あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

松竹大歌舞伎

2008-09-10 00:42:57 | くらし

今日は芸術鑑賞の日です。


まず、三越デパートで開かれている春の院展を見に行きました。



 日本画の繊細な光と陰の描き方が好きです。 図録を買ってきました。 あとでもう一度ゆっくり鑑賞します。


 夜はこちら。



 松本幸四郎さんの弁慶がとても楽しみ。


 ロビーの歌舞伎グッズ売り場は人でいっぱいでした。



 弁慶Tシャツだの、隈取り手ぬぐいだの、参考書だの・・・・・。 なぜか北海道産昆布も。


 緞帳がするすると上がったらもう一つ幕が。 テレビなどで見なれている縦縞の引き幕、 その幕を黒子が引っ張ると、一気に歌舞伎の世界が広がります。



 と思ったらいきなり携帯電話の音楽。 娘の隣の席から聞こえます。 娘は「わたしじゃない」とおおあわて。 ところが肝心の携帯の主はイヤホンで解説を聞いているため全く気がつかない様子。 出だしの数分セリフを聞き逃してしまいました。 プンプン。


 演目の「芦屋道満大内鏡 葛の葉」 は、葛の葉に化けた白狐が正体が知られそうになって、わが子を置いて去ろうとするお話。 きつねの葛の葉と、人間の葛の葉姫を早変わりで演じるところとか、障子へ歌を書き残すとき、左手や口で書くとか、きつねに返ったときのしぐさとかの技巧もおもしろかったのですが、やはり子を置いて後ろ髪を引かれるように去っていく場面は心打たれました。 
 


 しかし


 きつねの葛の葉が眠っているわが子へ切々と思いを語っているとき、今度は小学生くらいの子どもの声が客席にひびきわたりました。 それもずっと何かおしゃべりしているらしいのですね。 これにはまいりました。 小さい頃から良いものを見せておこうという親心なのかもしれませんが、 良い芸術よりも先にマナーを教えておくべきでしたね。 少なくともおしゃべりはそばにいる親に聞こえるだけの声でさせてほしかった。 その子に歌舞伎は早すぎたのではありませんか?  


 休憩を挟んで今度は松本幸四郎が弁慶を演じる「勧進帳」です。


 今度は引き幕ではなく緞帳が上がりました。 と、そこは大きな松の絵を背にしておひな様のように長唄の歌い方と三味線などの地方が2段に並び、まるで一幅の絵のような世界でした。
 弁慶と富樫との緊迫したやりとりの後、お芝居はいよいよ佳境に入ります。 架空の勧進帳を読み上げるあたりから、もう弁慶にくぎづけです。 たった一人でこれだけたくさんの人を引きつけるなんてすごい。 
 


 なぜか子どもの声は聞こえません。 休憩の間にしっかりと言い聞かせたのか、雰囲気に引き込まれて見入っていたのか、いずれにせよよかったです。 ただ、後ろのおじさんがお酒臭いんですね。 時折ぷう~んと匂ってくるアルコールの匂い、けっこう気が散ります。 


 そしてお芝居の方は、音楽と踊りとで盛り上がり、最後は弁慶の飛び六法で締めくくられました。 初めて生で飛び六法を見た!  
 幸四郎の弁慶は、様式化されたしぐさや表情の中にも微妙な心の動きが見て取れる、本当にすばらしい弁慶でした。 


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コメント (2)
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