風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

思い出の夏

2010年06月27日 | 雑感

今日も一日中ビタビタという感じで雨が降っていました。
わずかに雲が切れ、雨がやんだ隙を狙って自転車で来ましたが、帰りはバスになりそうです。

「思い出の夏」という古い映画を、昔名画座で観ました。

http://www.youtube.com/watch?v=kWMxX5MGuHI

筋などはあまりピンと来なかったのですが、荒涼とした感じの砂浜と、すばらしくロマンティックな音楽が深く印象に残った映画でした。
ある時、大学のサークルの部室で、めいめいが好きな映画の話をしている時に、一つ上の女の先輩がこの映画の題名を挙げました。
ヴィスコンティだの、ゴダールだの、鈴木清順だの、小津だのと、みんな精一杯通ぶっているところに、ぽつんと彼女はこの映画を挙げました。
案の定、彼女とぼく以外にこの映画を見た者はいませんでした。
それからというもの、彼女の映画に対する感性を文句なく信頼することにしました(笑)

深みも重みにも面白さにも欠ける雰囲気だけの映画ではありました。
俳優たちも取り立てて魅力的だったわけではありません。
でも、なにかが心の琴線に触れる、そんな映画でした。

噂でしか知りませんが、彼女はどこかのお金持ちのお嬢様だったらしいです。
ぼくは典型的な貧乏学生でしたが、たまに、おでん屋や居酒屋で合流した時は、話が弾みました。
会話に切れがあり、博識で、誇り高くもワイルドなところがありました。
彼女の私生活の事に関しては、一切彼女の口から話題として上ったことはありませんでした。

卒業後も何度か飲みに行ったことはありますが、忙しい彼女とは次第に連絡が途切れていきました。

この映画の曲がどこかの喫茶店やらホテルやで耳にする時、必ず彼女の端正な顔が思い浮かびます。
そしてなぜか、あの荒涼とした砂浜の風景も思い浮かびます。


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