鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

140108 十勝川ワシ観察クルーズ

2014-01-10 23:26:04 | 猛禽類
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All Photos by Chishima,J.
タンチョウ 以下すべて 2014年1月 北海道十勝川中流域)


 本日はお客さんのご都合により、昼過ぎからの川下りとなりました。この時期の午後は風が強くなるので心配していましたが、幸いクルーズ中は適度な西風を受けながら、微睡むような穏やかさの中を流れました。
 陸上からオオワシ、オジロワシを観察後に繰り出した川の前半は、ここ数回と同様ワシは少なめでしたが、セキレイ類やカモ類が劇的に増えていました。特にホオジロガモは数~数十羽の群れがいくつも頭上を行き交い、英語で‘whistle(口笛)’と称される金属的で美しい羽音を、今シーズン初めて堪能しました。ようやく、いつもの冬の十勝川の雰囲気になって来ました。このところの冷え込みが効いたのでしょうか。
 そして後半、河畔林から飛び立ったオオワシ成鳥が何度も頭上を旋回して、惜しみなくその雄姿を披露してくれました。その後はオジロワシ成鳥、タンチョウと立て続けに出現し、特にタンチョウは3羽の群れが2つ、合計6羽も見ることができました。いずれもファミリーではなく、ペアに単独個体が付きまとっている(?)ものでした。密接して、動作までシンクロさせて飛ぶ2羽の後ろを鳴きながら付いてゆく単独個体を見ながら、ボートの上からは参加者がそれぞれのタンチョウ恋物語を妄想し、アドリブで台詞を連発していました(笑)。


オオワシ成鳥
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 上陸後は陸上からのワシ観察スポットへ。午後の早い時間ということもあって休息中のワシが多かったのも束の間、風が強くなるとやおら動き出し、餌を探しに行くワシを何羽も見送りながら本日のプログラムを終えました。
 サケはあらかた食い尽くしたと見え、ワシの数はかなり減って来ましたが、タンチョウを6羽も見られたのは案内する自分にも驚きでした。今シーズンは運航した9回中8回でタンチョウと出会えています。個体数と分布の拡大に伴って、十勝川中流域で越冬するタンチョウが確実に増えているようです。この状況が今後も続くなら、「十勝川ワシ・タンチョウクルーズ」と銘打てる日も近いかもしれません。本日のお客さんも仰ってた、「タンチョウって、釧路に行かなくてもこんなに見れるんだぁ…」を多くの方に実感していただきたいと思います。


十勝川の水面を行く
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*十勝川ワシ観察クルーズの詳細は、十勝ネイチャーセンターのHPを参照下さい。


(2014年1月8日   千嶋 淳)


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