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Photo by Chishima, J.
(ホオジロの幼鳥 2009年6月 北海道上川郡下川町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年6月15日放送)
6月も半ばを過ぎると、いろんな鳥のヒナが巣立ちを迎え、あどけないヒナが親鳥から餌をもらっているような微笑ましい光景をあちこちで見るようになります。そんなこの時期に気を付けたいのが、間違ってヒナを「誘拐」してしまわないこと。
巣立ったばかりのヒナは小さくて尾羽も短く、あまり動きません。時には悪天候で巣から落ちたり、人間や天敵の接近で早めに巣を離れたりして、まだぽわぽわの綿羽(めんう)を残し、十分飛べない状態で巣立つこともあります。
そんなヒナを見てかわいそうに思い、収容してしまうのが「誘拐」です。ほとんどの場合は近くに親鳥がいて、茂みなどに隠れながら餌を与え、ヒナは無事に成長します。人が「保護」してしまうことが、かえってヒナの未来を奪ってしまうかもしれないのです。ヒナを人の手で育てるのは非常に難しいですし、種によっては秋に本州や東南アジアまで渡らなければなりません。
ですから、幼いヒナがいてもそっと見守り、なるべく早くその場を離れましょう。親鳥がヒナの近くにいないのは、おそらく人間を警戒してのことです。
もし、翼が折れているなど明らかに怪我や病気の場合には、総合振興局などに連絡して保護してもらって下さい。ヒナを育てるのはたいへん難しい上に、無許可での野鳥飼育は法律で禁じられています。
(2015年6月4日 千嶋 淳)
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