しょう爺あーっと宮古

宮古島ではじめたサードライフ。気が向くまま不定期に面白いことあったら伝えます。

まだまだあるぜ長墓の宝

2011-07-09 12:03:06 | 宮古史

長墓遺跡調査も昨日が最終日。

今回はあまり大きな成果が得られなかったねと、ハドソン先生とスタッフがやや肩を落として最後のマップづくりを進めていると.........

14時30分頃、穴に入ったハドソン先生やおら壁を探り始め、何やら見つけた様子。

16時が現地を離れる時刻で、それまでに撤収作業を終えなければと気持ちがそっちへ向かって行きかけたその時...

話は少し飛んで6日の夜。地元のパントゥーン会館でハドソン先生が住民を集めて、考古学のことや遺跡調査の内容やこれまでの成果を発表する会が催されました。

宮古島には空白の時代がいくつかあるのですが、最も古い遺骨(ピンザアブ人)が約2万年前のもの、それから先史時代後期(貝斧が発見された2,500〜800年前)までは空白と言われてきたそうです。先史時代前期(4,300〜3,300年前)の土器は西表島で見つかっていますが、宮古島ではこの時代の遺物は見つかっていませんでした。

この発掘で昨年見つかった「チョウセンサザエ」のフタが放射性炭素の測定で4,200年前のものだとわかりました。そのことが何を物語るかと言えば、先史時代前期にも宮古島に人が生活していた可能性があるということです。また、昨年は人骨の一部も発見され、今年の調査の期待はそこに絞られていたわけです。

この会でも、ハドソン先生はきっと、今年は人骨がもっと沢山見つかって地域の人にも理解を深めてもらおうとしていたのかもしれませんが、残念ながら下がりっぱなしのテンションで終えたのでした。

そんな空気が蔓延している中、

でましたぁーーーーーーーー

歯の付いた人間の上顎の骨です。一緒に他の歯も見つかりました。

もちろん、これがどの時代のものなのかはこれからの調査を待つしかないのですが、最後の最後に、それもこれから穴を埋め戻して帰ろうというときになって見つかるものですか?

そんな興奮もそこそこに最も過酷な作業、埋め戻しを無事に終え、今年の調査は終了したのでした。

いつもクールで日本語がお上手で漢字もかけちゃうハドソン先生。

いつも少女のように目を輝かせている先任遺女青山先生。

ケンブリッジ大と紹介したけどほんとはハーバード大在籍で、マイペースでお茶目なマウリシオ君。

琉球豚はどこからきたかを調べたいけど就活もしなければならない高橋君。

これから凄ーい遺女になりそうな予感満載の未来ちゃん。冷たいシャワーばかりで大変でしたね。

この顎の骨と歯を持ち帰って調査する竹中先生、その他作業に参加した瀧川さんや松尾さんお疲れ様でした。

一行は、来年からの調査に夢をつなげて本日、島を後にします。

来年お会いしましょう!爺は待ってますよーーー


長墓の休日

2011-07-06 11:27:58 | 宮古史

昨日は、長墓遺跡調査隊初めての休日。

半日、島の東部を中心にご案内しました。

特にうけたのは、「石灰華段」と呼ばれる地下水と石灰岩と太陽が作りだした自然の造形美。

細い農道脇に車を止め歩くこと数分、崖に行きつきます。ロープを伝って60度くらいの断崖を下ると、断崖の下から地下水が染み出し海に流れ込んでいる場所に降り立ちます。

温泉水の温度が下がると「温泉の華」といわれる沈殿物ができます。宮古島では、地下水が太陽の熱で温められると水分が蒸発して沈殿物が「石灰の華」となり、段丘斜面上に付着すると、下から上に向かって棚田状の地形が作られます。これが「石灰華壇丘」なのですね。  前にも書いたような気がするけど。

        

離れようとしない皆様をなんとか引き離して

締めは、島一おいしい「マンゴーソフト」を食べに。

       

今年のマンゴー(だと思う)の切れ端がたっぷり入った超おいしいソフトクリームと評価されました。

明日からはまた発掘作業。今回はあまり大物もなくマッタリとした雰囲気で、休日までセットされるとは皆びっくりでしたが、残すところあと3日。

皆様、リフレッシュしたところでワイドーワイドー。


長墓にて

2011-07-04 12:01:34 | 宮古史

長墓遺跡調査も深さ2m以上まで掘り進み、堅い岩盤にぶち当たってそろそろ先が見え始めた雰囲気を感じ始めています。

         

私は見ていませんが、一昨日はジュゴンの骨とみられる骨の一部が発見されたそうですが、私が篩にかけた土からはタカラガイとみられる貝の一部が確認されました。

         

そばの風葬の遺骨調査も同時に進められていますが、昨日はこんな説明を受けました。

         

大人の大腿骨ですが、左側が健康体の骨。右側は上部の股関節を半分欠いていることから、骨折した骨らしい。骨折後足を使わなくなってしまったため、断面が三角形になり細くなってしまったとのことです。

それぞれに専門があり、眼を輝かせて遺物から過去を探る姿には、すがすがしさまで感じます。森の精のなせる技かもしれませんがね。

海ばかりではなく、森にも和まされる宮古島です。


今年も始まる発掘調査

2011-07-01 17:43:26 | 宮古史

去年もこの時期に始まった長墓遺跡の発掘調査。

西九州大学のハドソン教授を代表とする調査隊がやってきました。

初日の昨日は、昨年掘削して土嚢を埋め込んだ穴を復活させて、大きな石をたたき割る作業でした。

       

スペシャルゲストは、熊本大学4回生の未来ちゃん。元気いっぱいの遺女(死んだ女子ではありません。遺跡好きの女子の意で今作りました)です。キューバ生まれのハーバード大学生も来ています。

       

調査は8日まで。今年は何が出るのでしょうか。