ひさびさに桜三里を超えました。峠にさしかかったところで、屋根よりも背の高い椿が何本かあるのに気づきました。今まで何百回も通っているのに気に留めたことなかったなあ。
このあたりには昔からのさくらの並木が残っていて、反対側には大きな紫木蓮の木があって、木全体が花で覆われるので、どうしてもそれらの木に注目してしまってたんですね。
ツバキってこんなにも大きくなるのか。そうだね、足摺岬のも伊豆大島のも大きかったもの。うちの方で庭木として植えられているのが小さいだけだったんだ、と初めて気づいたのでした。
ツバキの種類には疎いわたしです。
もう少し早いと落ちたツバキもきれいだったんだけど。
花がそのまま落ちるので嫌う人もいるけど、どちらかと言えば好きな人のほうが多いのではないかな? ツバキを生け垣にしている家もあるくらいですから。
ところで、夏とある病院でこんな実を見つけました。
ヒメリンゴ? だけど葉っぱはツバキです。
大きくてつやつやしていて、わざわざそばに行って確かめました。ツバキの実でした。だけど、わたしはこんなに立派な実を見たことがなかったので、いったいどんな花が咲くのだろう、冬になったら忘れずに花を見なくちゃ、と思いました。
先日通院日にそれを思い出して見てみましたら
なんのことはない、ツバキの中ではごく普通の、多分ヤブツバキでした。もっと豪華な花が咲くかと思っていたのに。
なんのことはない、ツバキの中ではごく普通の、多分ヤブツバキでした。もっと豪華な花が咲くかと思っていたのに。
そういえば、どのツバキにもこんなに立派な実がつくんだろうかと気をつけて見ていた時期がありました。そして同じような実を見つけたのですが、あのツバキはどんな花が咲いているのだろう。
ちょっと見に行こう。
やっぱりヤブツバキのような花が咲いていました。それと、隣に、同じくらいの大きさでピンクのが。
花によって実もちがうのかなあ? 確かめてもいませんが。
我が家のツバキ。傷のない真っ白な花を探すのはなかなかむずかしいのですがー
昔子どもたちがお世話になったお茶の先生宅にお礼に伺ったら、もう高齢なので庭の植物を整理していると言われ頂いてきたもの。紅白で頂いたのですが、赤は枯れてしまいました。
あまり実をみなかったような・・・・?
それから、
やや小ぶりの花をいっぱいつけます。
葉っぱが小さくて、実はがさがさしています。 葉っぱは虫食いだらけであまりきれいではありません。ツバキってあまり虫が来ないように思うのですが、これって本当にツバキ? あ、花は他のツバキのように首から落ちます。
道ばたの畑の隅に植えられているツバキ
この木がおもしろくて、赤い花だけが咲く枝もあるのです。
写真を撮っていると畑の持ち主のおじさんがやってきました。
「こんにちは、写真撮らせてくださいね。」
この方とは会っても挨拶する程度の知り合い。
おじさんは、「ほったらかしにしとるけん。」といいながら、「こっちにわびすけもあるんじゃけど」と奥へ案内してくれました。知ってます。いつもこっそり入り込んでましたから。これはないしょ。
「このしぼりの花はかわいいですね。最初っからこんなに赤としぼりとが一緒に咲いてたんですか?」
「そうそう、めずらしかろ?」わたしが思うに、枝が先祖返りしているのではないかな。年々赤い花が増えているように思います。下の方には白い花が見えてきたし・・・・でもそれは言わないでおこう。
と、ここで話が思わぬ展開に
「この間松山の晩翠荘でツバキ展があったろ?行ったかね?」
「いや、松山までは・・・・小松の椿一輪展は行ったことがあるけど・・・。」
「ほう。わしゃ、小松へは行ったことないんじゃけど、あそこには珍しいのがあるかね?」
「わたし、ツバキはあんまり知らんので、どれ見ても珍しかったけど。」
「わはははは・・・」
そこでやっと、おじさんが見かけによらずツバキ好きだとわかったのです。
「珍しいのだったら、Mさんとこに「御所車」というツバキがあって、あれがかわいかったんですよ。もう苗が手に入らんて言ってました。」
「それじゃったら挿し木したらええ。夏に一枝もろて(貰って)挿したらすぐつくけん。」
ものすごく興味深そうに力を入れて説明してくれました。
こうして、挨拶しかしたことのなかった人と思わぬ長話をしたのでした。
道ばたの花と散歩中の犬とは、コミュニケーションツールとしては最強ですねえ。