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おっさんは道具の進化に着いていけない件、家電屋は価格競争に陥ってはいけない件

若い頃はおっさんが「パソコンは苦手で」というのが理解できなかった、今は理解できる。私がそのおっさんになったからだ。

我が家で長年進化していなかったパソコンとTVを買った。中高年にありがちな情報弱者を感じると同時に、「今のままでいい」という私の態度に気付き絶句せざるを得ない。

TVについては10年以上使用した25型のブラウン管から40型の液晶に移った。感想は発色はブラウン管か、プラズマにした方が良かったのかという疑問。まぁどうせ慣れるだろうし(実際2~3日で慣れた)あまり気にしていない。

TVでも地デジとかBSとかで悪戦苦闘。ゲーム機やBSチューナーの扱いとか(我が家はCATVなのでBSは配給のチューナーを介さないと見られない)。HDMIって何よ、D端子・S端子って何よ状態。さらに音質を少しは良くしたい、パソコンというよりはNETに繋げた方が面白そうだけどコードが走るのは嫌だし、電波を飛ばす環境を再構築するのも面倒。私が子供の頃オーディオ・TVをシステム化したのだが、父親は全く興味が無かった、現在でも自分の録画システムを持っているが満足に録画予約ができない。「こんな簡単なことが何で出来ないのか」と思っていたが、便利に対して必要性を感じなければ勉強する気にならないのであろう。

 

パソコンはメモリーやグラボを搭載していないペンティアムⅣだったので、サイズの大きいサイトや動画に不満が出たので更新した。職場ではセルロンであるが通信速度が遅いのであまりマシンへのストレスは感じていない(3DやCADを扱う関係でグラボとメモリー1GBは積んだ)。結局CoreI3を筐体サイズから選んだ。パソコン机の更新も考えたのだが画面が思ったより小さかったのと(4:3 17インチから16:9 23インチで縦画面はそれほど変わらず)、ディスプレイが薄くなったのでその後方にマシンを置いた。ちょうどIMac(って知らないだろうけど)のような感じ。

OSがWindows7になり、セッティングや使いこなしというか違和感の削除に丸1日使用。インターフェイスが大幅に変わってるやんけ、IDEが無くなったのはショックだし、マウス・キーボードポートも無くなった、さらにモニターのインターフェースが、、、。前のパソコンからの更新でも同様にSCSIからUSBに変わってそんときは便利だけを享受したなぁ。この差は変化を良しとする世代から、変化についていけない世代へ変わったということであろう。

以前(DOS6.3の頃)であればLANを組むのにも(さらにUNIXを介していたわけで)、結構面倒くさかった。それを勉強のためと一つ一つ物理的な接合から論理的な接合へと一歩一歩組んだのが懐かしい。初めてWin95では勝手にネットワークを構築してくれる楽さに唖然とした。今回はさらにすごくてパソコンを本当につなげただけでネットワーク環境は整ってしまった。プロバイダの契約資料を横に置いていたが全く使用せず唖然とした。

それでもWindows7への違和感は何であろう?若かりし頃は攻略の意志でみなぎっていたはずだ、怪しげなネットワークソフト(WindowsLive?)とかの意義を勉強しようとする熱意も無い。

 

ようやく本題。年寄は変化を嫌う。このことが良くわかった瞬間だ。それでもTVのインターフェイスはゲームや周辺機器と画質への関係性がありそうなので勉強というか(コード類の)無駄遣いをするのであろう。若かりし頃はきちんと勉強して無駄な出費を抑えるのものだが、とりあえずコードを買って期待通りでなければ再考という姿勢だ。←この姿勢が本当におっさんだと思う。

 

「こんなこと出来ます」的な宣伝もいろいろ入っていた。正直おっさんである私の心には響かない。マーケチング的にはどのように伝えればおっさんは快くお金をだすのであろうか。おっさんはその享楽を受け入れられるのであろうか。ある意味永遠のテーマかもしれない、「便利を伝える」のは。老人は所詮便利を頭で理解しても必要性を感じない限り絶対に手を出さない。

そう考えると現在のCMの手法は正しくないのではないか?量販店に脚を運んでもらい、自分の判断で購入し、自分でシステムを構築し、使用方法を勉強するというビジネスモデルはコアなユーザーにとっては便利であるが、情報弱者というかおっさんには不都合なビジネスモデルだと思う。コジマ電気は若者向けのブースはもう止めにして(どうせNET通販には価格競争では勝てないのだから)、安さよりは「どう使うか」という提案的営業でなくては成り立たないと思う。実際私が脚を運んでもぴんと来る説明は無かったので「これならNETで買っても同じだ」と判断した。

当然であるが機会損失も大きいであろう。地デジのTVを売るのではなく、地デジシステムの構築を売るという視点があまりない気がした。これでは現状に不満を持たない(便利さを追求しない)老人へのアプローチとして甚だ不完全だと思う。

チラシに乗せなくてはいけない情報はTVの価格ではなく、地デジシステムを届けるスケジュールと総予算と使用方法の教育方法なのだ。アンテナの改造からレコーダー・サラウンドの設置、レコーダーの使用方法まで。パソコンであれば、NETへの接続、プリンターのセットアップ、その使用方法。BtoBでは基本であるシステム構築提案が最も求められているであろう。そしてアフターサービス。あれ?これって従来の街の電気屋さんじゃない。

電気屋が求められているのは価格競争ではなく、価値の提案とその施設ということ。BtoB営業では基本だと思うんだけど。

 

追記)おっさんや老人は安く買えたことに対する満足度は低いと思う。いや本当は低くは無いのであるが、勉強する時間と熱意がもったいないのだ。TVの機種の検討、値段の調査、施設に対して高額商品であれば5~20%、絶対価格で1~3万円は週末を1~3回潰すことと天秤にかければ自ずと提案営業の意味が出てくる。10万円の洗濯機でもTVでもパソコンでも、NETで買えば安くは買える、予備知識なしで来店されても説明なから購買へのプロセスで1時間程度、設置・使用説明に2時間程度の工数をかけることを事前に説明して、「決して損ではないこと」「お得なこと」を理解してもらうことであろう。

若者でも事前勉強に2・3時間、店頭チェックで2・3時間、設置で2・3時間では週末が2回は潰していることであろう。若者の場合、勉強自体が楽しかったり、時給単価が安かったりで、そういった時間をかけることが苦痛ではない。一方老人は、、、。という話。

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