昨季古巣に復帰。しかし、負傷やドイツワールドカップでの精神的なショックで屈辱のシーズンを過ごした。J10年目を迎える本山にしてもここ数年はケガ続きで、いざという時にピッチに立てなかった。しかし小笠原満男(メッシーナ)が去り、野沢拓也までもが開幕1週間前の水戸戦で負傷したこともあり、この2人がフル稼働しなければ、今季の鹿島の成功はないだろう。
彼らに続くのが次の世代である岩政大樹や中後雅喜、田代有三らだろう。岩政はこの1~2年で守備の要に成長。今季はサンパウロFCから加入したファボンとコンビを組み、鉄壁の守りを演出しなければならない。「オリヴェイラ監督はアウトゥオリ監督より守備に比重を置いているので、やりやすくなった」と岩政もコメントしていた。2005、2006年は肝心な時に失点する悪い癖があったが、今季はそれが修正されそうだ。中後、田代ら大卒2年目の選手たちも真価を問われるシーズンになる。中後はほぼ完全にレギュラーを獲り、田代も柳沢とポジションを争えるだけの選手になってきている。彼らがコンスタントなパフォーマンスを見せること。それもタイトルへの大きな条件といえる。
さらには3人の外国籍選手の活躍、内田篤人ら10代選手の台頭なども、鹿島躍進のポイントといえる。開幕前のプレシーズンマッチを見ている限りだと、このあたりも手ごたえが感じられた。鹿島は昨季よりチーム力を確実にアップさせて、勝負の2007年にのぞむ。
【注目の新戦力】
●FW 18 マルキーニョス
●DF 5 ファボン
●MF 11 ダニーロ
今季の鹿島といえば、何といっても3人の新外国籍選手を抜きにシーズンを語れない。昨季までのFWの柱、アレックス・ミネイロに代わって入ったマルキーニョスは、東京V、横浜FM、市原(現千葉)、清水とJ4チームでプレー経験を持ち、日本サッカーを熟知している。そのせいか、鹿島合流間もない25日の水戸戦でも、柳沢との抜群のコンビネーションと決定力を示していた。彼は計算できる存在。ケガさえなければ20点以上、荒稼ぎする可能性も大いにある。
最終ラインに入るファボンも想像以上の大物だ。187cmの黒人DFは高さ、強さ、パワー、スピードに優れ、簡単にはゴール前を割らせない。しかもFKを蹴ることもでき、ブラジルではしばしば得点も奪っていた。攻守両面で活躍が期待できるばかりでなく、明るい性格でチームのムードメーカーにもなっている。若い内田が「ファボンが冗談とか言ってくるので和む」と話していたが、すでにチームメートと打ち解け、すっかり日本に適応している。そのあたりも心強い。
もう1人のブラジル人・ダニーロはやや時間がかかりそうだ。主に左MFでプレーするが、開幕1週間前の段階でコンディションはまだ不十分だった。「それでもダニーロには経験があるから、ボールを持つだけ周囲を落ち着かせられる。体がキレてくれば活躍するはず」と鈴木満強化部長も太鼓判を押した。
彼ら3人以外にも、神奈川大出身の左サイドバック・石神直哉、塩釜FCユース出身で攻撃的MFとしての大いなる可能性を秘める18歳の遠藤康ら新人選手の早い時期のデビューもありそうだ。彼らが鹿島に新たな風を吹き込むだろう。
以上
Reported by 元川悦子
今季だけでなく我が鹿島は日本人選手の中途加入に付いて積極的ではない。
名良橋、高桑、大岩、新井場程度と言えるであろう。
その甲斐あって今季も外国人次第という評価を得ている。
喜ばしい誤認である。
昨季末の快進撃は若手の底上げと戦術の浸透によるものが大きい事は明白。
既に情報戦で勝利している。
田代と中後の年数まで惑わせておる。
火矢で攻められる前に泥を塗り、地下から来るので有れば先んじて潰す。
勝利の鉄則である。
が、虚けと噂の嫡子を侮るでないぞ。
顔で笑わせていたとしても、後の信玄である。
勝利の美酒に酔いしれておるところに逆襲もあり得る。
一つの勝利は次の勝利への階段を昇ったに過ぎぬのだ。
▽鹿島
名門復活の鍵を握るのは、ブラジル出身の新外国人選手3人だろう。それぞれ守備、中盤、前線の軸として期待されている。
DFファボンとMFダニーロは、母国サンパウロの一員として世界クラブ選手権(現クラブ・ワールドカップ)制覇に貢献した経歴を持つ。ファボンは長身を生かしたヘディング、ダニーロは強烈な左足キックが武器だ。清水から移籍したFWマルキーニョスは、J1で50得点の実績が光る。
痛いのは攻撃の中心を担うMF野沢が、開幕前の練習試合で左ひざに全治2カ月のけがを負ったこと。控えには潜在能力の高い若手が多いだけに、育成手腕の評価が高いオリベイラ新監督の采配(さいはい)にも注目したい。
▽甲府
J1初年は15位で残留を決めた。2年目の今季は若手中心に大量補強をしたが、昨季14得点のFWバレー(G大阪)、MF倉貫(京都)ら主力選手が移籍し、厳しい戦いが予想される。
布陣は4-3-3。今季も持ち味の攻撃サッカーを貫くものの、宮崎キャンプでは決定力不足が課題として残った。3トップの中央での起用が濃厚な新加入のブラジル人FWアルベルトが、バレーの穴を埋める活躍ができれば心強い。
昨季64失点の守備陣は、FC東京からDF増嶋を期限付きで獲得。センターバックとして、秋本とコンビを組む。
昨季はホームで2位の川崎、3位のG大阪など強豪を倒す健闘を見せた半面、敵地で振るわなかった。アウエーでの戦いもポイントになる。
(了)
[ 共同通信社 2007年2月27日 17:11 ]
【2007 戦力分析レポート:鹿島】目標は優勝のみ。若いチームを導く柳沢と本山の奮起なくして今季の成功はなし [ J's GOAL ]
【今季のみどころ】
2002年ヤマザキナビスコカップ以来、足掛け5年もタイトルから遠ざかっている鹿島アントラーズ。今季の目標はズバリ「優勝」しかない。わずか1年でチームを去ったパウロ・アウトゥオリ監督に代わりチームを率いるオズワルド・オリヴェイラ監督は「鹿島に大事なのは自信を取り戻すこと。優勝への欲を持つこと。そうすれば本来、いるべき位置に戻れる」と話しており、まずは意識改革からチーム作りをスタートさせているようだ。
93年のJ開幕から鹿島を引っ張った本田泰人が引退し、常勝軍団を支えた名良橋晃も湘南へ移籍するなど、もはや9冠を獲った選手たちは皆無に近い。今は大半が優勝経験のない若手たちだ。過去の栄光を知るキャプテン・柳沢敦も「アントラーズの歴史には9つのタイトルがあるが、今のチームには1つもない。だからこそ1つでも優勝することが大事」と強調していた。
そんな若いチームを導くのが柳沢や本山雅志だ。J12年目の柳沢は2003年から2年半をイタリアで過ごしたが、出場機会を得られず昨季古巣に復帰。しかし、負傷やドイツワールドカップでの精神的なショックで屈辱のシーズンを過ごした。J10年目を迎える本山にしてもここ数年はケガ続きで、いざという時にピッチに立てなかった。しかし小笠原満男(メッシーナ)が去り、野沢拓也までもが開幕1週間前の水戸戦で負傷したこともあり、この2人がフル稼働しなければ、今季の鹿島の成功はないだろう。
彼らに続くのが次の世代である岩政大樹や中後雅喜、田代有三らだろう。岩政はこの1~2年で守備の要に成長。今季はサンパウロFCから加入したファボンとコンビを組み、鉄壁の守りを演出しなければならない。「オリヴェイラ監督はアウトゥオリ監督より守備に比重を置いているので、やりやすくなった」と岩政もコメントしていた。2005、2006年は肝心な時に失点する悪い癖があったが、今季はそれが修正されそうだ。中後、田代ら大卒2年目の選手たちも真価を問われるシーズンになる。中後はほぼ完全にレギュラーを獲り、田代も柳沢とポジションを争えるだけの選手になってきている。彼らがコンスタントなパフォーマンスを見せること。それもタイトルへの大きな条件といえる。
さらには3人の外国籍選手の活躍、内田篤人ら10代選手の台頭なども、鹿島躍進のポイントといえる。開幕前のプレシーズンマッチを見ている限りだと、このあたりも手ごたえが感じられた。鹿島は昨季よりチーム力を確実にアップさせて、勝負の2007年にのぞむ。
【注目の新戦力】
●FW 18 マルキーニョス
●DF 5 ファボン
●MF 11 ダニーロ
今季の鹿島といえば、何といっても3人の新外国籍選手を抜きにシーズンを語れない。昨季までのFWの柱、アレックス・ミネイロに代わって入ったマルキーニョスは、東京V、横浜FM、市原(現千葉)、清水とJ4チームでプレー経験を持ち、日本サッカーを熟知している。そのせいか、鹿島合流間もない25日の水戸戦でも、柳沢との抜群のコンビネーションと決定力を示していた。彼は計算できる存在。ケガさえなければ20点以上、荒稼ぎする可能性も大いにある。
最終ラインに入るファボンも想像以上の大物だ。187cmの黒人DFは高さ、強さ、パワー、スピードに優れ、簡単にはゴール前を割らせない。しかもFKを蹴ることもでき、ブラジルではしばしば得点も奪っていた。攻守両面で活躍が期待できるばかりでなく、明るい性格でチームのムードメーカーにもなっている。若い内田が「ファボンが冗談とか言ってくるので和む」と話していたが、すでにチームメートと打ち解け、すっかり日本に適応している。そのあたりも心強い。
もう1人のブラジル人・ダニーロはやや時間がかかりそうだ。主に左MFでプレーするが、開幕1週間前の段階でコンディションはまだ不十分だった。「それでもダニーロには経験があるから、ボールを持つだけ周囲を落ち着かせられる。体がキレてくれば活躍するはず」と鈴木満強化部長も太鼓判を押した。
彼ら3人以外にも、神奈川大出身の左サイドバック・石神直哉、塩釜FCユース出身で攻撃的MFとしての大いなる可能性を秘める18歳の遠藤康ら新人選手の早い時期のデビューもありそうだ。彼らが鹿島に新たな風を吹き込むだろう。
以上
Reported by 元川悦子
今季だけでなく我が鹿島は日本人選手の中途加入に付いて積極的ではない。
名良橋、高桑、大岩、新井場程度と言えるであろう。
その甲斐あって今季も外国人次第という評価を得ている。
喜ばしい誤認である。
昨季末の快進撃は若手の底上げと戦術の浸透によるものが大きい事は明白。
既に情報戦で勝利している。
田代と中後の年数まで惑わせておる。
火矢で攻められる前に泥を塗り、地下から来るので有れば先んじて潰す。
勝利の鉄則である。
が、虚けと噂の嫡子を侮るでないぞ。
顔で笑わせていたとしても、後の信玄である。
勝利の美酒に酔いしれておるところに逆襲もあり得る。
一つの勝利は次の勝利への階段を昇ったに過ぎぬのだ。