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ETC割引の不合理さ
高速千円割引がフェリー直撃 四国-本州で乗用車輸送半減(共同通信) - goo ニュース
私は定額給付金がそれほど景気に影響を与えないのではないかという批判には何も答えられないが、設備投資(道路建設など)を前倒しするのは特定業を保護することへの批判や賄賂を生む温床であった箱物行政よりはクリーンな政策だと思う。また定額給付金よりは減税をという論も税金を払っていない人が少なくないという点からも定額給付金には多少の意味がある。
政府はカネを遣うことが目的なので国の設備を充実した方が良いのはわかるが特定業への優遇は批判の対象になってもおかしくない。さらに、設備投資の前倒しであれば競争入札は行われるはずであり、特定業者への優遇ともことなる。特定業者へ優遇すれば競合他社にとっては不利益な政策であることは明白だ。
そう考えるとETC割引はデメリットはたくさんあるが、メリットは少ない。メリットは観光業へおカネが落ちることであろう、ただそれだけ。土日限定だけなので運送会社などの社会基盤を担う会社にはあまりメリットも無い。というかLink記事では影響が出ているみたい。しかし抜本的な流通費用削減には寄与しないであろう。多分あくまでも一般消費者が対象だと思う。
一方デメリットは多い。
(1)競合他社であるフェリー・鉄道会社・航空会社のような輸送インフラの会社にとっては打撃がでかいであろう。はっきり言って迷惑なはずだ。民営化されたとはいえ国から資産をリースしているNEXCOが優遇され民間会社にしわ寄せが行くのは理解できない。
(2)エコで無い。自家用車で移動することを推奨するのは温暖化ガス排出積極策以外の何物でもない、ガソリン消費を推奨する政策なのだ。だったらJRへの債務と引き換えに値下げを要請した方が余程スマートでは無いか。
(3)観光業への優遇政策だということ。特定産業へ優遇するというのはそれに漏れた産業が損をするということ。家計という総額が決まっていて(消費の促進という面が主だが)、観光業に家計がカネを使うという事は他産業への消費抑制につながる。定額給付金であれば消費の対象は国民の自由だ。
この政策はガソリンが高騰した時点での人気取り政策だと理解している。特定財源である揮発油税が切れて、さらに再課税して、その後原油価格の高騰を緩和する政策であったと思う。日本は京都議定書を遵守できておらず、ガソリン高騰は低燃費車への買い替えを促進する外部環境であったはずなのに出てきた答えがこれだ。
なのでETC割引は旧道路公団の懐を暖め(割引額は国からの助成=利用数が増えれば売上は上がる)、競合民間会社の収益を悪化させ、環境の悪化に努め、観光業という特定業への消費誘導であるわけだ。こんな愚策が許されて良いのかと思う。