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「ここらでまとめ」はまだ書こうとは思いますが、何かの本の孫引きみたいなことを書いていてもしょうがないので、
いずれまた書きたい衝動が起こったら書きます。
連休前、長い間会わなかった身内がもの凄く暗い声で突然電話をかけてきました。
進行性のガンに侵されているのは知っていました。
どうしたのと聞いても返事をしません。
連休に入ったら日程を調節して行くからと言っても返事をしません。
調節するなら来なくてもいいと言います。
じゃあ、とにかく明日行くからと言ったら、ようやく納得しました。
久しぶりに関東へ行く新幹線に乗りました。
車中から、気高く聳える富士山をじっくりと見ることができました。
もう十年以上も訪れていない住居に、道を迷いながら辿り着きました。
玄関を開けて出てきた彼女はすっかり別人になっていました。
顔も身体もそうですが、心が別人なのです。
木炭のような光の宿らない目で、ぼくの目を探るように見つめます。
被害妄想が出てきていて、盗聴器が仕掛けられているとか、誰かが見張っているとか言い出します。
正常な意識と、混濁した意識が交互に顔を出すような感じです。
とにかく話を聞いてあげます。
いいたいだけ言っているうちに、彼女は、結局全部自分の責任なんだと言い始めました。
残酷ですが、そうだ、とぼくは言います。
この現実はぜんぶあんたが作ったものだ。
いい悪いじゃない、ただこの現実を作ったのは間違いなくあんただ、とぼくは言いました。
彼女は素直に頷きます。
で、これからどういうふうに残った人生を送るかを話しました。
いまのまま、周囲の人間を疑い、自分の人生を否定し、際限なく孤独、寂しさ、恐れの闇を再生産して行ってはいけないと。
身体も心も苦しくて、きつくて、呪わしくてしょうがないのが痛いほど伝わってきます。
それでも、残された人生を行きぬかなければなりません。
周囲の人にも、自分にも不満や疑いや呪いを投げつけているだけでは、ますます状況は地獄化します。
周囲の人がしてくれたことに対する不満ではなく、してくれたことの感謝をしろと言いました。
苦しさを分かってくれない不平ではなく、苦しさを分かってくれようとしてくれることへ感謝しろと言いました。
この事態が自業自得と分かるのなら、それを分かった今から、心を入れ替えて精一杯生きろと言いました。
身体も丈夫で、今までどおり仕事をしていたら、あんたは絶対に気が付こうとしなかった。
それほど傲慢に生きていた。
そこまで言いました。
彼女はこんなぼくの残酷な言葉も受け入れたように見えました。
それでも、心は苦しくて苦しくてたまらないように見えました。
二日にわたって、すぐ同じところ(愚痴・悲嘆)に戻る彼女の話を聞いては遮り、遮っては聞きました。
帰りの新幹線、どこまで行っても同じような建てうる住宅が立ち並ぶ日本の風景を眺め、買い込んだ水割りやチューハイを飲みました。
彼女の光の失せた目を思い出すと涙が溢れてきました。
ぼくの言葉など何の役にも立たないのはぼくが知っていました。
なにも出来ないことを知っているぼくは、彼女と会うのをずっと避けてきていたのです。
ぼくは思い知りました。
彼女の苦しみは、ぼくの苦しみでもあることを。
そこから逃げることなど決して出来ないことを。
彼女には偉そうに自分の人生と向き合えなどと言ってきましたが、自分の人生から目を逸らしていたのはぼくでした。
戦っていたのは、彼女です。
近いうちに滝の行に入ります。
彼女を支える何かが動くように、先祖供養のための行に入ろうと思います。
いずれまた書きたい衝動が起こったら書きます。
連休前、長い間会わなかった身内がもの凄く暗い声で突然電話をかけてきました。
進行性のガンに侵されているのは知っていました。
どうしたのと聞いても返事をしません。
連休に入ったら日程を調節して行くからと言っても返事をしません。
調節するなら来なくてもいいと言います。
じゃあ、とにかく明日行くからと言ったら、ようやく納得しました。
久しぶりに関東へ行く新幹線に乗りました。
車中から、気高く聳える富士山をじっくりと見ることができました。
もう十年以上も訪れていない住居に、道を迷いながら辿り着きました。
玄関を開けて出てきた彼女はすっかり別人になっていました。
顔も身体もそうですが、心が別人なのです。
木炭のような光の宿らない目で、ぼくの目を探るように見つめます。
被害妄想が出てきていて、盗聴器が仕掛けられているとか、誰かが見張っているとか言い出します。
正常な意識と、混濁した意識が交互に顔を出すような感じです。
とにかく話を聞いてあげます。
いいたいだけ言っているうちに、彼女は、結局全部自分の責任なんだと言い始めました。
残酷ですが、そうだ、とぼくは言います。
この現実はぜんぶあんたが作ったものだ。
いい悪いじゃない、ただこの現実を作ったのは間違いなくあんただ、とぼくは言いました。
彼女は素直に頷きます。
で、これからどういうふうに残った人生を送るかを話しました。
いまのまま、周囲の人間を疑い、自分の人生を否定し、際限なく孤独、寂しさ、恐れの闇を再生産して行ってはいけないと。
身体も心も苦しくて、きつくて、呪わしくてしょうがないのが痛いほど伝わってきます。
それでも、残された人生を行きぬかなければなりません。
周囲の人にも、自分にも不満や疑いや呪いを投げつけているだけでは、ますます状況は地獄化します。
周囲の人がしてくれたことに対する不満ではなく、してくれたことの感謝をしろと言いました。
苦しさを分かってくれない不平ではなく、苦しさを分かってくれようとしてくれることへ感謝しろと言いました。
この事態が自業自得と分かるのなら、それを分かった今から、心を入れ替えて精一杯生きろと言いました。
身体も丈夫で、今までどおり仕事をしていたら、あんたは絶対に気が付こうとしなかった。
それほど傲慢に生きていた。
そこまで言いました。
彼女はこんなぼくの残酷な言葉も受け入れたように見えました。
それでも、心は苦しくて苦しくてたまらないように見えました。
二日にわたって、すぐ同じところ(愚痴・悲嘆)に戻る彼女の話を聞いては遮り、遮っては聞きました。
帰りの新幹線、どこまで行っても同じような建てうる住宅が立ち並ぶ日本の風景を眺め、買い込んだ水割りやチューハイを飲みました。
彼女の光の失せた目を思い出すと涙が溢れてきました。
ぼくの言葉など何の役にも立たないのはぼくが知っていました。
なにも出来ないことを知っているぼくは、彼女と会うのをずっと避けてきていたのです。
ぼくは思い知りました。
彼女の苦しみは、ぼくの苦しみでもあることを。
そこから逃げることなど決して出来ないことを。
彼女には偉そうに自分の人生と向き合えなどと言ってきましたが、自分の人生から目を逸らしていたのはぼくでした。
戦っていたのは、彼女です。
近いうちに滝の行に入ります。
彼女を支える何かが動くように、先祖供養のための行に入ろうと思います。
あなたの彼女への「優しさ」と「厳しさ」がわたしの身をを貫くようで哀しいです。
きっと、彼女には分かったと思います。感じたと思います。
わたしも、私なりの方法で彼女の心が安らかでありますよう、そして病気の苦しみが少しでも安らぎますよう今日からお祈り致しましょう。
いろいろお忙しいでしょうが、彼女のため、そして彼女を思うあなた自身のため是非行に入られてください。
ともに頑張りましょう。
人の心が闇に閉ざされているのを見るのはとても辛いですね。
己の無力さを強く感じます。
彼女の心にわずかばかりでも光が射すよう、「行」頑張ります。