高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

天竺舎だより 11月12日記

2017-11-28 09:00:00 | 生産者からのメッセージ

 津野町 天竺舎の雨宮智子です。

寒くて、あたたかくて、秋晴れで、雨がふり……
どうしてよいのかわからない秋ですが、
ちゃんと実り、枯れつつあります。

そんな一日、八丁みその工場見学をしました。
みなさんは、八丁味噌好きですか?
いや、その前に知ってますか?
八丁味噌と赤だしと豆味噌の区別、知ってますか?

私は両親が東の人間なので、多分、信州味噌で育ちました。
小学校から東海地方にきて、給食の“煮こみうどん”というのがいやでいやで仕様がなかった。
これが勿論、赤だしの“味噌煮こみうどん”だったのです。
今では「八丁味噌」を使って、時折、大切に みそ汁を作っています。
年月が味の好みを変えたのか、旨さがわかったのか……。

さて、豆味噌というのは、蒸した豆にこうじをつけて仕込んだもの、その中で、愛知県
岡崎市の八帖町(岡崎城から八丁のところにある)にある店(今2軒)が作ったものが八丁味噌。
この八丁味噌と米味噌をブレンド(合わせた)ものが赤だしだそうです。
納得しました。
おいしい赤だし(この場合 みそ汁のこと)は、ホントにおいしいです。

さて、我が故郷(育った方)は、みそ・しょうゆ作りが盛んだったようで、
ある地域を通ると、あの独特の香りがしたものです。
小学生の頃(つまり、あまりモノを知らない頃)友達の家に行くと
「たまり、いる?」みたいな「たまり」ということばがよく出てきて???でした。
しょうゆでした。たまりしょうゆ≠しょうゆでした。
なんか、しょうゆよりトロリとしていました。
味はしょうゆ、でも、ちょっと濃いかな…というところ。
味噌を作る過程で出てくるあの液体分が「たまりしょうゆ」だったのですね。
ということは、仲々貴重なものなのでは と今では思います。
でも故郷の人は“しょうゆ”と言わずに“たまり”とう言葉を使っていたのかも
しれない と、今では思ってます。(?でも、たしかにトロ~リとしてたなァ~) 

またまた、さて、です。
14年に仕込んだ味噌を開けました。
こんなに長く置いたのは初めてで、オソルオソルあけました。
!!
良くできていました。
そして“たまり”がたっぷり。
いつもなら、味噌にまぜこんでしまうのですが、今回はビンに取りました。
“しょうゆ”として使っています。
旨いです。
満足しました。
故郷の味が嬉しいと感じるのは、それなりの年を重ねたせいなのでしょうか?

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2017年12月号より転載しました。
コメント
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