市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

真のチーム医療とは

2015-05-11 | 健康・医療
千葉ろうさい病院の会議室で行われた学習会に参加しました。



講師は、千葉大医学部付属病院で地域医療連携部の部長を務めてらっしゃる藤田伸輔先生。
講演の内容を一言で簡単に言うと、ビッグデータの解析をもとに今後の地域医療の方向性を探るというもの。
今日は2回目の集まりで、この日も院内のドクターやコメディカルに加え、市の保健福祉部職員も大勢参加されていました。

藤田先生のお話は、講演依頼が引く手あまたというだけあって、とても明快かつ興味深い内容ばかりでした。
専門的なお話も多かったのですが、わかりやすいところで、今日は不適切な処方を減らすというお話について。
一応薬剤師なので(笑)。

例えば・・・

便秘薬として高齢者にもよく処方されている酸化マグネシウム
代謝機能の衰えている高齢者がこれを服用すると、高マグネシウム血症に陥りやすい。
症状は、「なんとなくボーッとする」「元気がない」などと、認知症と間違えやすい!!
痛いわけではないので、だれも副作用と気付かないのが怖いところです。
これを平気で高齢者に処方しているのは、日本ぐらいなのだそうです。

それから、私も調剤で当たり前のように経験してきたのですが、20種類以上ものクスリを処方されている高齢者があまりにも多い。
でも、医薬品メーカーって、単独で飲む場合の副作用のデータは持っていても、何種類もの飲み合わせ(相互作用による効果や副作用)については、まったく検証していないというか、検証は不可能なんです。
リスクを避けるためには、処方は極力シンプルにした方がいいに決まっています。

これら不適切な処方を今後減らしていくためには、処方する医師側の努力も確かに必要ですが、チェックする薬剤師側の努力と互いの対等な関係作りが必要だと思います。
もっと言えば、適切な医療を提供するためには、薬剤師だけではなく、看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど、多職種によるチーム医療の構築が求められます。
チーム医療といっても、これまでの概念では、あくまでも医師を頂点としてその下にコメディカルが形成されるというものでしたが、真のチーム医療は、もっとフラットな関係の上に成り立つものです。
病院でこれがうまく機能すれば、本当に患者側に寄り添ったいい医療を提供できると思います。

「でもね、小沢さん」

と学習会終了後、院長先生が私にそっと打ち明けて下さいました。

「これがなかなか難しいんですよ。『対等な関係なんてトンデモナイ!』と考えている医師が、意外に多くてねえ・・・」

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