しょう爺あーっと宮古

宮古島ではじめたサードライフ。気が向くまま不定期に面白いことあったら伝えます。

片足ピンザとガングルユマタ

2011-02-28 17:39:01 | 怪談ばなす

 

宮古島の子供たちが恐れている「片足ピンザ」の伝説についてお話します。

「ピンザ」とはヤギのこと。島ではたいていの農家はヤギを飼っていました。

このヤギはハレの時に刺身、ヤギ汁、ヤギ肉野菜炒め等に変身して食卓にのぼることになるのですが、普段は家の脇の小屋に押し込められて草を食んでいます。

  

自分の運命を知ってか知らずか、生まれたての子ヤギにも厭世感が。牛ほどの覚悟はないみたい。

ちょっと昔の事(昭和40年代とも云われております)、島のヤギの中に人を見るとジャンプするのが好きな大変元気なヤギ(がんずうピンザ)がおりました。ある時、着地に失敗し、捻挫して片足(3本足)でしか歩けなくなり、「片足ピンザ」といわれるようになりました。

それ以来、夜になるとこのヤギがどこからともなく現れて人の頭上を飛び越え、飛び越えられた子供は魂を抜かれるという言い伝えがあり、子供たちは決してこの交差点を通らなったそうです。一緒に働いている40代がそう言ってました。

そのヤギが頻繁に現れるのがこの「ガングルユマタ」とよばれる恐怖の四つ角。

 

「ユマタ」は四辻のことですが、前半の「ガングル」には調べた中では二つの説があり、

「ガングリ・ガングリ」という音を出してどこからともなく現れるという説と

歩く姿が「ガングリ・ガングリ」だという説とがあります。

また、「片足ピンザ」とは関係なく、「ガン」は死者を運ぶ道具で棺のようなものでそれを納めていたガン小屋があったという場所という説もあります。

いずれにしても、子供の夜遊びを戒める寓話であるというのがもっともらしい起源です。

蛇足ですが、ここのユマタには通りをはさんで理容店が2軒向かい合わせで立地しており、左の理容店は三線教室もやっているみたいです。

なかなか闘う意欲満々の四辻であります。あなたも片足ピンザに会いたいですか?

       


前ふりの階段

2011-02-25 17:10:39 | 怪談ばなす

 

今年初めて半袖でご出勤。ポカポカ陽気であります

さて、今年は宮古に伝わる伝説、史跡の類を本格的に、遍く知らしめようと決心したようなしなかったような。

決心したことにしてとりあえず、その辺の怪談ばなすから始めましょう。

宮古島にもいわゆる飲み屋街はあります。ショットバーからミニクラブまで。

中にはオカマ居酒屋まであって、妖怪・魑魅魍魎が跋扈しております。あれだけ魔除けをしているのにです。

って怪談ばなすはそんなことではないのです。

そのオカマ居酒屋への道すがら(本当に20m先に店があります)自動車が良く落ちる階段があります。っていう階段ばなすです。

         

結構きつい普通の階段に見えますが、もともとはここは坂になっていたそうです。

余りにもきつい勾配なので、敢えて階段にして自動車の通行を止めたつもりが世の中そう簡単にはうまくいかない。

         

こんなところに階段があるとは思わないドライバー(もちろんナイチャー)が右折して急に道が無くなり頭から滑り落ちるそうな。

右折禁止とかバリカー(Uをさかさまにした車止め)やらで事前に教えてあげればよいものをずっとほったらかし。

最近になってようやくセーフティコーンをアスファルトに鋲止めして対応。その新しさが目立ちます。

下から見上げると手すりの横に昔の坂の跡が。

         

 車が夜な夜な頭から落ちたという飲み屋街の奈落の底への階段道路。怪談ばなすの幕開けにふさわしいこわーーいお話でした。


違う国の集まり?

2011-02-23 17:17:25 | 旅先

昨日は、旧暦1月20日。

何の日かというと、島の東部南寄りの比嘉集落の「旧暦二十日正月祭」(パツカショウガツ)の日。

小さい島だけど集落ごとに伝統行事があり、他の集落の行事に顔を出していると体を壊すので、自分の地域以外のことは知らないふりをしているんだね、島の人は。

こんな行事に反応するのは、報道機関と爺ぐらいだねぇ。正月の行事で少なくとも4つ目ですよ。

せっかくだからそのいわれを紹介しておこうね。

1908年のこと、字有地(地縁団体の共有地)の財産処分をめぐって士族と平民との間で訴訟にまでなったのですが、まあまあと1913年のこの日に和解し、その記念日を正月に絡めてお祭りの日と決めたそうな。

この日は、2頭の獅子とマーニと呼ばれるクロツグの葉を頭に巻いた住民とが中心となってサンシン、法螺貝、太鼓、鉦の演奏に合わせた獅子舞を奉納した後、新改築の家や農機具の厄払いをして回るという趣向ですね。

            

島には有名になったお祭りがいくつかありますけれど、地域の小さなお祭りも伝統を守って続けられているのですねえ。

でも住民は他の地域の行事に本当に関心が薄いのです。自分の地域で手いっぱいなのですよ。

 


何故?

2011-02-21 16:10:20 | しらべもの

 

2月17日のことです。日本女子プロゴルフ協会の第6代会長に小林浩美氏が就任しました。14年務めた樋口久子会長が定年で降板したという事ですが、この記事には何の思い入れもありません。

市内の幹線道路沿いにある居酒屋の扉か壁かに描かれた肖像画的看板的決してうまいとはいえない1枚の絵?

             

居酒屋の名は「とも屋」。フリーペーパーガイドブックによるとJALのパイロットの常連さんも多いというこのお店。

この1枚の絵が脚光を浴びるまで決して入る気にならなかった店ではありますが、これからもだめでしょう。

そしてこの絵は

             

どう見ても小林浩美氏。何故に。

彼女は1989年にプロテストに合格し、89年に国内6勝をあげた翌年からアメリカツアーに参戦。

この店の造作は、私が宮古に始めてきた2000年には確認していますからデビューに近い年に描かれたものと思われます。

たった一つの情報、JALつながりからこの柔軟な頭で想像するに、アメリカ参戦のスポンサーにJALが参加し、パイロットたちが噂するのを聞きつけたちょっと絵心のある地元人が「応援してますよ」と描いたものではないかと。

勝手に想像して楽しませてもらいました。

この事実を確認できる日は来るのでしょうか。


3回目の正月

2011-02-18 14:27:51 | 旅先

 

今日2月18日は、旧暦1月16日満月の日。

そして、後生(グソー)の正月といわれる「旧十六日祭(ジュウクル二ツ)」。お正月は新暦1月1日・旧暦1月1日に次いでつごう3回目。

墓のない我々ナイチャーはふるさとの方角へ向かって先祖の供養。

この日は、小中学校も職場も半日で終わり。親族が墓前に集い先祖の供養をする日。今年は金曜日にもあたり、那覇-宮古便は昨日から日曜日まで満席。

昨年は上司の墓にお邪魔して、ごちそうをいただきオトーリを回してきましたが、さすがに部外者が参加するのは気が咎め今年は会社で留守番。

          

住んでいる集落の墓地では、雨がぱらつく中、続々と人が集まりだし、掃除や準備に余念がありません。

          

準備の良いお宅は早々と墓前で供養の開始。家族や親族の絆が深まる時でもあります。

3月9月のお彼岸よりもこの日のほうが盛り上がる宮古島の墓参りなのでした。

酔っ払い運転に巻き込まれないよう帰らねば。