風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

一人旅

2010年06月23日 | 雑感
禅道場の仲間が、まだ20代の女の子(もしかしたら30代)なんですが、明日から放浪の旅に出ます。
日本全国に散らばる道場をとりあえずの拠点として、九州を出て東京、北海道から新潟を回ってという、スケールが大きい一人旅です。
そのあとの予定は未定だそうです。
そういうことができるうちは、どんどんしたらいいと思います。

知らない街で、知らない人に会い、知らない大気を胸いっぱいに吸い込み、知らない空を流れる雲を見る。
ぼくの一番好きな生き方のスタイルです。
そういうことをさんざんしてきましたが、それでも飽きるということがない世界だと思います。
体力や資金の問題も大きいのですが、それよりも気力がなくなってきてはいるのですが、まだまだ知らない土地が地球上に広がっています。
キリがない話ではあります。
それでも、できる時はできうる限りあちらこちらをうろうろするのが人にとって最良の学びでもあり、最高の贅沢でもある気がします。

身内やら、友人やら、知り合いやらから離れて暮らすというのは、否応なくたった一人の自分という人間が浮かび上がることです。
恐ろしいほどの孤独感が浮かび上がるのか、解放の喜びを味わうのか、なにが浮かび上がるのかは人それぞれでしょう。
なにが浮かび上がってこようが、それが等身大の自分自身であることからは逃れようがありません。
そこがまた、なんとなく曖昧模糊とした観念に流されて行きがちな日常生活では味わえない境地です。
自分ひとりで、自分ひとりと対峙して道を歩いていくのが一人旅です。

数ヵ月後には彼女は帰ってきます。
語りえるもの、語りえざるもの、その両方を胸にいっぱい詰め込んで、彼女は帰ってきます。
たくましく、美しく、誇り高くなって帰ってくるはずです。
行く道々の路傍に、願わくば草花が咲き誇らんことを。