鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

野沢拓也11月度 J'sGOAL月間MIP

2006年12月25日 | Weblog
11月度 J'sGOAL月間MIP (12月3日最終節を含む:12月15日発表)

11月3日のヤマザキナビスコカップ決勝で敗れた悔しさをバネに、鹿島アントラーズの新エース・野沢拓也はJ1終盤戦で1人、気を吐いた。11月から12月にかけての5試合にフル出場し5得点。最終節のジュビロ磐田戦では自身初のハットトリックを達成するなど、チームに大きな勢いと活力を与えた。その活躍ぶりはJ's GOAL月間MIPに相応しい。
パウロアウトゥオリ監督から「小笠原満男(現メッシーナ)の後継者」に指名された野沢。彼は小笠原同様、攻撃的MFからボランチまで幅広い仕事を託された。優勝争い真っ只中にいたガンバ大阪を撃破した11月11日のゲームでは2列目の位置に入り、小気味いいパスワークや個人技術で相手守備陣を打開。最終的にはG大阪を突き放すダメ押しの3点目をマークするなど「殺し屋」としての役割を十分に果たした。増田誓志がU-21代表戦の疲労もあって欠場した11月23日のアルビレックス新潟戦ではボランチを務め、献身的な守備とチャンスメークを披露する…。そんな幅広いプレースタイルは今の鹿島に欠かせない。
11月16日のサウジアラビア戦でオシムジャパンの一員に名乗りを挙げたことも、本人の自信になっているはずだ。主導権を握った試合の後も「もっと中盤を支配してボールを回さないといけない」「決めるべきところで決めないとタイトルは獲れない」とあえて苦言を呈することが多くなった。もともと物静かで口下手な彼は、小笠原のいた頃はメディアに対してコメントすることが少なかったが、最近は発言回数も目に見えて増えている。そんな立ち振る舞いも「自分は鹿島の中心選手なんだ」という自覚が出てきた証拠だろう。

2005年J1前半戦で鹿島が首位を独走していた時、大事な場面で決勝点を挙げてきたのは野沢だった。野沢がゴールを奪っている時の鹿島は強い。そのジンクスを彼は2006年J1ラスト5試合で実証してみせた。
「いい形でJ1を終えることができたんで、天皇杯は必ず獲りたい」と話す野沢。彼自身も鹿島サポーターも悲願の10冠達成を心待ちにしている。
2006.12.15 Reported by 元川 悦子
11月度 J'sGOAL月間ベスト11 (12月3日最終節を含む:12月15日発表)


第30節ガンバ戦以降のパフォーマンスを考えれば、最終節のハットトリックを除外したとしても当然の結果であろう。
しかし、それを引き出しているのは、やはりガンバ戦からレギュラーに固定された本山であることは言うまでもない。
この二人の距離感が素晴らしい。
元川女史も書いているように2005シーズン前半の輝きもこの二人が中心であった。
当時は、黄金の4人(アレックス・ミネイロ、野沢、本山、満男)ファンタスティック・フォーと謳われたモノである。
しかし、アレックス・ミネイロ、野沢の相次ぐ怪我でシーズンを通して活躍は至らなかった。
今季は野沢のMF固定、本山の怪我、満男の漫遊と不幸が相次ぎこの形を観ることはなかった。
が、ここに来て両サイドの復活とチューヤンの好パフォーマンスで、プラチナ・コンビが光っている。
魅惑の攻撃である。
なぜならば、野沢が本山を活かすために働いているが故である。
その結果、野沢自身が光り輝いているのだ。
伊達政宗の傍らに片倉小十郎がいるように。

そして、ベスト11に野沢を筆頭としてFS、新井場、曽ケ端と選ばれている。
FSは篤人の帰還とシステムの変更でチームに居場所を見いだすことが出来たようである。
守備の負担もなく、他の選手に使われる側になったおかげで、本来の能力を発揮出来るようになったのであろう。
彼をサイドアタッカーとして起用したところに問題があった。
前目で起用しても、他の選手を活かすプレイは出来ず、SBとしては守備力もスピードも戦術眼も見劣りしたことは否めない。
守備の盲点を突いて飛び出すスタイルが彼の真骨頂であったようだ。
最終的に良いところを観ることが出来た。
助っ人としてのFSは、落第生であったが、二十歳のヤングプレイヤーとしては楽しみな選手であったと記憶に留めたい。
新井場も右では足が速いだけのSBということを改めて認識した。
屈指の左SBである。
好調時には不用意なプレイが影を潜めて攻撃力が発揮された。
そしてゲームキャプテンの曽ケ端準。
決定的ピンチを防ぐセービングを見せたことは大きい。
ただ、彼は元々のパフォーマンスに戻しただけという印象が強い。
失点はGKだけの責任ではないのだが、やはり目立っていた。
チューヤンの成長で中央からの攻めが減ったことも、復活の一つの要因ではあろう。
代表クラスのGKは重要である。
フィードも魅力。
GKの円熟は30歳から。
更なる真価を促したいところである。

契約しない事が決定しているFSを除く三人と本山、好調の田代・チューヤンを軸に来季は戦うことになろう。
田代と本山の怪我が無ければ、巧守に穴のないメンバーと言える。
一つ問題を挙げるとすると、U-20ワールドカップに篤人が出場した際の右SBであろうか。
右の新井場はもの足りぬ。
やはり、2004年にブレイクした右SB青木剛を起用することになるのであろうか。
上杉謙信にGacktを抜擢するように。
心配でもあり、楽しみでもある。