All Photos by Chishima,J.
(十勝川ワシ観察クルーズ 以下すべて 2014年1月 北海道十勝川中流域)
11月半ばに開幕した今シーズンも、あっという間に最終日。陸上からオジロワシ、オオワシの成鳥をじっくり観察した後に繰り出した川面はいつになく穏やかで、5kmほど離れたJRの鉄橋を渡る汽車の音が鼓膜を揺らします。新水路の釣り人から「寒くないのぉ~?」と声をかけられ、「寒いよー!!」、「気ィ付けてなぁ!!」等と会話を交わしつつ細波すら立たぬ川を下るゴムボート。最終日で気分が高揚していたのか、気が付けばオジロワシを取り囲んでサケを強奪したタンチョウ家族にまで話は及んでいました。
このところの寒さで迫り出した薄氷の上を忙しなく歩くハクセキレイやセグロセキレイを見ながら進みますが、肝心のワシがなかなか現れてくれません。猿別川合流点に近付いてようやく、30cmはあろうかというウグイを掴み飛ぶオジロワシを発見。それを後ろから追う、もう1羽とともにしばし観察していると、今度はトビとハヤブサの空中戦が繰り広げられ、本日のハイライトとなってくれました。その後もワシ放談を楽しみながら、青から鉛色へ変わった降雪直前の空の下、ホオジロガモの羽音をBGMに無事ゴールしましたが、タンチョウやオオワシは残念ながら姿を現してくれませんでした。ここ数日の冷え込みで移動したのでしょうか。
シーズン5となる今季は、オオワシやタンチョウとの遭遇確率が高い季節でした。案内するこちらが興奮状態のことも少なからずでしたが、自分が楽しめないもので人を楽しませることはできないと思ってますのでご容赦下さい。十勝川温泉という土地柄ゆえ道外のお客さんが多いこのクルーズも、今季は地元十勝のお客さんにも結構乗船いただきました。多くの方が帯広から半日のプログラムでワシやタンチョウを堪能できることに驚き、喜んで下さいました。近年、諸条件が重なった結果、時期を選べば帯広近郊でワシやタンチョウを容易に観察できるようになって来ました。その凄さや地域にとってのポテンシャルを、微力ながら伝えてゆくお手伝いを今後もさせていただけたら、これに勝る喜びはありません。来シーズンもよろしくお願いいたします。
JR鉄橋と千代田大橋
*十勝川ワシ観察クルーズの詳細は、十勝ネイチャーセンターのHPを参照下さい。
(2014年1月12日 千嶋 淳)
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