トシの旅

小さな旅で学んだことや感じたことを、
まとめるつもりで綴っています。

「宮水井戸」のある町に、ちょっとだけ行ってきました  

2011年01月07日 | 日記
阪神西宮駅から南に歩いて10分ぐらい、国道43号線を越えると、
お酒(日本酒)の名前の入った看板が、次々に目にはいってきます。



これらは、お酒づくりに使う井戸水を汲み上げるところです。
立ち入り禁止になっていましたから想像するしかないのですが、
おそらく建物の中はポンプ場になっているのでしょう。

このあたりは、灘地方と呼ばれ酒づくりの盛んなところです。
最近はあまり目や耳にしなくなったのですが、かつては
「灘五郷」(今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷)の一つとして知られていました。


一般に、お酒は秋になると味が落ちるのが普通でした。
しかし、江戸時代末期の天保11(1840)年、灘地方で酒造りを営んでいた、
山邑太左右衛門(後の白鶴酒造)は、この西宮地域の水で仕込んだお酒は、
秋になると味が一段と芳醇になる(「秋晴れ」という)ことに気がつきました。
それ以来、各地の酒造家は、この水を使うようになったということです。

そのため、「西宮の水」を酒造家に売る「水屋」という商売も起こったといいます。
「宮水」は「西宮の水」から転じたもので、今でも
久保町、鞍掛町、石在町、東町の500m四方の地域の井戸から
各酒造会社は、汲み上げているそうです。
久保町に、「宮水発祥の地」の碑があり、公園風に整備されていました。

西宮(旧西宮郷)には、「日本盛」「灘自慢」「喜一」「白鷹」「白鹿」「灘一」「島美人」
などの多くの酒造会社があります。
どの会社も、こうして井戸から水をくみ出し、酒づくりに使っているのでしょうね。
最近は、偽表示問題がときどき話題になりますが、
こうして、「宮水井戸」と書かれた大きな看板を目にすると、
お酒に対する信用も増して来て、がんばっているな!と共感してしまいます。

市内には「酒蔵通り」と名付けられた通りもあります。


「白鷹」と「日本盛」が見えました。

最近は、酒造会社が経営するレストランや記念館等が増えていますが、
ここにも、「白鷹禄水苑」と「白鹿クラシック」がありました。
「日本盛」もあるようですが、行く時間がありませんでした。残念!

正月明けでしたので「白鹿クラシック」と「酒造館」、「資料館」は閉館でしたが、
「白鷹禄水苑」は開いていました。

中に、「白鷹」のお酒が飲めるショットバーがあると書いてありましたが、
私がいった時間は「終わりました」になっていました。
少し買い物をしましたが、禄水苑の限定品「味吟醸」500mlと、
高山産の赤かぶ漬けの相性が絶品でした。
さすが、「赤かぶ検事」が大好物だっただけありますね。


「白鹿クラシック」の近くに、
「日本人の手で建造され日本人が住んだ」最初の洋館、
辰馬喜十郎邸が残っています。

短い時間だったので、十分見えていませんが、
一緒にいった家人もけっこう楽しんでおりました。