「おもしろい~ ほんとにヘビみたいね。」まるで初めて見たもののように楽しんでいるのです。それは
アイビーの中からにゅっと伸びたカラスビシャクでした。
「そのカラスビシャクねえ、何かの鉢植えについて来たんだけど、おもしろいからそのままにしてるんよ。」
子どもの頃山道でこれを見つけると、ヘビが鎌首をもたげて舌をちょろちょろしているみたいだなあ、と思いました。ちょっと不気味、だけど好きです。
「ほんとにおもしろい。ここなんか、クレマチスかと思ったらヤマイモが絡みついているし・・・・」
あはっ ばれたか。
前にも書きましたが、大事な新入りのクレマチスは枯れて、ヤマイモが大きな顔をしてのさばっています。
うちの庭は、今頃になって気づいたのですがシャドーガーデン。北東の向きにあるので、朝日がちょっと当たるだけ。あとは日の射さない場所なのです。じめじめして、比較的涼しい場所なので自然と山野草を植える場所になっています。
「自然の物が入り込んだ、整いすぎてないお庭っていいよねえ。」と義妹は言ってくれますが、 現実は、その辺の空き地かあぜ道をそのまま持ち込んだような、草だらけの空間です。
草だらけの中にもわたし的には貴重な草もありまして、
ハンゲショウ。
ちょうど今頃葉っぱが白くなって花が咲くはずなのですが、年々数が減ってきて今年はたった一株。山野草といえども日当たりが悪すぎるんだろうか。
ホタルブクロ。ごくごく普通の白花です。
あまりの貧相さに、ちょっとだけ朝日が差し込む場所に移したのですが、大きくなってくれるかしら。
山の中の休憩所の歩道に生えていたミズヒキソウ。
それからうちにはいくつか水辺の植物があります(池もないのに)。
これ、なんだかわかりますか?
左端のワイヤープランツの残骸には目をつぶってください。
答えは、「イ」
はい、畳表にするイ草です。今花が咲いています。
これをどこから手に入れたのか・・・はっきり覚えてないなあ。覚えているのは、
子どもの頃家の横を流れる小川(水路)にこのイ草がひとかたまり生えていました。その小川は幅5,60センチほどの小さな川でしたが、ドジョウやドンコ、タニシ、シジミ、ホタル・・・たくさんの生き物をはぐくむすてきな川で、子どもたちの遊び場でもありました。うちの田んぼの取水口に生えていたのですが、葉っぱのないまっすぐな茎だけの植物は、子ども心にも珍しかったです。イ草だと教えてくれたのは祖母でした。
その水路がコンクリートで覆われる前にわたしが一株抜いて帰ったんだと・・・・多分・・・・思います。
で、それをバケツのような物に泥を入れて植えていたのです。ただただ、子どもの頃の思い出につながる植物だと言うだけの理由で。
いつの間にかワイヤープランツがバケツを覆い、その上からつんつんと頭を出すだけになっていましたが、今年は蔓退治ではびこっているワイヤープランツも整理しましたので、何とか姿を見せることができたというわけです。
もうあまり自然の状態ではなかなか見られなくなった植物はついつい手元に置いておきたくなるのです。とうとう見られなくなって、残念な植物もありますから。
たとえば
わたしが毎年つくしを採りに行く畑ーここは昔ながらの植物の宝庫だったのですが、この間そばを通ったら
ショック
水田になってしまっていました。
ああ~ ゲンノショウコが~ わたしが知る限り、ゲンノショウコがあるのはここだけでした。それだけではありません、子どもの頃お手玉に入れたりネックレスにしたりして遊んだジュズダマもここにはたくさんあったのですが・・・
こんなふうにきれいに整備されていく場所を見るたび、わたしは我が家に草を植えたくなるのです。