この人、3月11日以来、アッチコッチの番組に出ているのを見かけます。日系の米国人で、著名な物理学者、とかで。
"They Lied To Us" Michio Kaku Blasts Japan, TEPCO & IAEA For Cover Up
ミチオ・カク
Fukushima Nuclear Plant Remains 'Ticking Time Bomb' After Japan Disaster: Michio Kaku, Theoretical Physicist
Though global fears about radiation emissions from the heavily damaged Fukushima Daiichi nuclear power facility have calmed in the weeks since Japan's devastating March 11 earthquake and tsunami, famed physicist Michio Kaku insists the situation remains a "ticking time bomb."
福島第一の放射能漏れに対する世界的な恐怖は、数週間でおさまったが、著名な物理学者のミチオ・カクは、時限爆弾が時を刻んでいる状況に変わりはないとのことだ。
A professor of theoretical physics at the City University of New York and the City College of New York, Kaku discussed some recent revelations about the disaster's impact, and noted that Japanese officials still don't have control at the site. "In the last two weeks, everything we knew about that accident has been turned upside down," Kaku says. "Now we know it was 100 percent core melt in all three reactors...now we know it was comparable to the radiation at Chernobyl."
日本の当局者は、未だに原発をコントロールできていない。この2週間で、事故について聞いていたこと全てが、全くひっくり返されてしまった。いまや、3つの原子炉全ての燃料が100%メルトダウンを起こし、チェルノブイリと比較されるような放射能ということになった。
Among Kaku's other distressing notes: Fukushima workers are exposed to a year's dose of radiation within minutes of entering the site, and cleanup will take between 50 to 100 years. "It's like hanging by your fingernails," he says. "It's stable, but you're hanging by your fingernails."
福島の原発作業員は、数分で一年分の放射線にさらされている。クリーンアップには50年から100年かかる。状況は安定しているが、爪の先でぶら下がっているようなものだ。
記事には無いんですが、未だクリーンアップに入れない状況で、事故を抑えるのにまず1年くらいかかるとおっしゃってるようですな。
小さな子供が、放射線バッジをつけて幼稚園にかよってるってどうよ、みたいなこともおっしゃってます。
彼はこうやってちょくちょくいろんなメディアに登場して、新著を宣伝しながら日本の原発事故がいまだひどい状況にあること、あるいは、当局や東電の対応のまずさについて知らしめているわけですな。ひょっとしたら、こういうのを見ている一般米国人の方が、日本人よりも事故の状況を正確につかんでいるかも知れません。
彼が怒っているってか呆れているのは、状況を時系列で分析してみると、漏れてる放射能なんかからして、当初から燃料がメルトダウンを起こしていることを、政府や東電が知っていたのは明らかなのに、ハッピーフェイスで問題無い、と言い続けた、というトコですね。初期の対応がカオス状態で、リーダーシップの不在についても指摘しています。
別の動画でですが、燃料がメルトダウンを起こしているのが明確になっているのに、彼らは海水を入れる、入れない、原子炉を守る、守らないの議論をしていたんだ、みたいなこともおっしゃってます。
日本じゃ、こういうモノ言いは『ひだり系』扱いされがちで、せいぜい、御用学者が、心配ない心配ないを繰り返すので、返って不安です、みたいな主婦の意見を紹介して、政府は正確な情報公開を、ってな具合ですが、こういうコト、つまりウソをついていたのかどうかは事実として簡単に確定できるはずなんですがね。
こういう追求こそ、報道の役割ですよね。
政権が違っててもウソや隠ぺいが無かったとは到底思えないんで、まず事実を追求するべきで、そこから、やっぱ、電力の地域独占はだめだわ、みたいな政治問題が出てきて、しかる後に、賛否を巡って政局にという流れが本来の姿なんでしょうな。なんとなく、じゃなくて事実の部分は、確定させなきゃだめですな。
政治的には、今の状況は面白くて、むしろ、首相は原発を政治問題化させたくて、野党が原発サイドでコトを荒立てたくなかったりするんで。
問題に踏み込もうにも、政権側は自分のミスをさらしたくないし、野党は原発利権構造は壊したくない。
お互いがすくんでしまって、問題が深まらず、意味不明の対立がつづいてしまい、両者ともに政治的にどんどん消耗していく、という構図でしょうか。
こういうの、ホントの政治不在ですな。
それにしても、
なんで、日本のことを、海外メディアで確認せないかんのよ。