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組織の疲弊

私の属している所属長である研究所長は「元気のある研究所にするためにどうしたらいいか」と投げかけている。ちょっと意味を考えてみたい。

彼は自分の仕事は職場環境の管理という点にすごく気を配っていて、模範的なマネージャーだと思う。本社からの外圧から組織を守ったり、研究所の成果を声高にアピールしたり、労務管理にも気を配り。まぁだからこういう発想が生じるのであろう。実際職場環境は良いと思う。実務でも細かい事を言うというより、スケジュールや見通しは気にするけど、事案の方法論など細かい事はごちゃごちゃ言わない。

彼の具体的なアンテナや実行策はそれは高コストで多分他の組織ではまねできないほど。4半期に1回派遣を含めた全員(約60人)と雑談と称する面談を行い(本当に雑談だ)、階層ごとのランチミーティングを最近企画しだした(所内ではなく割りと高級レストランのランチ:会社持ち)。

彼の危機感は「油断すれば組織は硬直化する」ということであろう。そのような原体験があったのかは分からない。また多分彼は組織の「経営者」なのであろう、研究所幹部や下々に原理を常に説いている感じ。

 

それほどまでに組織管理を行っているのであるが彼の危機感はなくならない。彼が自覚してるかどうかはわからないけれど幾つか理由が考えられる。

仮説:風通しの悪い組織(部課)はその上長に全ての責任がある。

これは単純で、風通しの悪い部課では課員は上へ「言っても無駄」という意識がある。その上長である研究所長が「なにかあれば言ってごらん」と言われて本当の事を言ったら馬鹿を見ること請け合いだ。風通しの悪い部署はその職長が意見具申を聞かないからとか、情報を流さないとか、部下を駒としか管理できないとか、まぁそんなところだ。自分のやり方を押し付けている訳だ。その人とは長く付き合わなくてはならない上、査定を付けるのはその人で、パワーバランスが著しくアンバランスなわけだ。例えば上司と部下の双方向査定というのは理念としてはすばらしいが機能しない、機能する理由が分からない。

そのような状態で上司を批判することを言って、イジメや査定を極端に落とされたらたまった物ではない。なので部下の意見を聞かない上司に「意見を言え」「情報を取りに行け」というのは何も言わない以下(馬鹿を晒してるだけ)なのだ。

この仮説が正しければ組織運営は非常に厄介だ。システムでコントロールすることが難しいから。まぁなので「ビジネス書」とやらがやたらめったら出るのであろう。

ということは「元気な研究所」にするための意見は一般論しか手に入らないことになる。他所の評判などは手に入るであろうから、結局所属長として中間管理職に「どれだけ言えるか」という点に尽きると思う。

 

仮説を肯定した場合の結論

部下(特に中間管理職)にコミュニケーショントラブルが予想されるのであればそれは上長が指揮しなければ(対策を講じなければ)良くはならない。所属長ともなると年齢が上だったり先輩もいると思うが、中間管理職の職分を厳密に査定しないとならないであろう。ちょっと分かりにくいが小さい組織では中間管理職がプレイングマネジャーであることが多い。プレイヤーとして評価してマネージャーの部分で駄目な奴をどう扱うかと言うこと。プレイヤーとしては経験豊富で優秀で、管理職になったがマネージメントは全然出来ない人をきちんと冷遇できるかということになる。年功があり、職人的な知識や経験がある人間を「管理者」でないところに置けるかということになる。

我が社ではそのポストが無い。なので所長は優秀な職人を管理者に上げるしか評価方法が無く、なので心配だと言う構図だ。だって研究員を課長に引き上げるのに管理能力をモノサシに上げてるわけじゃないんだもん。年功や研究実績・経験で決まるんだから。挙げる時点では管理能力は分からないし、その才能が無いことが分かっても職位を落すことが出来ない、組合的にも。

 

なので職場長は限度が無い努力を求められる。自覚がある人ほどそうだ、私の身近な人でも職場について真面目に考えている人ほど大変。一方、自分の経験・センス頼みの上長を抱いた組織は、、、、その人がいい人であっても組織論としては、、、。

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