鹿島アントラーズ原理主義

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最終節コメントなど

2006年12月03日 | Weblog

鹿島野沢ハットで磐田撃破!/J1
<J1:鹿島3-0磐田>◇第34節◇2日◇カシマ
 ホーム鹿島が先制した。前半24分に相手陣でボールを奪って細かくつなぎ、MF本山のスルーパスをMF野沢がダイレクトで決めた。その後磐田もペースをつかんで反撃に出たが、35分のMF福西のボレーシュートを相手GKに好セーブされるなど、前半は無得点に終わった。
 後半開始早々の1分に鹿島が追加点を挙げた。相手ゴール前にFWダ・シルバがドリブルで切り込み、野沢にヒールパス。野沢が左足でこの日2点目となるミドルシュートをたたき込んだ。磐田は21分にGK川口が負傷で退場。GK佐藤が急きょ出場したが、26分にカウンターから野沢に右足でハットトリックを決められ完敗した。

【J1:第34節 鹿島 vs 磐田 レポート】野沢のハットトリックで鹿島が宿敵相手に完勝!天皇杯に向けてリーグ戦を最高の形で締めくくる [ J's GOAL ]
12月2日(土) 2006 J1リーグ戦 第34節
鹿島 3 - 0 磐田 (14:02/カシマ/16,433人)
得点者:'24 野沢拓也(鹿島)、'46 野沢拓也(鹿島)、'71 野沢拓也(鹿島)
「全体的に相手のほうが良かった」。試合後に磐田・前田が表情を押し殺したままコメントしたように、磐田にとっては攻略の糸口を見つけられないまま、完敗でゲームを終えるしかなかった。逆に言うと鹿島は自分たちのやりたいサッカーを見事にピッチの上で表現した。天皇杯に向けて、最高の形でリーグ戦を締めくくったと言えるだろう。
試合の朝からカシマサッカースタジアムは快晴に恵まれ、絶好のサッカー日和だった。試合開始から鹿島が飛ばす。マンツーマン気味で付いてくる相手に対し、ボールを持っていない選手が流動的に動くことで次々とスペースをつくり出し、ゲーム序盤は圧倒的にボールを支配した。
なかなかボールが奪えない磐田は、鹿島のパス回しを分断できないと判断すると布陣を変える。ゲーム開始時は4バックで対応していたものを中央に大井が入る3バックに変更した。しかし、センターバックとボランチの選手で、マークの受け渡しがうまくいかない。中にドリブル切れ込んでくる本山やファビオ サントスに誰がマークに行くのかはっきりしないシーンが何度か見られた。
そうした磐田ディフェンス陣の混乱をうまく突いた鹿島に先制点が入る。磐田陣内の右サイドでボールを奪うとすばやく本山につなぎ、本山がドリブルで中央に仕掛ける。それに対し磐田の選手は誰が当たりに行くのか判然としないまま下がったため、結局3人が引きつけられることになった。それを見た野沢は、本山の後ろを左サイドに向かって猛然と追い越し、ゴール前でフリーでパスを受けることになる。
鹿島の上げた残りの2得点も野沢のものだった。2点目は左足からの強烈なミドルシュート。3点目は相手DFに1度当たったボールを、シュートの打ちやすい位置にピタリと落として冷静に決めた。いずれのゴールも技術の高さを感じさせるゴールだった。
磐田にとって、今の鹿島は分が悪い相手だったのかもしれない。再三再四、効果的な攻め上がりを見せていた新井場を封じるため、その裏のスペースに太田を張らせ、純粋な2トップではなく、前田の1トップ+太田の右ウイングというような布陣で攻撃をつくろうとしていた。しかし、太田にボールが渡り、前田と2人で2対2の状況をつくるシーンもあったものの、右サイドからセンタリングが上がるため、中央に余っている岩政にことごとくヘディングで弾き返されていた。前半に福西が2度、後半に船谷が1度、キーパーと1対1の状況になったにもかかわらず、シュートを決めきれなかったことも大きかったかもしれない。アジウソン監督は天皇杯に向けて、もう一度チームを立て直すことを誓っていた。
鹿島はこの試合の勝利で最近の5試合を4勝1敗。シーズン中ずっと苦しんできた守備面でも大きな改善を見せている。
「天皇杯では、決勝に行くだけでなくタイトルを取りたい」。試合後に行われたセレモニーでのパウロ アウトゥオリ監督のコメントにも、現実性を強く感じさせるような試合展開だった。ただ、まだまだ改善すべき点はある。「リードしているときの戦い方は、もっと試合巧者にならないといけない。まだ行かなくてもいい時に行っている」。これまで数多くのタイトルを獲得してきた本田は、この試合に一定の評価を与えたものの、満足しているわけではなかった。完勝に終わった試合でも満足していない選手がいるというのは、チームを更なる高みへともたらすことだろう。
以上
2006.12.02 Reported by 田中滋

【J1:第34節】鹿島 vs 磐田:パウロアウトゥオリ監督(鹿島)記者会見コメント [ J's GOAL ]
●パウロアウトゥオリ監督(鹿島):
Q.今日の勝利おめでとうございます。試合前に磐田の攻撃に関して選手に注意を促したことはありますか?
「まずお礼を述べたいと思います。ありがとうございます。あと、レッズの皆さん、優勝おめでとうございます。コンスタントに力を出し切れたことがこの結果につながったのだと思います。もうひとつはフロンターレさん。2位確定ということで、ACLという国際舞台で力を試すチャンスがあるわけで、本当に彼らにはおめでとうと言いたいと思います。
我々に関しては、注意をするという部分では攻撃陣の前田選手のことです。本当にクレバーな選手であって、スペースを与えれば生きる選手なので、攻撃の時は自由にさせないということ。あとは流動的に動く選手がいるので、そこの注意をしっかりする。それから自分たちのことですけど、ボールを奪ったら切り替えを早くしていく、ということを選手たちには要求しました」
Q.Jリーグの感想とチームの総括をお願いします。
「まずチームに関してですが、最終節でこれだけの運動量、メディカルにお世話になる怪我人がいないということはすばらしいことだと思います。課題になったところは、ここぞという、順位をあげるためのチャンス、タイトルをとるためのチャンスが目の前にあったとき、力を発揮できなかったことです。就任当初から言い続けてきたメンタルの弱さなのか、ここぞというところで力を発揮できなかったことが問題として上げられると思います。
Jリーグに関しては、Jを仕切る関係者が日本という部分、クラブレベル・代表レベルの国際舞台にあたってどういう風な地位をもたらしたいのか、というのが重要な部分だと思います。当然ながら、大まかな目標は、国際舞台で日本代表が活躍するという部分であるかもしれないし、クラブレベルで世界の舞台で結果を出すということだろうと思います。それはおそらくどこのクラブもどこの関係者もそういう気持ちではいると思います。ただ気持ちだけでは何もできないわけであって、それを実現するためには何が必要なのか深く追求し、それを考え抜いて実行に移していかないといけないのだと思います。そのためには競争力をどうやって増していくのかを考えなくてはいけないと思います。そのなかでフェアプレーという要素があります。日本のフェアプレーの水準は世界にくらべてかなり高い水準にあると思います。だからその次の段階を考えなくてはいけないといけない。その次として契約制度を考え直さなくてはいけないと思いますし、単純に海外に選手が放出されるということではなくて、国内の移籍制度も見直さなくてはいけないのではないかと思います。もし認識不足であればお詫びしたいと思いますが、自分が知る限りでは、11月30日に契約の更新の旨を選手側に伝えている。ゼロ提示か交渉する意向があるのかを通知する。そこから来シーズンの構成・編成を進めていくわけですが、それは明らかに時間のロスをしているわけであって、シーズンが終わる前から準備をすることができるのではないか。もう少し、そういう部分での見直しが必要だと思う。
ピッチ内ではいろんな部分が改善されないといけないのではないかと思います。年間を通して10ヶ月近くやっていますが、よく日本である光景というのがどこかのチームが、うちを含めてですけど、2-0で勝ってるとします。そこから急に何かが起きて、2-3になったり、2-4になったり、そういうパターンがよくリーグの中であります。それは高い競争の中では絶対にあってはいけない部分であって、日本のサッカーというのが昔は娯楽・イベント性をもっていたものが、いまは結果を求められる競争力の世界に入っているということが、選手・クラブ・サポーターが自覚しないといけないのではないかと思います。
もうひとつはコンタクトの部分です。日本の選手はよく倒れて、そこで担架が要請されたり、入るまでに時間がかかります。当然、ゲームの流れは中断しているわけですから、もっとボールが動いている時間を増やさないといけないと思います。試合の中では密度が重要であって、それは動く質と量です。試合というのは生きたものなので、切らしてはいけない。あるいは切らす時間を短くしなければいけない。そういった意識が必要なのではないかと思います。例えば今日の試合では、ジュビロの選手が倒れて、担架が入るまでに時間がかかったのがありましたり、担架が入ってからその選手が歩いてピッチを出てすぐ水を飲んで入ろうとした。それが1分であろうと1分半であろうと、その時間でゲームができるはず。そうした選手の意識を変えなくてはいけないし、レフリーを指導している立場の人がもう少し詳細な指導が問われるのではないかと思います。もうひとつはそれをやることによって、選手がこれくらいでぶつかったとしてもレフリーはファウルを取ってくれない、あるいはファウルと見なされないという意識になりますし、コンタクトに強い選手が生まれてきます。あるいはそういう風な流れにつながっていくはずです。
よく日本では、選手が倒れているときに相手選手がボールを外に出すと、その相手にボールを返さなくてはいけないという義務や雰囲気になっていますが、それはあり得ないと思う。なぜかというと、フェアプレーという意識で相手に敬意を表すということでボールを返すのでしょうが、それは間違った敬意の表し方だと思います。相手チームに対してサポーターに対して、自分のチームメイトに対して間違ったものだと思います。サッカーというのはいかにして自分の限界、技術・戦術・体力について限界に達しながらいかにその高い質のところでできるかということを各選手意識しないといけないし、相手選手に求めなくてはいけない。それを出すことで、サポーターあるいは見ている側に伝わるということにつながると思います。ボールを出す・出さないというところで敬意を表すのではなく、相手にも限界を求めなくてはいけないし、自分たちも限界まで戦うということが重要なのではないかと思います」
Q.これでここ5試合を4勝1敗です。天皇杯に向けての手応えはいかがでしょうか?
「見せてる内容を持続していけば結果につながるだろうと思います。先ほども申しましたとおり、本当にここぞというところでメンタルの弱さ、気持ちの弱さが再度表れた場合は実現しないだろうと思います。それは本人達しかわかりません」
Q.アントラーズのチームの印象と去るに当たっての感想をお聞かせ下さい。
「クラブに関しては、外国から来る者を本当に暖かく迎えてくれたと思います。契約するに当たって、シーズンの終わる1ヶ月前に編成をしろといわれてもそれはむずかしいことだと思いますし、交渉というものは時間がかかるものですし、皆さんの人生の中でも何かを始めるときは1ヶ月前から始めるのではなく、数ヶ月前からどうかなと考えながらやっていくはずです。そういった部分でクラブ側は努力しようとしたのですが、日本の契約形態ということでうまく我々が目指そうとしてる方向性が定まらなかったというのが現状であって、それが残念な部分です。
この場を借りて、クラブ側の関係者に我々が立てたプランを全身全霊をかけてやろうとしてくれたこと、努力を惜しまずにやってくれたことに感謝したいと思います。最終的にはまとまらなかったということはあるかもしれませんが、その過程に関しては敬意を表さないといけないと思います。サポーターに対しても恩返しをしないといけないと思いますし、それは先ほどのスピーチでもいいましたとおり、天皇杯のために全力を尽くしてタイトルを取るということだと思います。全員で力を合わせて実現できればと思います」

【J1:第34節】鹿島 vs 磐田:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]
●本山雅志選手(鹿島):
「1点目はドリブルで縦に抜けようとした。アレックスから良いボールが出たので。自分でシュートを打とうかとも考えたが、拓也(野沢選手)が追い越してきたので、相手の足にかからないようにパスを出すだけだった。能活さん(川口選手)はああいうところがうまいので、よく決めたと思う」
●中後雅喜選手(鹿島):
「結果も伴ってきているので、チームの中で良い流れができている。天皇杯で優勝するためにはがんばらないといけない。Jリーグ、ナビスコ杯と、チャンスに見放されているので天皇杯は取りたい。優勝して監督を送り出すことができれば、と思う」
●野沢拓也選手(鹿島):
「2点目はもう少し持てるチャンスはあったけど、前が空いたので打った。2列目から裏に飛び出すことを狙っていた。こういうサッカーを続けていけばいいと思う。天皇杯は一発勝負なのでがんばりたい」
●本田泰人選手(鹿島):
「やるべきことをしっかりやれば点が取れる。3点くらいとればサポーターも来てくれると思う。ただ、リードしているときの戦い方はもっと試合巧者にならないといけない。まだ行かなくてもいいときに行っている。守備の部分では我慢するところで我慢できた」
●内田篤人選手(鹿島):
「今日は、中盤から前がのびのびとやっていたので上がる機会が少なかった。無失点で抑えたいという思いもあったので。対面した上田選手は技術があるので、距離感を気をつけた」
Q.太田選手が外に開いていたが気にならなかったか?
「シーズン前のキャンプが始まってから、逆サイドのDFが絞るのは当たり前のこととしてやってきた。練習中も試合中も、センターバックの選手と話し合うことはしてきたので特に問題はなかった」
●岩政大樹選手(鹿島):
「今日はうちの選手が攻守の切り替えが速かった。みんながやってくれたおかげで後ろは助かった。後半は太田が右サイドに張り出した。イバさん(新井場選手)の攻め上がりを警戒してのことだと思うが、そっちのサイドだとボクが中に入れるので弾き返すだけだった。うちの右サイドからだとそうはいかないのだけど、向こうは左から来てくれたので問題なかった」

圧勝は良いものである。
結局は策ではなく、プレイする選手であると証明した。