Photo by Chishima, J.
(伸長中のオオイタドリ 2015年5月 北海道中川郡池田町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年5月26日放送)
つい先日までの厳しい冬が嘘のように、初夏を感じさせる自然の風物が増えて来ました。日ごとに背丈を伸ばすオオイタドリもその一つでしょう。私の住む池田町では5月22日現在、大きなもので1mほどまで伸びています。この後も茎は天に向かって成長を続け、最終的には2~3mと、大人の身長より高くなります。
イタドリとは漢字で痛みを取ると書き、地下茎(ちかけい)や葉には痛みを取る作用があるそうで、実際にオオイタドリを原料とした関節痛のサプリなども販売されています。地下茎を干したものは、抗菌や咳止めにも効果があるとされます。また、葉が開く前の若い芽は和え物や酢の物、若い茎は煮物や天ぷらなど、食用にもなります。
住宅地内の空き地や川の堤防といった身近な場所にも生え、しばしば大群落を作ります。丈が高くなって来ると、先端はベニマシコなど小鳥がさえずりを奏でるソングポストとして利用され、コガネムシなどの昆虫が葉を食べに集まります。大人の身長を越える7月から8月には白い花を咲かせ、秋の終わりには枯れますが、杖にもなる丈夫な茎は冬もしばしば立ったまま残り、コアカゲラという小型のキツツキが、茎の中で冬を越す虫を探していることもあります。
(2015年5月22日 千嶋 淳)
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