鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

十勝の自然63 ヘビ類

2015-10-19 14:14:28 | 十勝の自然

泳ぐシマヘビ 2014年7月 北海道河東郡音更町)


(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年9月1日放送)

 ヘビと聞いて顔をしかめないのは、よほどの動物好きか、よほどの鈍感な人でしょう。手足のない細長い体、ギョロリとこちらを睥睨するような目、大きな口を開けば種によっては毒牙にもなる歯、そしてニョロニョロした動き…。不気味に思うなという方が無理かもしれません。
自然の恵みとともに暮らしたアイヌでさえ、ヘビは不気味だったらしく「それ」や「あれ」といった曖昧な名、あるいは「コッコプ(恐ろしいもの)」の名で呼びました。一方で、種類やタイプごとの呼び名が細かく付けられていたり、守り神や祟りの伝説を持つ地域もあったりと、関心は持っていたようです。
 十勝にはジムグリ、アオダイショウ、シマヘビ、ニホンマムシの4種が生息します。毒蛇のニホンマムシは、かつてあちこちにいたようですが、近年記録があるのは足寄、鹿追、広尾くらいです。全長1m弱のジムグリは森林に住みます。
人家や畑周辺でよく出会うのが、アオダイショウとシマヘビの2種。両種とも林の縁や農耕地に暮らし、水に入ることも珍しくありません。
アオダイショウは最大で2m近くになる道内最大のヘビで、話は飛びますが、天然記念物に指定されている山口県の「岩国のシロヘビ」は、色素を作り出せない突然変異のアオダイショウです。
全長1m弱のシマヘビは最も身近なヘビで、その名の通り、4本の黒い縞が体を走ります。ただ、変異が多く、俗に「カラスヘビ」と呼ばれる全身黒っぽいもの、シマヘビなのに縞のないものもいます。また、小さな見た目に反して気性は荒く、攻撃的です。
 爬虫類は周囲の温度と自身の体温が連動しているので、寒くなるまでには土の中や倒木の隙間に潜り込んで冬眠に入り、長い冬をやり過ごします。


(2015年8月24日   千嶋 淳)

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