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財政支出は麻薬

日本のインフラ整備は何時終わるのだろう。まぁ永遠に終わるわけは無いのだが。設備の更新は必要だし、メンテも必要だし。

それでも明治期にインフラの必要性を西洋諸国に指摘され、道路・鉄道を整備しまくった。軍備を重点としたインフラ整備は余剰をももたらし、鉄道は廃線を余儀なくされていることからも分かる。現在は鉄道輸送から自動車による輸送に移行しており、道路が必ずしも十分でないことは分かる。ところで充分な整備は必要なのか。国土の均衡的な発展は必要なのか。

多くの人は気付いているであろう。「必要な道路」というものはもう存在しない。「あればいい」ことは事実であろうが。地方の高速道路ががら空きなのが証明だ、不便であれば引越しすればいいのであって少数の人のために道路を作るのは合理的でない。財政支出が目的化しているのだ。政府は雇用振興策としての「道路」という存在を無視できなくなって未だ。。。インフラの整備の必要性とその優先度という本来の意味と既得権と雇用という副産物の主客が逆転していると理解するとすっきりする。

多分農業支出も同じことだ。貿易の概念は得意なものをお互いが造り交換することでWin-Winの関係になる。補助金支出とはその儲かる貿易をぶっ壊す概念であり、その産業従事者以外は全員損をする。

まぁそんなことはここで一々言わなくても誰でも知っているのだ。だけれども脱出できない。財政支出は麻薬なのだ、広く薄くばら撒けば効果的だ。民主主義というシステムでは理念として間違っていることが誰にでもわかるのだが、広く撒く事により既得権を持ったグループが団結し幅を利かせることによって、麻薬効果はじわじわと蝕む。現在はその劇薬なしでは生きていけない状況になってしまった。急に理念的な正義で改革すると職を失う者が多すぎるので身動きが出来なくなってしまったのだ。その兆候はもう多数あって、例えば法人税が先進国中一番高いとか、庶民を税金で食わすという末期的な政治方針とか。もちろん元気な企業もあるが法人税が高すぎて海外で稼いだ資金を持ち帰れない。江戸時代の高税率を五公五民、四公六民というが法人税はまさに四公六民なのだ。これでは税を納める気にならないというものであろう。しかも日本国家はそれでも赤字という放漫経営なのだ。その原因は麻薬と麻薬支持者に起因しているとしか思えない。

麻薬支持者を批判しているのではない。麻薬は麻薬であって、禁断の毒薬なのだ。麻薬に手を付けると逃れられないのだ。歴史では腐敗した政権は革命や他国からの侵攻でしか変われなかった。多分現在の国家間の関係では没落し無視されるのがおちであろう。今なら戻れるのか、もう手遅れなのか。

*江戸時代の五公五民は生産高に対する税率。一方法人税は利益に対する税率。なのでこの表記はちと間違ってるね。しかし、世界の法人税は25%程度からと低いし、日本に現金を持ち込む場合税率の差分だけ追加徴税される。さらに法人税率25%以下に本拠地を移す場合にはタックスヘイブンとみなされる。日本の法人税率が先進国最高ランクであることは変わらない。

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