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Photo by Chishima, J.
(ハリオアマツバメ 2015年6月 北海道中川郡池田町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年6月30日放送)
針に尾と書いてハリオの通り、尾羽の軸が針状に突き出しているのが特徴です。長い進化の歴史の中で培われたものゆえ、生きてゆく上で何らかの役割を果たしているのでしょうが、詳しくはわかっていません。
アマツバメは雨に燕と書き、雨の気配をいち早く察知して雨のない場所へ素早く移動する、あるいは雨雲の下側で虫を捕えることに因んだ名前です。飛ぶことに著しく適応したグループで、餌を捕るのはもちろん、交尾や睡眠さえも飛びながら行い、地に足を付けるのは卵を抱くのとヒナに餌を与える時くらいと言われます。細長い翼などツバメとよく似た形をしていますが、これは空中を飛びながら虫を食べるのに適応して形が似ただけで、分類学的にはまったく別の仲間です。
5月中旬にニューギニアなどの越冬地から飛来し、10月まで見られます。主に樹洞で繁殖し、大木があれば市街地の近くにも生息します。朝夕や雨の前など餌の虫が低く飛ぶ時には低空を飛びます。「チルルルル…」の高い声を聞いたら、ブーメランのようにしなった鎌型の翼を探してみましょう。
アマツバメの仲間は急降下や追い風に乗った例を除くと最も速く飛ぶ鳥で、近縁種のヨーロッパアマツバメは時速111.6kmで飛んだ記録のある、鳥類の最高スピード記録保持者です。ハリオアマツバメも低空を飛ぶと、「シュッ」と羽が空を切る音が耳を掠めることがあり、かなりの高速で飛んでいるはずです。
(2015年6月24日 千嶋 淳)
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