艶やかなる欲求
・５成実「ねえ、先生
」透明「は、はい
」成実「私、先生が良いんだけど～
」透明「は、はい～っ
」成実「だって、せんせい可愛いんだもん
先生だったら、お小遣いくれなくても
いいよ～
」透明「な、成実さん
は、話がおかしくなってますけど
」成実「あれ～っ
さっき、私のこと魅力的って言ったじゃな～い
あっ
それとも先生、女の人ダメなの」透明「違います～
私は女性が好きです～って
なに言わせるんですか～～～
」成実「だったら良いじゃな～い
」透明「成実さん
からかうのもいい加減にしてください
しまいに怒りますよ」成実「も～う
本当に先生はガードが堅いんだから～こっちは本気なのに～
でも、そこが良いのよね～
」透明「も～う～
勘弁してくださいよ～本題に入りますからね
」成実「は～い
」ダメだ、完全にペースが乱させてる
はぁ～
こっから仕切り直ししなくちゃ透明「・・・成実さん
確かに旦那様のこと、成実さんが言うように
私なりに考えていたつもりです
でも、本当に旦那様の浮気に対しては
気に病んだりしていないんですか
」成実「うん
本当に気にしてないわよ」透明「う～ん
・・・でも、旦那様は大切なんですよね
」成実「うん
そうよだって、私に優しいし色々なところに
連れていってくれるし、私を綺麗に
してくれるし、お小遣いもちゃんと
くれて、好きなことして良いって
言ってくれるんだよ
」透明「・・・・・。」
なんだろう
この違和感は・・・。さっきから話を聞いていると、彼女が
旦那様のお気に入りの人形のように
聞こえてくる・・・。
確かに人は、色々な価値観をもっている
それでも、普通はそこに大切な核となる
強い芯があるはずなのに・・・。
何だか、私の価値観では計れないものに
触れているような違和感がある
私の勉強不足なのか
それとも・・・。透明「成実さん
さっき浮気したいって言ってたけど、それってお小遣いのため
」成実「う～ん、多分ね
私の体って、結構お金かかるのよ
主人に言われて整形したりしたでしょ
それって、その後のメンテナンスとか
しなくちゃいけないし、ただ身体を
変えただけじゃ保てない部分もあるから
エステとかにもいかなくちゃいけないし、
常に綺麗にしてなくちゃいけないしね
私、一応社長夫人だから、色々なところに
行ったとき、綺麗じゃないといけないのよ～
」透明「・・・それって、旦那様のためですか
旦那様に言われてそうしてるんですか
」成実「うん
でも、他の社長の奥様も同じように、整形したり着るものに
こだわったり、エステに行ったり
色々やってきてるのよ
」透明「だったら、それって旦那様のためですよね
その分のお金は出してもらえないんですか
」成実「う～ん・・・多分、お小遣いの中で
やりなさいってことだと思うから、
特には言ってないわね～
」透明「・・・・・。」
何だろう、自分がおかしいのか
なにかが噛み合わない・・・。
もう少し、深く入ってみるか
続く・・・。
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