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経済学再々入門 自給自足経済その2

2011-06-15 01:27:07 | マクロ経済

さて、前回の設定を前提に、考えられることを片っ端から上げてみましょう。とてもシンプルな設定でも、結構いろんなことがあるんですな。

1. GDPはいくらなのか。計測方法について

この舞台となっている比太離島(ひだりじまと読みます)では、生産も消費もコメだけが想定されています。
ってことは、GDPは、あんまし難しいことは考えずに、コメで測れば良いですな。

ア) 生産されたコメの量

COOの小林さんのハナシでは、今年の生産結果= 全員が今年一年食べるだけのコメ+種もみ+余剰分あったということなんで、これが、GDPですな。GDPは個別の経済主体の各生産額を集計した数字だと教科書には書いてるようですが、100人が生産した集計値を扱っているんですね。小林さんは、この島全体の経済を扱っているのでした。

この数字は、何トン、とか何俵、とか、具体的な数字で出すことが当然可能ですね。とっても具体的で数えることができる数字です。

イ) 分配されたコメの量

さて、生産されたコメは、メンバーに配られるわけですが、

食べる分は一旦本部貯蔵庫に集めておいて、メンバーに定期的に配給、
種もみとも同様ですが、やはり必要な時期になって配給されます。
余剰分は、食べられずに余った分なんで、本部の貯蔵庫に残されます。結果的に本部に配られた島の年間の利益って感じですかね。

当たり前のハナシですが、この配られる分の合計は、アに等しいわけですな。

ウ)その結果として食べられたコメと苗にされたコメと繰り越されたコメの量

そして、配られたコメは、食べてしまいます。あるいは、種モミは苗に育てて、田植えされます。来年の収穫につなげるわけですね。

食べもせず、苗にもならなかったコメは、不作の年に備えるという意図のもと、来期に繰り越されます。


で、ア)= イ)  = ウ)なわけですね。同じものを別の側面からとらえただけなので、もともと同じものの数字です。
経済学では、三面等価の原則と呼んでるようですな。


よく出てくる公式をちょいとここで書いておくと、

Y=C+S=C+I となるわけですが、Yがアの生産、C+Sがイの分配、C+Iがウの支出に該当する、ということになりますね。

SはSavingの略号で、貯蓄。余ったもの、あるいは最終利益ということでもありますね。
CはConsumptionの略で、消費。食べてしまう量
IはInvestmentの略で、この場合は、備蓄する、と意図して繰り越される在庫投資ってとこでしょうか。

式からも分かりますが、S=I なんですが、これはつまり、食べなくて余ったコメというのは、結果的に備蓄されるんで、数字は結果的に一致するということですね。

ただ、沢山作り過ぎて、食べずに残った分が、不作に備えてバッファーで持つにも多すぎる、ということだってあり得ますな。

これ、コメ余りってコトなんですが、供給過剰というわけで。逆に、需要不足と呼んでも良いですね。


その辺の議論は、難しくなるんで後回しにしましょう。


しっかし、物凄くシンプルな設定でも、経済学の概念を当てはめて考えるとかなり面倒になるんですね。

こういうフレームワークを使用することで、見えないものが見えてくる、とか、議論がしやすくなる、とかいうメリットが無いと意味ないんですが、

まあ、あると信じて、もう少し進んでみますかね。





経済学再々入門 自給自足経済


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