ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

福寿草の七福神について 追加2

2022-12-21 11:04:15 | うんちく・小ネタ
福寿草の「七福神」という品種に奇妙なコメントがつくことが多いようです。

いわく:
 古い品種解説文には七輪(花)回り咲く

さて、品種解説文の実際は中村農園の故中村種次郎氏発行の「福寿草銘鑑」
(昭和初期に発行)とその後の「検証」という表で、「七福神」の解説文に

 黄金色二重七花固まり開く奇品

とあります。今の花は、二重(フタエ)は合っていますが、平凡な花のようです。
 追記2:一般に、二重はニジュウと読み、ガクが花弁のように大きく上の花弁と
     合わせてニジュウの花に見える花を指すようです。フクジュソウに多い
     咲き方は一重よりその上の重ね咲きで、外弁の花弁の隙間を内弁が
     埋めるような咲き方で別の見方ではフタエと言いたくなるものです。

江戸時代の銘品集(89ページ)のコピーが平成福寿草の会15周年記念誌
福寿草写真集の8ページ下に載っています。
~同ページの上は、江戸時代幕末の「本草要正 巻4」です。
 原書もネットで参照できます。
~残念ながら、銘品集の原本には未だ辿れていません。

さて、その銘品集に「七福神」の項目があり、七福神のメンバー7人の夫々に
見立てた7品種の福寿草が並んでいます。

つまり、江戸時代の七福神は一つの品種ではなかったのです。
七つ揃えて咲かせるから七花固まり開くことが可能だったのです。

どこかで口伝の誤りが発生し、そのまま収集家の中村氏に伝わってしまった
ことに原因があったようです。

さて、江戸時代の「七福神」の構成員と(福寿草品種)は次の様です。

大黒天(榊原万福咲)  絶品(別名の八重咲品種で現存するかも)
夷三郎(絞石竹咲)   絶品(絞りの撫子が存在しない)~恵比寿天じゃなかったのね
            追記2:絞りの福寿草も出現するそうですが、お金を取って良い
                商品にはできていないようです。数年に1花とか1株に
                1花という出来のようです。
福禄寿(三段咲)    いまある三段咲とは品種が違うらしい
            福禄寿の名前でより大輪の「福寿海」みたいなのがある
             追記1:ただし銘鑑には記載されていない
毘沙門天(魚子咲)   魚々子 のことなら現存。
            追記1:銘鑑では「魚之子」としています。
                平成福寿草の会は「魚々子」を使っている
            追記2:魚子はどの花でもナナコと読むそうです。々や子を入れて
                ナナコとするのは誤用のようですが品種名なら許容範囲かも。
                魚子咲の定義は花弁が小さくオシベ、メシベが目立つ花の
                咲き方を言うようです。すごくザックリな定義です。
                福寿草の魚々子は、オシベより短く細い花弁ですからピッタリ。
                 七々子(ナナコ)は花弁がないかあってもより小さい。
                菊やバラの魚子の写真を見ると、魚子の定義を疑ってしまいます。
                花が結構大きいよ。オシベ、メシベは目立ってないよと。
                いずれにしても面白いだけの品種かと。
            追記1:毘沙門天の名前で黄花大輪(8~9cm)があるようです
                もちろん銘鑑に記載されているはずもない。近年の品種です。
布袋和尚(青梅青茎)  青梅草はいろいろ現存しているがこれは絶品かも
弁財天(浅黄白)    両方の名と弁天の名でも通用し現存
            追記2:浅黄白の品種名から白花系に属しますが、実生可能なせいも
                あるのか断定できないほどの違いが出ているようです。
寿老人(長島)     寿の名もあるらしいが平成福寿草の会が絶品と判断
            追記1:「寿」の名で通用していたのは「小菊」、「連雀」
                「高遠桜」の別の品種だった

となっています。
現在の七福神は、どれでもないようです。残念ですけど。

追記1:福寿草の名前で登録されたことがあるのは2つだけです。
    他は誰も管理していない名前なので付け放題とも言えます。
コメント
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