さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】甲斐姫物語

2024-06-04 23:39:58 | 読書録

山名美和子/鳳書院

先日、行田の忍城に行ったので、このお城ゆかりの成田氏の城主の姫君・・城主不在の中、忍城を石田三成軍から守り切ったとされるヒロインの物語を読んでみた。

この人の話は諸説あり、非常に伝説的なところがあるものだから、実際、忍城に付属の初仏間でもこの人についての展示は見当たらなかった。なので、そこは割り切った上で楽しく読んだ。

忍城は守ったが、小田原城が破れたことで、結局、忍城からも出ざるを得なかった甲斐姫。その後、蒲生氏郷のもとに身を寄せ、氏郷に愛されながらも、ここで一気を収める等の功を立てたことから、秀吉に目をつけられて秀吉の側室になった。

一方、成田の家を存続させるために、甲斐姫の妹が、甲斐姫が結婚するはずだった男と結婚。そして生まれた姫は秀頼の側室となり、一男一女をもうけた。大阪城落城の折、妹の娘、さらに秀頼の2人の子供と一緒に逃げるが、妹の娘は落命。男子も見つけられて殺されてしまい、残る一人の女子は千姫による助命嘆願も会って、出家し、一代限りとすることを条件に命を長らえた。

その、秀頼の娘は千姫の養女となり、鎌倉の東慶寺に入って天秀尼と呼ばれた。縁切寺として女性を守る寺として有名な東慶寺。天秀尼はその東慶寺の中興の祖ともされる重要人物。私も若いころ東慶寺に行ったことがあるが、そこら辺の歴史を知らなかったから、なんとなく流して見てしまった。また足を運んでみたい。

甲斐姫の消息は秀吉の没後はよくわかっておらず、没年も不明であるが、本書では東慶寺に入った天秀尼によりそり、見守って、長い一生を終えたというストーリーになっている。

 


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