会計スキル・USCPA

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ニューヨーク26区 潮目は変わったか

2011-06-01 01:15:00 | 政治
ちょっと前のことですが、ある選挙区の下院議員がスキャンダルで辞任に追い込まれたんで、補選が行われたんですな。

で、民主党の女性候補が勝った。


Democrat Kathy Hochul wins NY-26 [NBC: 5-24-2011]


この選挙、ただの補欠選挙じゃなくて、全米ってか、全世界注目の的になっていたんでした。

なんでか。

このレイチェル・マドウの番組を見てみるとよくわかります。

HILLARY USED TO EXPLAIN NY 26 - BACHMANN DEFENDS ENDING MEDICARE - HERMAN CAIN ATTACKS HILLARYCARE


これ、MSNBCの番組なんですが時々ここでもご紹介していますね。

完全にリベラル側に立ってますが、良くまとまってて、とても勉強になります。ジョン・スチュワートが、自分から電話をかけてインタビューに応じるぜ、とやったのもこの番組で、多分、沢山の人が見ている、評価の高い番組なんでしょうな。

で、この選挙なんですが、ニューヨーク26選挙区で行われていて、歴史的に共和党が強い地盤。ニューヨークと言えば、東部のリベラル地盤って感じなんですが、この26選挙区だけば、線引きが保守的な選挙民のいるところを囲い込んでいて、ずっと共和党候補が勝ってきた、年寄りの多い地盤なんだそうで。

こないだの中間選挙で共和党がティーパーティの風に乗ってぼろ勝ちしたこともあって、当然今回も勝つと思いきや、世論調査では、どうも、民主党候補が少し優位に立っている。今回の選挙は、民主党候補が勝つんじゃないか、
キャーッ、て感じです。

で、ホントに民主党候補が勝ってしまった。

この番狂わせに全米が注目しているのは、当然、来年の選挙を占うことになるからですね。
で、なんで、共和党候補が負けたのか。

この、共和党の、人気のある、若くてハンサム、弁舌さわやか、テレビ映りの良い、共和党大統領候補にだってなりかねないとこまで来ているお兄ちゃんの出した、共和党赤字削減案が、年寄りを怒らせちゃった、ってことでしょうか。

Paul Ryan: The President's Plan Does Not Save Medicare


詳しくは知らないんですが、メディケアシステムをぶっ壊して、民間の保険に切り替えさせる、つまり民営化するような案らしいんですな。

こういうなにがなんでも支出カット、という姿勢の背景には、当然ティーパーティの影響もあるには違いないんですが、この極端な共和党案に、老人達が反発して民主党候補を勝たせてしまった。

これが、どんだけ大きな意味を持っているかと言えば、こないだのエコノミストの記事を思い出すと良くわかります。

米国ベビーブーマーの政治パワー ロンドンエコノミスト


保険制度改革の中で,

オバマ大統領は,老人達を悪影響から守ろうとした。労働者は,雇用主が保険を提供している場合は,税金優遇が切り詰められ,金持ちは投資収入からメディケア税を払うことになるが,老人達はメディケアの拡大と適用される薬品のカバー範囲が広がった。
にもかかわらず,老人達は,オバマの改革に対しては反対の立場を変えることがなかった。『老人達はすでにヘルスケア保障を得ているのです。そして,人口の16%にあたる追加の保障を与えることが,老人達の利益を損なわないとは考えられないのです』
と,まあ前回の選挙では,共和党が,そこを突いて、老人達の支持を勝ち得たということなんですがね。


つまり、ベビーブーマーが引退する時代になって、老人世代の数が増えて政治パワーが大きくなっている中、

オバマケアで、オバマさんが老人達に脅威を与えてしまい、共和党支持に回らせて、前回の中間選挙で民主党がポロ負けした、という分析です。

これが、今回のボール・ライアンのムチャぶりによって、今度は、老人達は、民主党支持に回るようになったかもしれない、ということを意味するからなんですね。

ひょっとしたら、潮目が変わったかもしれないってことでして。

ドナルドトランプをやっつけたり、ビンラディンを殺したりして、最近、オバマさんの人気も回復してきているようで、民主党に風が吹き始めた、かも。



それにしても、この動画笑えます。

Liberal Group's Medicare Ad Shows Paul Ryan Throwing Grandma Off The Cliff


老人が、ボールライアンに擬せられた親切そうな若者に安心して車いすを押してもらっていると、海まで連れてこられて、突き落とされて・・・。