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管騒動 ロンドンエコノミスト

2011-06-05 14:53:25 | ロンドンエコノミスト
いや、やってくれますなあ。
言葉を失うって感じですかね。

また、首相が変わるんでしょうか。


自民党時代を含めて、
これまでも、いろいろとあることないこと難クセつけられて短期で辞めさせられてきて、

また、同じパターンなんですかねえ。
あの小泉さんだって今や名宰相って感じですが、選挙でポロ勝ちするまでは、めちゃめちゃ言われてたんで。

郵政という巨大な力と戦っていたんで。

管さんが震災以来、強烈に批判され始めた理由がよく分からないんですな。

勝手なことを言う、とか批判されてますが、
鳩山さんだって記者会見で沖縄の基地問題で勝手なことを言いまくって、批判されてました。
でも、辞めさせることろまではいかなかった。政治的に追い詰めれて辞めざるをえなくなってから辞めたんでした。

個人的に気に入らないのであれば、任期後、再選しないというのがフツーの考え方ですな。

政権が変わると震災対応や、原発の処理がうまく行くようになる、なんて、あり得ないでしょう。特に原発についてはあれやこれや、誰もが驚くようなことが噴出しているんで。

このモヤモヤ感。こういう問題を放置せずに、必ず答えを出してくれるのが、エコノミスト誌なんですな。節目には参照するとスッキリする。





No one wins

勝者なし。

見出しがいいですな。本当に、この騒動で得する人はいなさそうです。

さて、記事の中身ですが、

このひどい動きのなかで、誰もよくやったとは思えず、特にひどいのが自民党。


なぜか。


The LDP has attacked Mr Kan’s handling of the nuclear crisis, even though it was responsible for the lax oversight of the nuclear-power industry during its five decades in power prior to 2009. Some suspect the timing of the no-confidence vote may be linked to Mr Kan’s recent calls to deregulate the energy industry and scale down the importance of nuclear power.

自民党は管の原発危機対応を批判しているが、この危機はそもそも2009年以前、50年間にわたって権力の座にあった間、原子力業界をいい加減に監視してきたことに責任がある。

不信任案がこのタイミングで出されたのは、管が最近、原発依存度を低めて、エネルギー業界を規制緩和すると呼びかけたことに呼応しているとの見方もある。

Bureaucrats say the electricity utilities, such as Tokyo Electric Power (TEPCO), have been big donors to the LDP. They may be calling in favours. “TEPCO has been visiting lawmakers and they’re serious about trying to limit the damage and the threat to the electricity industry in general,” says Koichi Nakano of Sophia University in Tokyo.

官僚たちは、東電のようなエネルギー業界は自民党に対する長年の献金者であると言っている。彼らはエネルギー業界のために動いているのかも知れない。

上智大学のカネココウイチは、東電は国会議員達を繰り返し訪問している。電力業界へのダメージと脅威を減らそうとしているのだと語った。

国民の政治不信が高まっているなか、

Perhaps one of the most unfathomable things is why Mr Kan did not have the wit to turn that to his advantage. Since the disaster, the public has responded well to bold initiatives. Had he clearly described the old guard both inside and outside his own party for what it is – petty, out of touch with reality, and a bunch of bad losers – he might have emerged stronger from the ordeal. He hasn’t. Nor, sadly, has Japan.

最もよくわからないのは、管が機転を利かせて、この事態を自分の有利な方向に持って行かないことだ。
震災以降、彼の大胆な指導に国民は良い反応を示している。もし、彼がもっとはっきりと、党内外の守旧派達が一体何者なのか、小物で、現実が分かっておらず、負けっぷりの悪い連中の集まりであると、言っていたならば、彼はひどい状況からより強くなって抜け出せたかもしれない。

彼はそうせず、残念ながら日本もそうなっていない。


ということなんですね。



福島第一から撤退しようとする東電をドヤしつけたり、
浜岡を止めたり、

と蛮勇を振えたのは、選挙前に消費税引き上げを主張するような管さんの政治感覚によるところが大きいとして、こういう時だからこそ、こういうおっさんにお願いするということだってありかもですね。

この2点をもってしても、管さんをわたしゃ支持するんですが、
ついでに辞めるまでに電力の自由化も決めてもらえませんかね。

この経緯からして、多分、次になる人じゃ絶対にできそうもないから。

しかし、エコノミストの言うように、管さんは、国民を説得する必要がありますね。
それができるんなら、

小泉さんみたいに、不信任案を可決させて、

守旧派を特定して、党内を割って、
電力自由化と特区なんかの大胆な震災復興案をテーマにして

震災対応を邪魔する、守旧派、既得権者を相手に選挙で戦う、という道もありかも。
郵政改革反対派と小泉さんが戦ったように、原発推進派と戦えば良い。これは分かりやすい。

英知を集めた思いっきり大胆で、現実的な復興案であることが必要ですがね。それに反対する人達をしっかりとあぶり出しておいて、その連中と戦うというテーマ設定ができなければいけない。


それなら、この最中の選挙でも、あたしゃ批判しません。復興を遅らせているのは、政権じゃなくて、今の政治情勢だと言えなくもないんで。その代わり、政権に居る人たちは、選挙運動を極力控えて仕事してもらう。


いやあ、しかし、いつもながら、素晴らしい記事ですな。テレビを何時間見てても、新聞を読んでもすっきりしないことが、五分でクリア。これが、エコノミスのすごいとこですね。日本の政治問題で、このクオリティなわけで、他もそうなのかと思うと、この雑誌の底力がいかほどのものか、と怖くなるんですな。