先生の講評……情景描写の細部が生きている。
母子を登場させて、ロシア映画「戦艦ポチョムキン」を思わす焦点ができた。
連作シリーズをうかがわせるうまい結語。
つつじのつぶやき…‥3月、忘れてはいけない日が来ます。
あの日、駅ビルの9階、エッセイ教室の講座が終わりかけた時の事でした。
地震 課題 【テレビ番組・タレント】 2011・3・25
凄い揺れだ、地震、一瞬冗談でしょうと思った、こんなに揺れる地震に遇った事がない。
教室の友達と顔を見合す。
椅子から立ち上がったが、再度の揺れに机にしがみつく。
もう終わるかと思ったが、大きな揺れが際限なく続く。
隣の列の友達が、机の下に身を屈めている。
見渡すと何人かがそうしている。
初めて、「地震の時は机の下に」と言うことを思い出した。
誰かが入り口のドアーを開けたが、直ぐに閉まってしまう。
此方の席から、「椅子を挟んで」と言おうとしたが言葉が出ない。
そうだ、逃げる時のことを考えなくてはいけない、上着に袖を通した。
事務所の女性が直ぐに来た。
「宮城県の方で大きな地震が起きました、こちらは震源地ではないので、慎重に」と言ったことで我に返る。
普段からこういう時の訓練をしているのだろうが、落ち着いた説明と対応に、慌てふためいた自分が恥ずかしい。
先生が「お家の方たちもご心配でしょう、今日はこれまでに」と言ったことで、解散になる。
8階に降りると、本屋の床に、沢山の本が散らばっている。
床にうずくまっている人もいる、大変な事が起きたのだ。
兎に角、外に出たい。
階段の踊り場に、赤ちゃんを抱いたお母さんが、バギーを持っている。
「持ってあげるから貸して」と受け取った。
一緒に降り始めたが、荷物も下がった大きなバギーは重い。
自分の鞄を抱えながら後を追うが、足がもつれて弱音を吐きそうになる。
早足で降りる母親の肩で、赤ちゃんの首が揺れる。
見失いそうになる。
出口が見えた。
追いついて、顔を見合わせた、若いお母さんだった。
「建物の中に居たほうがいいでしょうか」と言う。
「もうここまできたら表に出ちゃいましょう」
食堂等で火が出れば、煙に巻かれたりすることもあるかもしれない。
何気ない日常に、こんな大きな地震に遇うとは思いもしなかった。
この後、被災地ではとんでもない事が起こっていた。
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