さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【DVD鑑賞録】宮廷女官キム尚宮(第26話~第37話)

2008-05-25 23:26:09 | ドラマ鑑賞
いよいよクァンヘ君が王として即位した。父ソンジョ王に疎まれ、びくびくしていた皇太子時代と異なり、毅然とした顔つきになったクァンヘ役の人(キム・ギュチョル)は、ちょっと眉毛の太い山下真司のようである。そして、ケトン(ケシ)ことキム尚宮の眉毛はさらに釣りあがり、悪女として牙をむき始めた。クァンヘの皇太子時代はまだけなげなところもあったキム尚宮だが、もう歯止めはなくなったかのようだ。だが第1巻から見たことにより、たとえとチャングムと同じ女優イ・ヨンエが演じているとはいえ、キム尚宮はチャングムとは違うキャラとして、私の頭の中で整理されている。それだけイ・ヨンエさんの演技がすごいということだ。

前にも書いたと思うが、このドラマは結構ネタばれ的である。ナレーターが先の出来事まで言ってしまうからである。おそらくはクァンヘ君の時代がどんな時代で、彼の結末がどうだったか、まるでほとんどの日本人が本能寺の変を知っているように、韓国の人には自明の話なのであろう。我々は中国の歴史は学校でも習うし、三国志演義などを通じて、誰でも多少はかじっている。だが隣国の韓国の歴史はどうだろう。李朝という時代は知っていても、ハングルが制定されたこと、立派な陶磁器の焼かれた時代であること、そして秀吉の文禄・慶長の役、1910の日韓併合等、韓国の人たちが、今なお日本に対する恨みを忘れない出来事があった時代であることぐらいしか知らない。断片的な出来事は知っていても、1392年から1910年という極めて長い時代、どんなドラマがあり、どんな人たちが活躍したのかということについて、ほとんど何も知らなかった。クァンヘ君の時代は、文禄・慶長の役の直後であり、朝鮮通信使による関係修復の時代でもあり、日本とも関係の深い時代だ。ドラマを通じてだが、知っておいて損はないだろう。

ということで、このドラマがいかにネタばれ的であろうとも、あまり個人のサイト上で話の結末が分かるような話を書くのは好ましくないので、断片的な感想だけ書いておこうと思う。

・内官
中国でいう宦官にあたるのが、朝鮮王朝で言うところの内官らしい。ケトンを守るために宮殿に入り込みたいウォンピョは、去勢をすることで自ら内官になることを志願し、首尾よく宮廷に入り込むことができた・・・という設定なのだが・・・その去勢手術の場面がなんともすごくて・・・。豚の去勢を経験したことのある豚肉の解体師に頼み込むのだが、鋭いナイフでやるのではなくて、割れた陶器の破片で手術しているのである。しかも手術前に陶器の破片に唾を吹きかけたりしてる。あれじゃ痛いし、ばい菌も入るだろうなぁ・・・。

・上訴文
このDVDを見て勉強になるのは、李朝の王は必ずしも強い決定力を持っていなかったということだ。王が望んでも重臣たちがこぞって反対すれば実現できないし、中でも上訴文と称する意見書が提出されると、目を通さなければならないし、ある特定の人物の弾劾や処罰を求める上訴文が相次ぐと、無視することはできなくなるのである。上訴文は官職についている者に限らず、元重臣や市井の儒者などが出しており、誰でも出せるというものではなかったようだが、それでも開かれた政治のために、李朝代々尊重されてきたもののようである。ただこの上訴文は、陰謀のためにかなり作為が入っていたようである。キム尚宮と組んでクァンヘ王をあやつるイ・イチョムは、自分の意図する上訴文を儒者等に出させるのが上手な人物だったようである。

・唐衣
十二単の一番上の丈の短い派手な着物を唐衣と呼ぶが、李朝の衣装でも唐衣と呼ばれる衣装が存在することを知った。チマチョゴリの上着部分で、尚宮がその下で手を隠して歩いている、あの緑色の上着である。タンウィ(唐衣)チョゴリと言うらしい。ちなみに尚宮は白い唐衣を着てはいけないのに、キム尚宮は白に金の縫い取りがしてある、唐衣を宮殿内で着て歩くことを、クァンヘ王に認めさせるのである。


ちなみに、日本の唐衣は着たことがない私だが、韓国の唐衣は着たことがあるのだ。じゃ~ん! この緑色の部分が唐衣。4年前の写真ですが、かなりキツそうですな。
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