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原油安が円安の決め手か、それって近視だろ

アベノミクスは野党には不評のようです、僕も不平です。経済界からは受け入れられているようです。

 

そもそも円安誘導は原油安をタイミングとして始まったといいます。2014/08月時点で原油は110ドル/バレル、ざっくり100円/ドルでしょうか、株価は10月の最安値で14.5千円。
現在為替は120円/ドルで、 株価は18千円、原油は80ドル/バレルです。

原油を円に換算すると、原油価格は11000円/バレルから9600円/バレルに値下がりしています。エネルギーへの円安の影響はまだまだ余力たっぷりということでしょうか。現在の原油価格で11000円/バレルに対応できる為替は137.5円/までいけそうです。*1*2

株価日経平均のドルベースで見ると最安値で145ドル(100円/ドル)、直近は150ドル(120円/ドル)となります。ちょっとやばいですね。ドルベースでは株価はほとんど変わっていない、原油が少し安いといえます。

経済の指標は3つだけではありません。給与が上がったとはいえ、消費税による物価の高騰(3%)、電気代の燃料費の持ち出し(2兆円だったか=消費税2%分)を考えると実質マイナスでしょう。だからこそアベノミクスが太鼓判を押されないのでしょうか。他にやりようがないという意見もあるでしょうが、中長期的なトレンドとして成功しているとは思えないのですよね。

外部要因はあります。菅元首相が止めてしまった生きてた原発です。結果論で言えば消費税分持ち出しなわけですから、再稼動できない自民党はその責が少しあるのかもしれません。
逆に言えば原発を回せば、消費税分の重荷が取れるとも言えます。 

一方でアベノミクスは雇用の増加(&給与額の総量)と倒産件数が下がったといわれております。少し物価が上昇したけど、雇用の増加分で少し格差が縮まったのかもしれません。

 

僕はこの現象をみて「小手先感」をすごく感じるのです。選挙の争点は増税の先送りだそうだけど近視過ぎる。
重箱の隅をつつけば、財源7千億円の子育て支援も先送りになる。景気対策となりうる自動車取得税廃止も。*3

それよりは20年後を見据えて、社会福祉のデザイン、財政再建をまじめに取り組んでほしかった。もちろん社会福祉のデザインというのは低福祉化になるかもしれない。エネルギー・環境政策もである

老人は改革を先送りしてほしいと思うものだ。20年後は死んでるか、死ぬ寸前だからね。

 

一方で40代以下には深刻な問題である。年金・健康保険が破綻しているかもしれないし、消費税が30%になっているかもしれない。ガソリンや電気代は炭素税が乗ってるかもしれないし。現在の過疎地のインフラへの設備投資を徐々に減らさないといけないかもしれない(限界集落・自治体をぶったぎる)。

極論すれば数年の経済の目先が重要でない。使える現金が決まっている以上、景気対策・福祉システム・財政問題を同時に議論できない。
いや経済対策を放置すれば税収も落ち込むこともある。

 

民主党にこういったグランドデザインを描くのは無理だとは思うけど(利権が多い上に、イデオロギが絡むからね)、せめてポーズだけは、と思う。
昨今の代表選のニュースを見てると誰と誰との権力闘争みたいな話ばかりで、この2年間何をやってきたのかと呆れ返るしかないが。

せめて、外交と防衛を抜きにした内政レベルでふわふわした合意みたいなのができるとよいのだが。 

 

*1為替と日経平均 http://lets-gold.net/market/chart2_usdjpy-nk225.php

*2原油価格 http://www.nikkei.com/money/features/37.aspx?g=DGXMZO7985717018112014PPE001

*3消費税先送りの影響(産経) http://www.sankei.com/life/news/141121/lif1411210008-n3.html

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