9月15日放送分のサイエンスゼロ、感動的でした。
ハキリアリの存在は前から知ってました。よくぞほぼ同じ大きさに葉っぱを切って、それを頭に掲げるようにして列をなして運ぶ姿はそれだけで感動的なのですが、さらにはその葉っぱを使って巣の中でキノコを育てて、それで幼虫を育てているというのも感動的。そのために働きアリの仕事は30以上に分業され、通常のフェロモンを使ったコミュニケーションに加え、音を出すことによるコミュニケーションをとっているというのである。
その音は、声帯を使って出すのではなく、打楽器のギロ(スティックと、円筒形の洗濯板のようなもの)と原理は同じで、腰の上にあるざらざらな部分を、スティックに対応する硬い器官に、お腹を動かすことで摩擦を生じさせて音を出すとのことであった。
例えば、ここに、ちょうどいい葉があるからみんな来いみたいな時は「ココココココ」という軽快な音を出し、同じ葉っぱでも適さない葉の場合には「キョッ」というような高い音が混じったりする。こういうアリ言葉が10以上知られているという。
ちなみにアリに接着剤をつける等より、音を発することをできないようにしてしまうと、彼らはキノコを育てられなくなってしまう。無意味に歩き回ったり、無意味に穴を掘ったりして、アリの社会は崩壊してしまうという。
アリについては、以前「働かないアリに意義がある」という本を読んで感銘を受けたことがあるが、アリの社会というものは面白く、指揮命令系統がなくても(女王は指揮をしない)ちゃんと機能するようにできている社会なのだ。
全てのアリがこのようにおしゃべりができるわけではないが、生き物というものはこんなふうにコミュニケーションをとって社会を機能させることができるのだということを、コミュニケーション下手な私としてはいたく感心せざるを得ないわけである。