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Japanese Curry Awards 2022に今年も参加しました

こんばんは。

今年もJapanese Curry Awards(以下JCA)の季節がやってまいりました。
2014年からで早いもので9度目になります。
※Japanese Curry Awardsとは何ぞや?という方はコチラをご覧ください。
 ※過去のアワードについてはJCA公式サイト
を参照ください。

今年のノミネート選出は以下の11名で行いました。

しまじろさん(カレー401
ropefish(カレー細胞)さん(カレー細胞
三嶋達也さん(『口癖はカレー』 主宰)
さと2さん(instagramのアカウント
鈴木さん
さいちゃん
私(USHIZO)
※順不同

今年もそれほど食べ歩きはできなかったので、10店舗には足りませんでしたが選出させてもらいました。
僭越ながら紹介させてもらいます。

皆さんお店の選出理由は様々ですが、JCAでも「カレーの定義とは何ぞや」という話は度々上がります。
この難問について、今年地球の歩き方から刊行された「世界のカレー図鑑」では以下のように記載されています。

「いわゆる日本におけるカレーのイメージとは異なっていても、さまざまな国の多種のスパイスを使用したおかずについても広儀のカレー(スパイス料理)と認め、紹介している」(世界のカレー図鑑・10ページより引用)

毎年日本におけるカレー、という枠にとらわれていた気がしますので、今年のお店選びについては上記にならってもう少し柔軟に考えてみたいと思いました。

今年は「ひと皿のカレー的な食事」を中心に選んでみました。
カレーが日本で流行したきっかけが「食器がお皿とスプーンだけで、主食も具も揃っていて完結していた」ことが考えられます。

今まであまりフォーカスしてきませんでしたが「各国のごはんとおかずのスパイスを使ったワンプレート」で選んでみます。
日本のスパイスカレーはもちろん、過去にもミールスやダルバートなどを提供しているお店がノミネート選出や受賞もしていますので、その流れでもあります。

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【メインアワード】USHIZO選出9店

インドネシアレストラン チャベ(目黒)

2002年オープンし、移転しながら今年で20年目のインドネシア料理店。
ハラール対応でイスラム教徒のコックが調理し、祈祷室も備えています。
以前ワンプレートのナシチャンプルーをいただきましたが、いろいろな料理を味わえてお得でした。
インドネシア料理普及への貢献度を評価して選出します。

ネパール料理サンサール(小岩・本八幡・東新宿)

1999年に小岩でオープンのネパール料理店。
ここ数年でインド・ネパール料理店が増えて、ダルバートもそれほど珍しくなくなりましたが、もっと昔からダルバートを提供しています。
今年久しぶりに訪問しましたが、骨付きぶつ切りのチキンカレーや、大根の漬物(ムラコ・アチャール)には、柑橘系の風味のする豆の一種を使っていたり、非常に手がこんでいることを再認識しました。
ナンも出すネパール料理店は珍しくなく、サンサールもその例に漏れませんが、南インド料理のラッサムなども提供しているのはここくらいでしょう。
堅実に3店舗を経営して、地域に愛されるお店として続けているのも評価したく思います。

セイロン・イン(中目黒)

1991年オープンのスリランカ料理店。
もうずいぶん前に伺ってご無沙汰していましたが、2年ほど前からホームスタイルプレートという形式でごはんとおかずで提供しています。
ひと昔まえのスリランカ料理の代表的なお店、コートロッジが衰退した中で、30年以上お店を続けてくれていることに感謝して推薦します。

亜州食堂チョウク(大阪・福島)

2008年5月オープン。
「パスポートのいらないアジア旅行」をコンセプトに曜日替わりで各国のワンプレートを提供。
南インドのミールス、マレーシアのカシカンダー、シンガポールのチキンライス、ナシブリヤニやタイのごはんプレートなど多種にわたります。
スパイスカレーや今のような彩り豊かなワンプレートが流行るよりも前から、変わらずに続けているのを評価し、推薦します。
※賞の類は受賞してくれないお店らしいですが、カレー好きの偏愛アワードなら受け取っていただけるのではないかと思っています。

薬味堂(動物園前)

2014年6月オープン。
大阪の新世界周辺にあるディープな労働者と西成ジャズの街、西成地区の一角にたくさんの言語で言葉が書かれた外観のよく分からないお店があります。
それが日本一ディープなカレー専門店と謳う、薬味堂です。

どてカレーとベジカレーのあいがけをいただきましたが、どちらも非常に手が混んでいて、双方を交互に、また混ぜていただくことでそれぞれの良さが分かりました。

JCAの初年度にカレーやうえのが、シンプルながら日本のカレーを極めたとしてメインアワードを受賞しました。
JCA立ち上げの理念として2020年のオリンピックイヤーに訪日外国人向けのカレーガイドを、というものがありました。

現在流行しているカレー店は、訪日外国人にはメニューや注文方法、食べかたなどのハードルが高くはないだろうかと思いました。
そのような点から、シンプルながら大阪の文化を踏襲している薬味堂のカレーを推薦したく思います。

カレーハウスすぷーん(西国分寺)

1966年オープン。
プレーンの欧風カレーに揚げ物などをトッピングする古き良きカウンターのカレー店です。
もうすぐ60周年になりますが、2代目がお店を引き継いで味を守ってくれています。
美しい盛り付けのカレーは、現代でも全然通用するビジュアルです。

モンスナック(西新宿)

1964年オープン。
紀伊国屋ビルの改修工事に伴い閉店したお店が今年1月に野村ビル地下で復活しました。
サラサラのカレーは健在で、大人な雰囲気の店内で変わらないカレーをいただくことができます。
もうすぐ60周年ですがこれからも変わらずにいただきたいと思います。

インド風カリーライス すぱいす(荻窪)

2002年オープン。
今年で20周年になりますが、ホロホロの手羽元とサラサラでシャープな辛さのカレーが20年前からあったことも、店主の佐藤さんが脱サラして独学でスパイスの配合から作り上げたことにも大変驚きました。
今はなき蔦カレー(インド風カリーライス)のカレーを会社員時代に佐藤さんが好きだったことから、DNAが受け継がれているのも昔からカレーを食べ歩いている身としては嬉しいポイントです。

よもだそば(日本橋、銀座、新宿ほか)

自家製麺とインドカレーをウリにしている立ち食い蕎麦屋。
過去に富士そばがアワードの俎上に上がりましたが、お蕎麦やさんのカレーではなく、スパイスの効いたインドカレーを出す、よもだそばのカレーはインパクト絶大でした。
しかも自慢のかけつゆをベースにしているので、インド料理店でもなく、他の蕎麦屋でも出せない、ここだけのカレーを提供しています。
「カレー好きにこそ食べてほしい」とノボリを出しているのは伊達じゃありません。
そば屋のカレーの定義を覆し、おそばもカレーもどちらもおいしいお店として、非常にお薦めしたいので選出しました。

【新人賞】USHIZO選出
ゼロツー ナシカンダールトーキョー(大手町)

2022年2月オープン。
マレーシアのカレーやおかずをバットから選んで盛り付けてもらう、日本初のナシカンダー専門店。
メインアワードを受賞しているゼロワンカレーの2号店です。
1号店が南インドの定食のミールスなのに対して、2号店はマレーシアの庶民の屋台メシというのも興味深いです。

今年何度か伺いましたが、民族衣装をまとって嬉しそうに召し上がっているマレーシアの方を多数お見かけしました。
マレーシアでは当たり前に見かけるお店ですが、日本ではニッチです。
それを分かりやすくメニュー紹介しているのも素晴らしいです。

スパイスカレーの台頭で、カレーとおかずのあいがけが当たり前になっている現在の日本ですが、メニューは文字だけの紹介が多いです。
このお店のように、ナシカンダー形式でさらに店頭に並んだところからオーダーするお店が出てきたら、またひとつ日本のカレーシーンが面白く進化するかなと思います。
新しい挑戦を評価し、今後のカレーシーンに影響してくれることを期待しつつ推薦します。

【名誉賞】USHIZO選出
日比谷松本楼(東京・日比谷)

明治36年(1903年!)オープン。
10円カレーが有名すぎますが、そのチャリティイベントは昭和48年(1973年)からで、来年で50年目になります。
来年120周年という、世代や世紀を超えての歴史あるお店には、名誉賞をぜひとも贈りたく思いました。
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以上です。

ぜひ審査員の皆さまのブログで紹介されるお店もご覧になってください。
全然かぶってなかったりで、楽しめると思います。

そして2022年度のアワード発表は、年末年始を予定しています。
今しばらくお待ちください。
それでは、失礼します。
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